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金!暴力!女!「ブルーアーカイブ The Animation」レビュ-

ブルーアーカイブ The Animation( 未分類
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この記事を書いた人
笠希々

オタク歴25年、アニメレビュー歴13年、
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評価 ★☆☆☆☆(19点) 全12話

あらすじ ――ここが、私たちの居場所だから――数千を超える学校で形成された巨大な学園都市「キヴォトス」。引用- Wikipedia

金!暴力!女!

原作はソーシャルゲームな本作品。 監督は山岸大悟、制作はYostar Pictures studio CANDYBOX

世界観

ここ数年は色々なソーシャルゲームがアニメ化され、 そして散っていった。中にはアニメ化して数カ月後には サービス終了するような作品もあり、ある種の鬼門になっている。 その原因はシンプルだ。 まずソシャゲに限らずだが、ゲーム原作の作品は 「アニメ」という媒体と相性が悪い。 ゲームなら70時間や80時間、クリアまでのストーリーがあるが、 それを1クールなら5,6時間の尺にまとめないといけない。 ソーシャルゲームならより、その難易度は上がる。 ソーシャルゲームには基本的に終わりというものがない。 サービスが続く以上、ストーリーも永遠のように続き、 章ごとに別れて長期の壮大なストーリーを展開している。 このあたりは特定の章を描いたり、本編が始まる前の 前日譚を描くことでゲームにつなげるような作品も多い。 ソーシャルゲームの最大の特徴はキャラクター数の多さだ。 ガチャというシステム上、無限にキャラが増えていく。 アニメという媒体で大勢のキャラを登場させようとすると、 一人ひとりのキャラクターの印象が薄くなる。 更に主人公の問題だ。 ソシャゲの場合は主人公=プレイヤーであることが多く、 下手したらセリフや外見も描かれることがない。 それをアニメで登場させるときにどうするのか。 こういったハードルの高さを こえられなかったソシャゲ原作は数多ある。 ブルーアーカイブは果たして、そのハードルを超えられるのか。

世界観

1話冒頭から謎なのが世界観だ。 なにか戦争のような状態であり、街の外だけでなく、 街中でさえ砂が建物を飲み込んでおり、 残った大地に僅かな人類がいきているとも思えるような状況だ。 その僅かな人類も「人類」と呼べるのかどうかすら怪しい。 キャラクターによってデザインが違うのだが、 獣人のように獣耳が生えてるキャラがいたり、 全キャラ「天使の輪」のようなものが頭の上に浮かんでいる。 彼女たちは天使なのか、この世界は地上なのか天国なのか。 そのあたりの世界観の説明が一切ない(苦笑) メインキャラたちが居るのは「学園都市」であり、 様々な学園が自治区を持ち、それぞれの街を守っている。 そんな中で連邦生徒会長と呼ばれる存在が 行方不明らしいというのはわかるのだが、 なぜ学生が自治をしているのかもわからず、 彼女たちの天使の輪っかもなんなのかわからない。 キャラクターデザインこそ可愛いものの、 そんなキャラクターたちのバックボーンが見えず、 世界観も全く見えてこない。 出てくるキャラのほぼ全てが女の子であり、 それ以外はロボットだったり獣しか存在しない。 「男性」という性別がそもそも存在しない世界なのかと思いきや、 「先生」と呼ばれる男性が急にメインキャラの前に現れる。 彼は連邦から来た存在らしく、金銭や物資が不足しており、 メインキャラたちの学園の支援に訪れている。 学生もたった5人しかおらず、ギリギリな状態だ。 なぜそこまで物資や金銭が不足しているのか、 起承転結の起の部分の説明がないため、 いまいちどういう状況下の理解が追いつかない。 そんな中で戦闘が始まる。

死なない

敵は急にやってきてメインキャラたちを襲う。 弾薬が少ない中で撃ち合うのだが、銃弾があたったり、爆弾を投げ込まれても、 メインキャラたちは怪我1つしない(苦笑)もはやサバゲーだ。 無駄に弾薬だけ消費してバカスコ撃ち合っているのだが、 弾薬が不足しているメインキャラたちの状況は悪い。 そこで出てくるのが「先生」だ。 原作ゲーム通り、キャラクターに指示をし戦わせる。 それをアニメで再現したいのはわかるが、 特に優秀な指示でもないため、やられる側のバカっぽさが凄まじい。 敵はヘルメットを被っており、ヘルメットの顔の部分が壊れると 「恥ずかしがって」戦闘不能になってしまう。ちょっと意味不明だ。 どれだけ撃ち合っても怪我1つせず、襲ってきた敵を殺しもしない。 殺伐とした世紀末のような世界観なのに、 血の一滴も流れないのは違和感でしか無い。 主人公は行方不明の連邦生徒会長から託されたタブレットを持っている。 そんなタブレットの空間の中には謎の美少女が居る、 彼女はシステムのOSであり、秘書のようなのだが、 もうなにもかも情報が足りず「どういうこと…?」となってしまう。 メインキャラたちが自治している場所には 「無法者」が多く、1話で襲ってきたヘルメット団の 拠点を潰したりしているのだが、彼女たちには「9億」以上の借金がある。 砂で埋め尽くされた自治区の復旧をするために、 悪徳金融会社に頼っている始末だ。 とりあえずの目的として借金返済というのがあり、 自治区の外からやってきた先生とメインキャラたちが 交流を深めながら借金を返すためになんとかするような ストーリーを描きたいのはわかるものの、 やはりよくわからない世界観だ。 彼女たちが自治する場所は街の半分が砂に埋もれている。 そんな状況なのに町の住民は意外と多い。 そもそもなんで学生が自治をしているのか、 せめてそのあたりでも明らかになればいいのだが、 子供な彼女たちが自治しているのが謎でしか無い。 謎ばかりが増えて、それが解決しない。 宙ぶらりんになっている要素が多いからこそ、 作品の世界に入り込めず、いつまでも蚊帳の外だ。 原作からこうなのかわからないが、色々と詰めの甘さを感じる。 ただキャラクターの印象と掘り下げはしっかりとしている印象だ。 メインキャラはアビドス高等学校の5人をメインにしており、 話が進むと当然、他のキャラクターも出てくるのだが、 ソシャゲ原作アニメにしては控えめともいえるキャラ数だ。

銀行強盗

序盤はそんなアビドス高等学校のキャラと そこに訪れた先生との交流を描きながら 5人のキャラを掘り下げつつ印象付けをしている。 とあるキャラなど「マルチ商法」に手を出してまで お金を稼ごうとしている(笑) そのあたりの日常コメディとしては悪くないのだが、 一応は法律などもある世界なのはわかるのだが、 当然のように若い女の子が重火器を扱っているのは意味不明だ。 話が進むと別の学園のキャラも出てくるのだが、 これまた懐事情が良くない。 彼女たちもまたなぜか主人公たちの学園を襲ってくる。 戦闘シーンがまた描かれるものの、 アップの絵が多く、あまり迫力のあるアニメーションとは言えない。 C4はクレイモアといった現実ならば肉体が粉々になるレベルの 爆弾を使われても傷1つつかない戦闘シーンだからこそ 「緊張感」もない。サバゲーだ。 これが不殺のサバゲーで勝利条件を満たしたほうが 相手の自治区を奪えますみたいなルールがきちんとあり、 それが説明されるならば違うかもしれないが、 そういった説明がないため、なぜ傷つかないのかなど謎でしか無い。 ちなみに主人公たる「先生」も影が薄い。 1話こそ指示をしていたが、それ以降はろくに指示もしていないため 存在感が余計に薄くなってしまう。 そんな法律が一応はある世界なのに「銀行強盗」をしようとする。 闇銀行、犯罪によるお金を扱っている銀行なのはわかるが、 銀行強盗は銀行強盗だ(苦笑) 結果的に盗んだものは「書類」だけではあるが、 お金を盗んだという結果自体は変わらない。 お金自体は持ち帰っていないものの、 そのお金自体は別の学園のキャラが持ち帰っている。 キャラの倫理観がよくわからない作品だ。 ライトなノリでコミカルにギャグをやりつつの 日常ストーリーではあるものの、 そんな日常を素直に楽しみきれない部分が多く、 引っかかりが生まれている。

爆破

銀行強盗の時点で倫理観に疑問が生じていたが、 5話では更に倫理観が崩壊していく。 メインキャラたちが足繁く通い、 メインキャラの一人がバイトをしているラーメン屋がある。 お客は少ないが親切な大将のいるラーメン屋だ。 そんなラーメン屋を主人公たちとは別の学園の 「便利屋68」が爆破してしまう。 彼女たちは悪党な感じのムードを漂わせているものの、 悪党になりきれない憎めないキャラクターだった。 しかし、話の流れの中で勢い任せにとあるキャラが ラーメン屋を爆破してしまう。ちょっと笑えない展開だ。 本来は対立する学園同士なのに仲良くしてしまっている、 その関係性が本来の立ち位置に戻るための展開として 必要だったのかもしれないが、唐突に新キャラが現れて ラーメン屋の件はどうでもよくなる。 みてる側としてはラーメン屋がどうなったのかのほうが気になるのに 話の焦点は新キャラである風紀委員に移ってしまうため、 またしても話に引っかかりが生まれてしまう。 ラーメン屋の件を有耶無耶にした中で、 メインキャラと便利屋68が共闘する流れになるのも意味不明だ。 作品全体として言えることだが、 明るいコメディや日常パートなどで 女性キャラクターの可愛さを見せたいのはわかる、 そのあたりの可愛さはしっかりと感じるのだが、 それを素直に飲み込めない世界観になっているためチグハグだ。 ギャグアニメなら行きつけのラーメン屋が爆破されても、 店主がチリチリのアフロ頭になるくらいで翌週には お店も店主ももとに戻っているが、 この作品はギャグアニメではないため店主は怪我をし入院し、 お店ももとには戻らない。 だからこそ素直に彼女たちの日常を楽しみきれず、 かといってシリアスな部分も説明不足や描写不足な部分があるせいで よくわからない部分が多すぎて引っかかってしまう。

生徒会

そんな中で自治区の土地が勝手に 彼女たちが借金をしているカイザーコーポレーションに 売買してしまっていることが明らかになる。 返せない額の借金を負わされ、土地を売る。土地の地上げ行為だ。 カイザーコーポレーションは彼女たちの自治区の土地を求めており、 「宝」を探している。 ちなみに宝とはなんなのか、カイザーコーポレーションが 何を探しているのかは1クールでは明らかにならない。 そんな宝が隠された土地や他の土地を 彼女たちには手を出すこともできず、金利も爆上げされてしまう。 金利3000%になってしまった借金をどうするのか。 1クールずっと金の話しかして無い気がするが気にしてはいけない(苦笑) そんな金利をなんとかするためにメインキャラの一人である 「ホシノ」は身売りする、一体何のアニメを 見せられているのだろうか。 カイザーコーポレーションに身売りし置き手紙を残すのだが 「もしどこかで再会したら私のヘイローを壊して」 と書き記されている。 ここでまたひっかかる。原作ゲームをやっていればわかるのだが、 このヘイローとは1話からずっと気になってたメインキャラたちの 天使の輪っかのようなものだ。 調べた所、彼女たちはこれが壊されることで生命もしくは 自我が喪失するようなのだが、これ自体に攻撃しても無意味らしく、 体の方を徹底的に攻撃するとヘイローが壊れるらしい。 このあたりの基本的な設定をこの作品は一切解説してくれない。 原作をプレイしていればご存知ですよね?と言いたいのかもしれないが、 原作をプレイしていなければ調べない限り、 よくわからない置き手紙の内容になってしまっている。 そんなヘイローを持つ生徒たちは超人的な頑丈さを 持ちえているようで、だからこそ銃弾や爆撃をうけても 血の一滴も流さないことは調べて納得したものの、 「ラーメン屋の店主」が店が破壊されるレベルの爆撃を受けても 多少のかすり傷程度で済んだのは今作の最大の謎だ。

大人

そもそも、この世界で大人と呼べる人間は先生くらいで、 カイザーコーポレーション側の大人の見た目は全てロボットだ。 先生以外の人間な大人はどこにいるのか、 1話から描かれずじまいだった世界観が終盤でも引っかかってくる。 借金に関しても、あくまで学校が負っているものであり、 砂漠に覆われてしまった彼女たちの街を 復興させるための資金ではあるものの、 生徒もろくにおらず、自治と言えるものも成り立っていない。 普通なら他校と協力関係を結んだり、 他校に買収してもらうような形にするのが自然だ。 だが、そういったことをせず、もはや維持で多額の借金を背負い、 維持で5人で自治を続けているのが彼女たちの状況だ。 この世界の大人は大抵は怪しげな組織に所属している。 先生も、敵である「黒服」もよくわからない目的の 謎の組織に所属しているが、最後までよくわからない組織が 謎の目的で動いている。 「黒服」もホシノがほしいからこそ色々やっていたようなのだが、 ホシノというキャラの重要性がよくわからない。 終盤はそんなホシノを助けに行くという展開になるのだが、 たった4人+一人(先生)で敵の基地に押し入る状況なのに、 「先生」は銃も盾も持っていない(苦笑) はっきりいって邪魔でしか無い。 メインキャラの一人は後方支援なキャラなのはわかるが、 彼女も先生と同じく武器も持たずに敵基地に潜入しており、 絵面としての違和感が凄まじい。 ホシノ自身も捕まってなにか実験をされているようなのだが、 その実験とやらも何のための実験なのかもわからず、 なんやかんやでホシノをみんなで助け出して終わる。 最後まで見てもしっくりとこない作品だった。

総評:なぜソシャゲアニメは同じ失敗を繰り返すのか…

全体的に見て最初から最後までよくわからない世界観で、 よくわからない女の子たちが、よくわからない戦いをして、 よくわからない企業に騙されて捕まって、 よくわからない組織に所属する主人公とともに助けられておわる作品だ。 1クールでは原作の、おそらく壮大なストーリーを 断片的にしか描けていないことはわかるものの、 後の展開に繋がる伏線を敷いている段階で説明できない部分もあるのかもしれないが、 せめて彼女たちの頑丈さやヘイローについての説明などは あってしかるべきだっただろう。 最低限説明してほしい部分ですら説明せずに、 原作ゲームをプレイしている人に向けた作品にしかなっておらず、 結局はファン向けのアニメで終わってしまっている。 キャラクター自体の可愛らしさは伝わる部分はあったものの、 ところどころキャラクターの倫理観や行動に 引っかかってしまう部分も多く、物語の謎も多すぎるせいで 1歩1歩つまづきながら1クール見続けるような感覚だった。 先生の存在も薄く、居ても居なくてもどうでもいい感じが強く、 ソシャゲ原作アニメにしてはキャラクター数は絞られていたものの、 多くの失敗したソシャゲ原作アニメと似たような道を 進んでしまっている作品だった。

個人的な感想:少なくともプレイはしたくならない

もし2期があるならば明らかになってない謎も明らかになるかもしれないが、 このアニメだけ見て原作ゲームをプレイしたい!と思わせるほどの フックはなかった。 配給が同じYoasterのアークナイツはアニメを見て ゲームの方もプレイしてしまうほどのアニメに仕上がっていたが、 アニメーションのクォリティ自体も至って普通であり、 特筆すべき部分はない。 死なないという緊張感のない状況が戦闘シーンでの 打ち合いの迫力をも無くしてしまっており、 最初から最後までほぼ無表情で見てしまうような作品だった。

「ブルーアーカイブ The Animation」に似てるアニメレビュー

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  1. マツザキオサム より:

    5話については、その通りで…
    なぜ便利屋69のこの子はラーメン屋に余計に爆弾仕掛けたのか…
    外見的には紫髮で好みのキャラなだけによくわからなかった

  2. 匿名 より:

    元々ブルーアーカイブは近代韓国の歴史が元ネタ&世界観みたいなんだけど、アニメじゃごっそりスポイルされてしまっているので世界観や内容が意味不明な物に成り下がってしまっている