評価 ★★★☆☆(40点) 全13話
あらすじ 高校2年生になった香澄たちPoppin’Partyは、生徒会や家の手伝い、塾やバイトで大忙し。引用- Wikipedia
1クールかけたミュージックビデオ
本作品はBanG Dream!の2期。
監督は柿本広大、制作はサンジゲンと
1期から監督も制作も変更された。
フルCG
1期は基本的に手書き作画であり、部分的にCGが使われていたものの、
作画のクォリティはあまり高くなかった。
しかし、今作はほぼフルCGでキャラクターは描かれている。
1話冒頭からアイドルのような格好をしたキャラクターが登場し、
ライブシーンを披露している。
演奏をしているバンドが違うから当たり前では有るのだが、
1期までの曲とは雰囲気がかなり変わっており、
アイドルアニメでも始まったのか?と思うほどだ。
しかし、その次のシーンから違和感が生まれている。
「ほぼ」フルCGで描かれているものの、背景の人物や
背景などはCGではなく手書きで描かれてしまっているせいもあって、
シーンによってはCGで描かれたメインキャラクターが
画面から強烈に浮いてしまっている。
1期は9割手書き、1割CGだったが、2期は9割CG,1割手書きだ。
1期よりも作画のクォリティ自体は上がっているが、
1期と同じく違和感や統一感の無さは生まれてしまっている。
「音」に関してはかなりクォリティが上がっている。
1期は曲の印象もろくに残らなかった部分があるが、
2期1話の冒頭で主人公である「香澄」がギターを掻き鳴らすと、
きちんとギターの音が鳴り響く。
リアルかつ、きちんと音響にもこだわっていることを
2期ではきちんと感じられる。
新キャラクター
1期では主人公は入学したての高校1年生だったが、
2期では進級して2年生になっている。
そのせいもあるのかもしれないが、ドバドバと新キャラが1話から出てくる。
新入生のキャラクターや先輩のキャラクターなど、
ドバドバドバドバ、壊れた蛇口のごとく新キャラが出てくる。
このあたりはメディアミックス作品であるがゆえの問題なのだろう。
1期の段階ではソーシャルゲームのサービス開始前だったが、
2期ではソーシャルゲームが開始しており、
そんなゲームで出てくるキャラクターもドバドバ出てくる。
ソシャゲ原作アニメの場合は1話からキャラがドバドバ
出てくることは多いが、この作品もソシャゲ原作アニメのように
キャラクターを大量に投入している。
ろくに自己紹介しないようなキャラも多く、
ただひたすら大量のキャラクターの荒波に揉まれてしまう。
しかも、すでに1期からのメインキャラである「ポッピンパーティー」と
彼女たちが出会ってしまっているせいで、
見ている側が余計に蚊帳の外だ。
2期の1話から大量にライブシーンが登場し、
各バンドがそれぞれの楽曲を披露するが、
それよりも先に自己紹介を先にしてくれと思ってしまう。
キャラクターと、各バンド、そして楽曲をできるだけ
アニメで登場させたいのはわかるが、そのせいで大渋滞してしまっている。
ギャラクシーというライブハウスで共同ライブを行い、
様々なバンドが演奏する中で、
1期から出ている「ロゼリア」がライブ主催を発表する。
そんな彼女たちに負けじと「ポッピンパーティー」も
ライブ主催を発表するところから物語が動き出す。
相変わらずの「キラキラドキドキ中毒」な主人公だ。
ロゼリアがキラキラドキドキしそうなソロライブをやるならば、自分たちもやる。
バンドメンバーの意見など関係ない(笑)
主催ライブをどうやってやればいいのか、
どんなものなのか、それすらよくわかってないのに、
お客さんの前で発表するのはさすがである。
群像劇
主人公はあくまで香澄であり、ポッピンパーティーではある。
主催ライブを開催するまでのストーリーが2期では描かれているが、
2期では同時に群像劇のような描き方をしている。
後輩である「朝日六花」の物語も同時に描かれており、
地元でバンドを組んでいたが上京して主人公たちと同じ
学校に入学した彼女は新しくバンドを組みたいと思っているものの、
引っ込み思案な性格なせいもあって、
なかなか誰かとバンドを組むことができない。
そういったストーリーや他のキャラの物語も同時に描かれるため、
視点が二転三転と物語の中で切り替わっている。
2期から登場した多くのキャラクターをさばくための
群像劇的な要素では有るものの、
それが作品の面白さには繋がっていない。
毎話毎話、色々なバンドのライブが描かれており、
フルCGだからこそのアニメーションの面白さは見せてくれるものの、
数が多すぎるせいで印象に残りにくく、
結局、一人ひとりのキャラの印象も薄まってしまう。
ポッピンパーティーが主催ライブをどうしようか迷う中で、
他のバンドも様々な事情で悩んだりしつつ、
各話でポッピンパーティーと他のバンドが絡みつつ
ストーリーが進んでいくものの、
そのほかのバンドのキャラに愛着を持てない。
ソーシャルゲームをやってる前提のキャラ描写になってしまっており、
各話で各バンドのライブシーンが見れるのは良いのだが、
バンドによっては空を飛んだりと、かなりぶっ飛んでいるものも在り、
どちらかといえばMVをみているかのような印象だ。
サポート
中盤をすぎるとポッピンパーティーの「おたえ」が
別のバンドのサポートメンバーになる流れになる。
この別のバンドは「チュチュ」というプロデューサーが作り上げたバンドだ。
チュチュは本当はロゼリアをプロデュースしたかったものの、
ロゼリアに断られてしまい、ロゼリアをライバル視している。
話的には盛り上がってくるものの、
中盤を過ぎても新キャラが出てくるため、
中盤になっても一人ひとりのキャラの印象が深まらない。
そんな「おたえ」がサポートに行ってしまったために
ダブルブッキングが発生してしまう。
それでも彼女はポッピンパーティーのライブにも参加するつまりだ。
だが間に合わない。
他のキャラクターが散々時間稼ぎをしてくれるのだが、間に合わない。
ポッピンパーティーができて1年という記念すべき日に
おたえが間に合わないという展開はストレスでしか無い。
そもそも間に合うはずもない。
ほぼ同じ時間のライブでアンコール曲まで参加してから
学園祭の最後のライブに走って駆けつけても間に合うものも間に合わない。
せめてタクシーくらいは乗ってくれと思ってしまう。
1クールアニメにありがちなシリアス展開を作るための
ストーリー展開でしかなく、そのせいでキャラクターに
ヘイトを集めるような行動をサせてしまっている。
1期の終盤もシリアスな展開はあったが、
1期の展開のほうがまだ納得できる。
その後に引き抜き問題などが発生するものの、
予定調和な展開で収まるところに収まる。
主催ライブ
ラストは主催ライブで終わりだ。
1期に比べると楽曲の印象は強く残っており、
2期で出てきた各バンドもゲスト出演という形で勢ぞろいしている。
だからこそ、このラストの主催ライブは盛り上がる。
1期では断片的だったCGがフルCGになり、
きちんと楽器の音を感じさせる音響になったからこそ、
一人ひとりの演奏や表情、バンドによるライブシーンが
見ごたえのあるものになっており、
この点に関しては1期よりも進化している。
1クール全体を通して、どこかMVを見てるような感じがあったが、
その集大成としてのポピパ主催ライブは
きちんと盛り上がり、3機への期待感を高めてくれるものだった。
総評:ソシャゲ原作アニメに成り下がってしまった…
全体的に見て、1期はキラキラドキドキ要素のせいで
ぶっ飛んだアニメになっていたが、2期はそういった
ぶっ飛んだ要素がなくなり、逆にソシャゲ原作アニメのような
大量のキャラクターを追加したバンドアニメになっている。
主人公やポピパとの出会い部分を省いてしまっており、
2期から出てくるキャラクターがどんなキャラなのか、
名前すらもよくわからない中でドバドバと出てくる序盤は
あまりいい印象ではない。
しかし、1クールで担当回を繰り返す中で各バンドを掘り下げつつ、
最後の主催ライブを盛り上げる流れは悪くなく、
フルCGになったからこそ動きまくるキャラクターのライブは
きちんとした盛り上がりと1クールの締めになっている。
ただ、終盤のシリアス展開については1期のほうが良くできており、
唐突におたえがサポートで外バンドに行ったかと思えば、
ダブルブッキングで間に合わない展開になったり、
引き抜き問題が発生したりと、いまいち飲み込み難い
ストーリー展開が生まれている。
あくまで2期は新キャラの紹介であり、MVのような作品だ。
ストーリー的な深みはかなり薄いものの、
1期のようなキラキラドキドキ要素がなくなったことで
見れる作品になってる反面で、
個人的には1期の「キラキラドキドキ」を求めている自分がいた(笑)
個人的な感想:フルCG
1期から2期でここまでがっつりと作画のテイストが変わる作品は珍しく、
フルCGということで苦手な方もいるかも知れないが、
個人的には1期の不安定な作画よりも安心して楽しめる部分があり、
主人公やポピパやロックといったキャラに愛着を持つことができた。
2期のラストでは3期を匂わす展開もあり、
3期でどういったストーリーを見せてくれるのか、
1期のようなキラキラドキドキがまたみれるのか、
まさかのキラキラ星を聴かせてくれるのか、
期待している自分もいる(笑)
この作品をどう思いましたか?あなたのご感想をお聞かせください