ロボット

俺たちはこれを待っていた!「勇気爆発バーンブレイバーン」1話特別レビュー

4.0
勇気爆発バーンブレイバーン ロボット
©「勇気爆発バーンブレイバーン」製作委員会
スポンサーリンク

評価 ★★★★☆(70点)

オリジナルTVアニメ「勇気爆発バーンブレイバーン」OPノンテロップ映像

あらすじ 世界各国の部隊がハワイ諸島に集結し、米軍のティタノストライド(TS)パイロット、ルイス・スミスは戦闘の最中に自衛隊のエースパイロット、イサミ・アオと出逢う引用- Wikipedia

俺たちはこれを待っていた!

本作品はCygamesPicturesによるオリジナルアニメ作品。
監督は大張正己、制作はCygamesPictures。
なお、本作品は勢い余った1話レビューです。

TS

本作品の世界観は面白い。
日本の自衛隊、アメリカの米軍の両方に「TS」という
二足歩行の兵器が存在する。
おそらく日本とアメリカ以外の国にもTSというロボットが
導入された世界だ。

このTSによる「演習」が1話冒頭から描かれる。
監督を手掛ける「大張正己」さんといえばロボットだ。
ロボットのデザインからアニメーターとして、
多くのロボットアニメを手掛けており、
日本のロボットアニメ制作者の多くが「大張正己」さんの影響を受けている。

その大張正己さんが監督を務める作品だからこそ
冒頭から見応えたっぷりの戦闘シーンが描かれる。
砲弾飛び交う中で、そんな砲弾を撃ち落としながらも
「無骨」な戦闘シーンの中で煙がまきおこり、
そんな煙を引き裂きながら戦闘が行われている。

主人公である「イサミ」は優秀なパイロットだ。
米軍よりもスペックとしては劣る機体を操りながらも
持ち前の反射神経を活かしつつの戦闘シーンに
思わずニヤニヤしてしまう。

リアルロボット

ロボットアニメは大きく分けると2種類に分けることができる。
簡単に言えばガンダムなどのリアルな世界で
必殺技がない、あくまで兵器として運用されるロボットが
リアルロボットだ。

この作品の1話の序盤から中盤まではそんな
リアルロボットな世界で描かれている。
優秀なパイロットであるイサミ、そして米軍の
エースパイロットであるルイス。

国は違えどパイロットとして通ずる何かを感じた二人は
演習とは言え戦場で不思議な縁で結ばれる。
いったいどんなストーリーになるのか、
1話の序盤の時点ではまるで予想がつかない上に
男性キャラのデザインはどこか地味だ。

令和のアニメというよりは昭和のアニメっぽさすら感じる
男性のデザインとは裏腹に、
女性キャラクターのデザインは可愛らしい。

飛来物

そんな演習中に唐突に宇宙から地球に謎の飛来物が現れる(笑)
この飛来物によって一気に世界観が変わる。

謎の生命体のような巨大な兵器が地球のあちこちを襲いまくる。
本来ならここで兵器である「TS」をもって
そんな地球外生命体との戦闘を描くのが筋だが、
TSがまるで役に立たない(笑)

敵はシールドを用いて実弾を防いでしまい、
1体を押さえつけるのに3体のTSでやっとだ。
少しでも隙を見せればあっというまにやられてしまう。
極限の状態での戦闘の中で「イサミ」も恐怖に震えてしまう。

撤退戦の中で敵は戦略兵器を用いて戦場を火の海に変えてしまう。
主人公の乗るTSも破壊され、仲間の命も危うい。
絶体絶命のピンチだ。

大張正己監督だからこそのリアルな戦場の描き方、
ロボットによる戦闘シーンは手に汗握るものになっており、
思わず固唾をのんでシーンを見つめてしまう。
目が話せないシーンの連続だ。

こんなロボットアニメは久しぶりに味わった。
そう感じさせる中で「あいつ」が現れる

ブレイバーン!

主人公が絶体絶命のピンチの中で唐突に宇宙から飛来物がやってくる。
それこそが「ブレイバーン」だ。
1話の序盤から中盤まではガンダムのようなリアルロボットの世界だ、
だが、そんな世界観をスーパーロボットな
「ブレイバーン」が一気に打ち壊す(笑)

事前に発表されていたキービジュアルには
ブレイバーンの姿は一切映されていない。
リアルロボットな雰囲気でどこか地味だ。
この作品は「キービジュアル」詐欺を行っている。

タイトルを見れば分かる通り、どこか勇者シリーズを
彷彿とさせるようなデザインだ。
タイトル通りのロボットが出るのは当たり前といえば当たり前なのだが、
キービジュアルで視聴者を騙している(笑)

ブレイバーンには「意思」があり、
恐れ慄くイサミに向かって話しかけてくる。

「またせたなイサミ!助けに来たぞ!さぁ!私に乗ってくれ!」

正義を穿け!

意味がわからない(笑)
イサミもブレイバーンのことを知らず、
なぜブレイバーンがイサミのことを知っているのかも謎だ。
しかし、そんなブレイバーンの言葉に誘われ、
イサミはブレイバーンに乗ることになる。

TSはまるで車を動かすような操縦方法だったが、
ブレイバーンはスーパーロボットな操縦席だ。
ちなみにブレイバーンの戦闘中は主題歌が流れる。
これは視聴者にだけでなく、
操縦席にも鳴り響いている謎の仕様だ(笑)

あまりの怒涛な展開にお腹を抱えて笑ってしまうほどの
雰囲気の変化に見ている側も主人公も戸惑うしか無い。

ブレイバーンが「ズバババン!」と叫びながら攻撃する間も
主人公は戸惑うしか無い、
ブレイバーンにいわれるがままイサミは必殺技を叫び、
決めポーズで戦闘シーンは終わる。

この訳の分からない感じの素晴らしさに
もはや拍手を送ることしか出来ない。
待ち続けた勇者ロボットが帰ってきた、
90年代のスーパーロボットが帰ってきた、
ロボットアニメが帰ってきた。

そう思い返させる素晴らしすぎる1話だった

総評:最高のキービジュアル詐欺

全体的に見て素晴らしいキービジュアル詐欺だ。
リアルロボットな世界観を1話の序盤から中盤まで
きちんと描いたかと思えば終盤でブレイバーンが
登場することで一気にスーパーロボットな世界になっている。

この手の1話でタイトルやキービジュアルでは
想像できない内容になる作品は偶にある。
近年ではアキバ冥土戦争などもそのたぐいだが、
がっこうぐらしなども同じようなことをしている。

その手法をロボットアニメに用いただけともいえるが、
それが効果的に作用しており、
戦闘シーンのクォリティもさることながら、
主題歌が操縦席にも流れているというアホっぽさ、
主人公は戸惑っているのにブレイバーンはノリノリというギャップなど
いい意味での馬鹿っぽさが1話の衝撃を産んでいる。

OP映像を見る限り、四天王的な存在も示唆されており、
他のロボットも登場しそうな感じだ。
1話のつかみはバッチリだ、2話以降でどうストーリーが
転がるかはわからないものの、
この完璧すぎる1話の面白さを最終話まで貫いてくれることを
期待したい。

個人的な感想:これだよこれ

最近のロボットアニメはリアルロボットが非常に多く、
この手のスーパーロボットアニメは殆どなかった。
それだけに、この作品の存在感は素晴らしいものがある。

ロボットアニメもちょくちょく衰退論がささやかれ、
そんな中でも様々なロボットアニメが生み出されていたものの、
衰退論者に「この作品があるだろ!」と
胸を張って言える作品は少なかった。

この作品はもしかしたらロボットアニメブームの再燃に
なるかもしれない可能性を感じる作品だ。
1話から右肩下がりになるのではなく、
むしろ右肩上がりな作品になることを強く期待したい。

「勇気爆発バーンブレイバーン」に似てるアニメレビュー

「勇気爆発バーンブレイバーン」は面白い?つまらない?

この作品をどう思いましたか?あなたのご感想をお聞かせください