評価 ★★☆☆☆(27点) 全12話
あらすじ 八凪幸人は過去の事件以来人とあまり関わらない中学生。引用- Wikipedia
ストゼロで始まり、ストゼロで終わる
本作品はTVアニメオリジナル作品。
監督は長山延好、制作はスタジオブラン
本作品は脚本家集団であるGoRAが原作を手掛けており、
そんなGoRAがキングレコードと手を組んで手掛けた作品だ。
GoRAといえばGoHands制作の「K」などが有名であり、
基本的にGoRAはGoHandsと手を組んで作品を作っていたが、
GoHandsがやらかしたせいか、キングレコードと手を組んでいる。
あやかし
1話冒頭は主人公の子供時代が描かれている。
住んでいる場所が謎の魔物のようなものに襲われる中で、
彼の父がなくなってしまい、彼は施設に預けられ、
大きくなった彼は後見人となった父の知り合いのいる故郷へと
帰ることになる。
1話冒頭から主人公はどこかポエミーだ。
幼い頃に父がなくなったせいなのか、心を閉ざし、
他者と関わり合うことを恐れている。
そんな自分を俯瞰して自分というものを表現するような
ポエミーなセリフが目立つ。
そんな彼の前に「ストロングゼロ」片手に謎の人物が現れるところから
物語が動き出す。
ストロングゼロお兄さはは唐突に主人公を橋の上から突き落としたかと思えば、
謎の力を使いまくり、水の上にたったかとおもえば、
カバンに無理やり人を閉じ込める術を使ったりもする。
いわゆる「異能」的な作品だ。
そんな異能の力を用いて魔物のような「荒御魂」と
戦っている世界といえばわかりやすいものの、
どこか掴みどころがない。
能力者は「脈接ぎ」とよばれ、主人公の父親も脈接ぎであり、
主人公にもそんな力が受け継がれている。
父親の遺言によって児童養護施設に預けられていた彼は
なぜ大人になった今、故郷に帰らないといけなくなったのか。
そういった謎を見せつつ1話が終わる。
序盤の時点ではどこかで見たことの有る要素でしかなく、
目新しい要素がまるでない。
作画的な面白さもほぼなく、キャラクターデザインも
どこかで見た感じだ。
脈接ぎ
序盤は主人公がストロングゼロ先輩から脈接ぎとしての
力の使い方を教わっていく。
そんな中で様々な脈接ぎに彼は出会っていく。
脈接ぎによって様々な戦闘方法があり、スタンスも違う。
「荒御魂」を沈めて対処するもの、消滅させるもの。
そんな脈接ぎたちの戦い方を見て、
自分がなすべきことを考えていく。
描きたいことはわかるものの、地味だ。
3話になっても、4話になっても、盛り上がりどころらしい
盛り上がりどころがなく、淡々と物語が描かれている。
色々なタイプのイケメンが現れ、そんなイケメンを見せたいのはわかるものの、
それくらいしか面白みがない。
戦闘シーンも頻繁に描かれるものの、
アニメーション的な面白みも薄く、どうにも地味で
淡々とした印象が強い作品だ。
火の竜
中盤になると主人公の父親に何があったかが描かれる。
主人公の故郷には「火の竜」という存在がおり、
かつては「水の竜」と火の竜でバランスが取れていたものの、
火の竜の力が強くなり、水の竜が消え去ってしまったせいで、
火の竜の力が更に強くなってしまった。
そんな火の竜を治めるために主人公の父親は犠牲になっている。
1話の冒頭の段階で断片的に描かれていたものを
中盤で改めて掘り下げて描いているものの、
特に新鮮味はない。
主人公も「脈継ぎ」としての実力が伴い、
自分の力を操れるようになっているものの、
なぜかときおり彼の力が暴走仕掛けてしまう。
彼の母親はわかっておらず、父親が子供の頃に急に連れてきている。
もうこのあたりで「あ、そういうことね」と
7割位の視聴者が気づいてしまう。
そんな中で火の竜が再び暴れだす。
出生
主人公は簡単に言えば水の竜の生まれ変わりのような存在だ。
主人公の父親はそんな主人公を自身の子供として育てていたが、
彼を「供物」とするのか、彼自身が成長しつづけることで、
その力を手にすることができるかはわからない。
ある程度、予想できた展開であり特に意外性もなく、
終盤になっても物語が盛り上がらず、淡々としている。
メインキャラクターの殆どが主人公の父に命を助けられ、
彼の弟子だったからこそ、主人公の父と同じように
自らの命を賭して火の竜を倒そうとしている。
一人は正攻法で、一人は邪法で、もう一人も魂をかけて。
それぞれが命をかけて己がなすべきことをやるという
本来ならば盛り上がる展開や、涙を誘うような展開なのはわかるが、
メインキャラクターへの思い入れも薄く、
面白みも薄いため結局は盛り上がらない。
そもそも一人は「邪法」という「荒御魂」を自らに
取り込んで使っているヤバそうな技を使ってるのに
対して強くないのも原因だ。
正攻法で戦ってるキャラと変わらないくらいの実力でしかなく、
自らの命を削ってる技なのにたいしたことがない。
ストロングゼロ先輩
1話で主人公を迎えに来たストロングゼロ先輩だが、
彼は子供の頃、主人公と一緒に暮らしており、
主人公の父親が亡くした秘術も受け継いでいる。
そんな秘術は「自らの命」を犠牲にするものだ。
いつか自らの命を犠牲にするからこそ、
彼は自由気ままにストロングゼロを飲みまくっている。
いわゆるキャラクターのギャップを創りたいのはわかるが、
ストロングゼロの空き缶はそのへんに捨てまくるわ、
最終決戦でもなぜか遅れて登場するわであまり良い印象は受けない。
火の竜の問題も主人公が本当の力を取り戻すと
あっさりと解決してしまう。
しかも、自らの命をかけた「ストロング先輩」も
魂を引き戻せば助かる始末だ(苦笑)
ご都合主義感凄まじい展開に気持ちがついていかない。
総評:何も特徴がない…
全体的に見て、1クールで完結しているところは評価したいものの、
この作品だからといえるような要素が1つもなく、
1つ1つの要素からキャラクターデザイン、ストーリーまで
すべて何処かで見たことの有るようなもので構成されている。
アニメーション的な面白みもほとんどなく、
いわゆるボス戦的な「火の竜」との戦いもかなり
あっさりと終わってしまい、アニメーションとしての面白みも薄く、
あとはイケメンなキャラを楽しむくらいしかできず、
1クール、何の感情も湧き上がらずに見終わってしまう。
GoRAはもう少し特徴的な脚本を手掛ける印象だったが、
今回はその点もかなり抑え目であり、無難すぎるくらいに無難だ。
物語の規模感のようなものも小さく収まってしまっており、
単行本が1巻くらいしかでていないような打ち切り漫画を
読んだような1クールだ。
極端に面白くもなければ、極端につまらないわけでもない。
なんとも言えない作品だった。
個人的な感想:GoHands
GoHandsのやらかしのせいで、GoRAとの関係性が切れて
しまったのかもしれないが、GoRAの特徴的な脚本を
GoHandsのくせのある作画で彩っているからこそ、
GoRAの脚本が輝いたのかもしれない。
そう感じてしまうほど脚本的な特徴も薄く、
来週くらいには作品の内容の9割くらいを
忘れてしまいそうな作品だった。
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