評価 ★★☆☆☆(28点)
あらすじ 四天王グランバーザに拾われて魔族として育てられ、何故か魔法が使えないながらも魔王軍の四天王の補佐として仕事をしていた暗黒兵士のダリエル。引用- Wikipedia
いつものやつ
原作は「小説家になろう」で連載しているライトノベル作品。
監督は追崎史敏、制作はエンカレッジフィルムズ
解雇
冒頭で主人公は解雇される。
この作品はいわゆる「追放系」と呼ばれるジャンルであり、
なろう系作品ではあるあるな冒頭の始まりだ。
主人公は「魔王軍」に仕えていたが魔族でありながら魔法が使えない。
それでも先代の四天王グランバーサには信頼されていたものの、
代替わりして彼の息子が新たな四天王になったことで、
主人公は解雇されてしまうというところから物語が始まる。
魔法が使えない=無能という概念が魔王軍の中にはあるらしく、
それでも彼が「四天王の補佐」として仕事をしていたのは
何かしらの理由がありそうなものの、そこに突っ込んではいけない。
追放系はあとからそれに追放した側が気づくのが常だ。
途方に暮れている中で魔物に襲われている女の子に出会い、
彼は始めて「人間の武器」を使い戦うことで、
己の中の力に気づき始めるというところから物語が始まる。
作画
展開としてはかなりベタではある。
作画のクォリティもあまりよくなく、作画崩壊こそしてないものの、
主人公の最初の戦闘シーンは止め絵の連続で、
本来は「ヒロイン」の可愛らしさもこの作品の魅力の1つなのだろうが、
それをあまり感じさせないほどのクォリティだ。
妙にヒロインの胸を強調するようなシーンも多く、
そういった「セクシー」要素も売りなのかもしれないが、
ボテっとした作画では、そのセクシーさも感じられない。
主人公は「おっぱい」フェチなのか、ヒロインの胸に目を奪われたりするものの、
そういった「視線」の見せ方すら甘い。
ヒロインはヒロインでチョロさがすごく、
助けられた主人公にほの字だ。
そんなヒロインの可愛さや「おっぱい」の描写があってこそ、
この作品は生きてくるかもしれないのだが、そこも適当だ。
ベタな始まりや作画のクォリティなど、全体的に野暮ったさを感じてしまう。
人間?
魔王軍から追放された主人公は魔族でありながら
人間の女を助けてしまい、なんやかんやで村に住む事になってしまい、
更には人間族しか登録できない「ギルド」に登録させられそうになる。
魔族ならば通過できないギルドの審査に、主人公は「なぜか」通ってしまう。
主人公は魔族だと思っていたが実は人間だった。
ある程度、予測できる展開ではあるものの、それ自体は別に悪くない。
生まれてから周りに魔族しかおらず、自分を魔族だと思いこんでいたが、
実は人間だった。
そんな彼の「バックボーン」や過去も気になるところだ。
ただ、その後が「あーなろうだな」という展開だ。
自分が人間だということに気づき、人間としての力の使い方を学ぶと
彼は人間が使えるオーラの「全属性」に適応しているレアな存在でありと、
俺つえーなチート設定の数々を見せられる。
もう定食屋で「いつものやつ」といえば出てくるような
なろう設定を淡々と見せられる。
主人公を演じているのが「杉田智和」さんであり、
彼らしい「モノローグ」がツッコミやギャグにもつながっているものの、
どことなく上滑りしているような感覚だ。
笑えるようで笑えない作品だった。
総評:安易に杉田さんに頼るな
全体的にみて内容や設定のベタ感はあるものの、
魔族として育てられていた主人公が解雇されて初めて、
自分が人間だということをしる展開などは悪くなく、
彼の過去やどうしてそういうことになったのかというストーリーは気になるところだ。
キャラクターに対する不快感のようなものもなく、
本来は主人公のモノローグによる笑いや、
どこか破天荒さを感じるヒロインやヒロインの胸などが魅力なのはわかるもの、
アニメーションという媒体でそれを活かしきれていない。
作品全体として作画や演出があまりにも弱く、
そのせいで「いつもの」なろうという雰囲気のほうが
全開に出てしまっている1話だった。
個人的な感想:コミカライズ
コミカライズをの方を試しに読んでみると、ヒロインの描写などは
明らかにコミカライズの絵のほうがよく、同じ話でも印象が違ってくる。
特にヒロインのパンチラの描写など、アニメでは削られてしまっており、
そういったエロスやフェチズムがアニメでは抜け落ちてしまっている感覚だ。
2話以降で作画や演出がもう少し良くなることを期待したい
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