年末の気配が世間に漂ってきた今日このごろ、
まちなかはクリスマスのムードでいっぱいです。
みなさんいかがお過ごしでしょうか、どうも笠希々です。
アニメコラムと言えばこの文体から始まることでおなじみなことは、
このブログを普段から読まれているみなさんならご存知かと思いますが、
アニメコラムも約三ヶ月ぶりとお久しぶりになってしまいました。
年末に向けて、あと1,2本アニメコラムを手掛ける予定ではありますが、
予定はあくまで予定なのもいつも通りです(笑)
さて、今回、本来はYouTubeでやっているサブチャンネル動画の方で
出そうと思ったネタではあったのですが、
動画用の台本を書いているうちに「あ、これはサブチャンネルで
済ませて良いネタではない」と感じ、コラムに仕上げることになりました。
パチンコ
みなさんはパチンコというものをご存知でしょうか。
ご存知でしょう、駅前や駅チカに高確率で1件、下手したら
2,3件ある「パチンコ」。
平日の朝になにやら大人やご老人が寒そうに震えながら開店を待っていたりと、
色々と闇が深い大人の遊びです。
このパチンコ、いわゆるグレーゾーンな商売です。
三店方式と呼ばれるシステムを採用し、
お客はお金を玉に変更し、パチンコで遊び、その結果として
増えた玉を特殊なアイテムに変更し、その特殊なアイテムを
パチンコ屋の近くにあるお店が買い取ってくれます。
パチンコ屋が直接買い取ったり、玉をお金に換金すると
「賭博」になってしまい、日本の法律では禁止されています。
しかし、この三店方式をとることでパチンコは
グレーゾーンのギャンブルを成立させています。
はっきりいって、この日本においてパチンコに良いイメージはありません。
グレーゾーンな運営方法だけでなく、借金をしてまでパチンコにハマる方や、
ギャンブル依存症の問題、はてはパチンコ屋の売上が
「北朝鮮」に流れているなんて噂話もあります。
(過去は本当にそうだったようですが、今は違うようです)
そんなイメージの悪いパチンコ業界ではありますが、
日本のアニメ業界とは切っては切れない関係性にあります。
そう、タイアップ機種です。
タイアップ
アニメとパチンコのタイアップの歴史は長く、
1番古いは「ピンクパンサー」というアメリカのアニメです。
文字通りピンクの豹のキャラクターが特徴的なこの作品が
アニメとしては初めて1992年にパチンコとタイアップしたことが
きっかけになりました。
そんなピンクパンサーをきっかけに「ルパン三世」が
20万代を超える大ヒット機種になり、
このヒットをきっかけにアニメや漫画とパチンコのタイアップ機種が
爆発的に増えるようになりました。
2022年現在までタイアップされた作品は
なんと100作品以上もあります。
作品によってはシリーズ展開されているものもあり、
多くのアニメタイアップ機種が全国のパチンコ屋さんに
30年以上も並び続けています。
なぜアニメとタイアップするのか?
そもそも、どうしてパチンコ業界がアニメとタイアップするのか。
これはシンプルにアニメが1つの作品として完成されているからにほかなりません。
パチンコをやったことがある方ならご存知のとおりですが、
パチンコには「演出」と呼ばれる映像が流れ、
その映像とともにあたりかハズレか、大当たりか、小当りかと変化していきます。
その「当選結果」の映像の演出を1から作るのは大変です。
単純に「ハズレ!」「あたり!」というだけでは飽きてしまいます。
そこに外れに見える映像や当たりに見える映像を作り流すことによって、
よりパチンコというものに夢中できます。
そこで目をつけられたのが「アニメ」です。
特にバトルシーンのあるアニメの場合は、バトルの結果次第で
当たり、ハズレというものがわかりやすく、
更にストーリーで映像の「起承転結」を生みやすい。
パチンコにおける当選の演出とアニメや漫画のストーリーや
映像というものの相性が良かったのでしょう。
パチンコの台によりけりですが、アニメというすでに完成された
映像をそのまま流用しやすく、アニメの版権料自体も安いことが上げられます。
多くのアニメは「製作委員会制度」をとっており、
著作権の管理も一括でされており、タイアップされやすいということもあるのでしょう。
出演されている声優さんの許可を取る取らないの問題も
契約次第ですがありえるようですが、
実写のドラマや映画などよりも取りやすく、
スムーズにアニメとパチンコのタイアップが決まりやすいということもあるようです。
更に「アニメ」のファン層も取り込むことができます。
パチンコでしか見れない新規映像がある作品も多く、
その作品のファンなら、普段はパチンコをしない人でも、
その映像を見るためにパチンコをやりに行く。
結果として「新規層」を得ることができます。
既存コンテンツとのタイアップにおけるメリットも大きく、
版権料も映画やドラマに比べて安い。
これがパチンコとアニメのタイアップが今もなお続いている要因の1つと
考えられます。
アニメ側のメリット
アニメがパチンコになるというのは最初に言ったように
イメージは悪く、オタクの中では嫌悪している人も少なくありません。
「パチンコ堕ち」なんていう言葉すらあるくらいです。
しかし、アニメ業界にとってパチンコ業界は良いお客さんです。
スポンサーの1つといったほうがわかりやすいかもしれません。
「パチンコ堕ち」することによって
大体、パチンコ1台あたり7%程度のライセンス料が発生するという
噂もあります。
単純計算ではありますが、1台30万として10万台生産されたとします。
30万×10万=300億
というパチンコ台の売上の7%とすると、21億円もの利益が
アニメ側に発生することになります。
とんでもない利益です(汗)
1万台しか売れないとしても2億、十分すぎる利益です。
ちなみに北斗の拳はパチンコ台としても有名ですが、
1番売れているもので65万台も売れているようです。
みなさん、頭の中でとっさに計算したくなりましたね?(笑)
「パチンコ堕ち」と揶揄されても別に法律を犯しているわけでもなく、
1億や2億、ヒットすれば20億や100億近い収益を得ることが
できるパチンコという業界とアニメ業界は切っても
切れないものになってしまいました。
アニメ業界は自転車操業な会社が多い業界です。
そんな自転車操業から抜け出せる手段の1つが
「パチンコ堕ち」なのでしょう。
もちろん、デメリットもあります。
「パチンコ堕ち」というイメージの悪さもさることながら、
ゲートドラッグならぬゲートギャンブルとなり、
今までギャンブルに興味のなかった若年層のオタクを
ギャンブル依存症にする原因にもなっているかもしれません。
しかし、そういうデメリットを差し置いても、
「パチンコ堕ち」のメリットがあまりにも大きすぎます。
中には作品を見たことがない人でも、キャラクターは知っているという
人もいるくらいですから、アニメ自体の宣伝効果も大きいものがあります。
パチンコをきっかけにキャラやストーリーが気になり、アニメを見る。
そんなきっかけが「パチンコ」というギャンブルから生まれていることを
考えると、利益含め「パチンコ堕ち」と揶揄するのは憚られるところがあります。
合体したい
ここからは個人的なイメージになりますが、
かつては北斗の拳やルパン三世など、やや大人向けの作品が
パチンコになっている印象でした。
そんな中で「新世紀エヴァンゲリオン」がパチンコ堕ちし、
大ヒットしたことで、他の作品の多くも
パチンコ堕ちしていった印象があります。
更に「あなたと合体したい」でおなじみの「創聖のアクエリオン」も
そのキャッチーなフレーズとともに大ヒットし、
パチンコにもなったことで更にヒットしました。
「新世紀エヴァンゲリオン」の場合はパチンコがヒットしたあとに、
DVDが爆売れし、「エヴァンゲリオン」シリーズが作られる
きっかけになっている部分もあると思われます。
そんな続編の資金作りとして「パチンコ堕ち」しているであろう作品も少なくありません。
意外な…
私は普段、パチンコをするわけでもないため、
たまにパチンコ屋の目の前を通ると
「この作品もパチンコ堕ちしてたのか!?」と驚くこともあります。
最近では「ワンパンマン」や「幼女戦記」などもパチンコ化しており、
その作品のファンだけではなく、エヴァのように新規層の拡大や、
続編の資金作りとして「パチンコ」になる作品はかなり増えています。
パチンコ市場自体は右肩傾向にあり、
未だに成長を続けるアニメ市場とは逆をいっている部分はあるものの、
パチンコとアニメの関係性はあと10年は続くことでしょう。
それほどパチンコとアニメとは切っては切れないものになってしまいました。
ギャンブルはほどほどに
パチンコ業界とアニメ業界、この30年で切っては切れない関係になり、
イメージは悪いものの「アニメ業界」にとっては貴重な収益源の1つです。
特に昨今はかつての収益源の1つであったBDやDVD、
いわゆる「円盤」が売れなくなり、配信が当たり前の時代になりました。
そんな収益の柱の1つを失いつつある今だからこそ、
パチンコ堕ちする作品は今後も増えていくのかもしれません。
確かに色々とイメージも悪いものの、
パチンコでしか見れない新規映像もあったり、
パチンコで作品を知る切っ掛けになったりとオタクとしてのメリットもあります。
もし、皆さんの中でこの記事をきっかけに
パチンコにいかれる方がいるかもしれません。
今、パチンコに熱中されてる方も多いでしょう。
そんな貴方に私から一言だけ。
「ほどほどに」
この作品をどう思いましたか?あなたのご感想をお聞かせください
ユニコーンガンダムのパチンコ最高
『CRフランダースの犬と世界名作劇場』はさすがにたまげた
コラム好きだからもっとやってくれてもいいんだよ!!
ぱちょんこのお陰でアニメのRe:ゼロを見る気になったので最高です(小説で十分やろ、ってなってた)。鬼がかれー!
後、エヴァ劇場版(特に序)の金を捻出してくれた影の功労者は間違いなく販社のフィールズと制作の三共さんでしょう。
あと1万台はそろそろ夢の領域で実際には3000~5000。随分としょぼくなりました(ひところのラノベみたい)。
ですが、「制作会社が版権無いと売れんのや!作れんのや!」ということで製作委員会の金壺に最初から金を放り込んでいる時代です(ニューギン、三共、京楽などなど)。
それに絶対完売させるために「機歴(機種履歴)」という抱合せがありますので、会社も委員会も困りません(訴えるのは難しいそうです。社会意義が必要な被害者=ホールの数は現在のホール数の10%以上。利害関係にないユーザーには権利がありません、当たり前)。
実際アニメ制作がぱちょんこやすろっこのために本編であーだこーだする例は無いでしょうが映像処理(リーチ演出)で当然のように受注発注の関係=制作費の授受になるわけで、労働のためには金がいるんですよね。円盤で食うのは製作委員会の円盤屋さんですもの。
『ゴジラ対エヴァンゲリオン』みたいなコンテンツを映像化する(海洋堂さんが造形でやってたんで、映像コンテンツはぱちょんこ)ってのも生き残るためのWinWinでしょう。
まぁアニメだけ消化するユーザーにとっては「ギャンブルしね!」は仕方ないところですが(オタクは潔癖症が多すぎる)。
大昔はコンテンツ一本で「こんなにいいの!?」
なんて声上げちゃいそうなくらいビッグなお話頂く事がありましたが
今では「イメージ悪くしてこの金額はなあ……」くらい下がってしまいました。
アニメ業界も大変ですが向こうの業界も大変そうです
(※これは妄想です。どこのスタジオとも関係ないです)
パチ堕ちした時点で愛が無さすぎてキモイから見るの辞めるしとかグッズ捨ててる