アニメコラム

【平成最大の大赤字】爆死してしまったアニメ映画興行収入ワーストランキング【平成版】

平成アニメ映画爆死 アニメコラム
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前回のアニメコラムが非常に好評で、
記事自体は1万PV、動画版は13万再生とかなり多くの人に見て頂けました。

【借金2億円】爆死してしまったアニメ映画興行収入ワーストランキング【令和最新版】
昨今はアニメ映画バブルといわれるほど 多くのアニメ映画が制作され、100億円という 興行収入を突破する作品が多く生まれている時代です。 100億円まではいかずとも、30億、50億と 10年や20年前のアニメ界では考えられないほど 「興行収入

興行収入ランキングというとヒットした順で紹介されているのが殆どで、
ワーストランキングというのが珍しかったのもあるかもしれません。

平成アニメ映画の興行収入

そんな大好評な記事&動画だったわけですが、
動画のコメントの方で令和以前のものもやってほしいという声がありました。
ただ、前回の記事が令和以降のものに限定したのは原因がありまして、
興行収入の参考となるデータがないんですよね(苦笑)

ヒットした作品なら公式が「興行収入◯億円」突破しました!と
言ってくれるのですが、わざわざ低い興行収入を発表する公式はありません。
前回のコラムでのデータも当時の映画館の販売数データをもとに
私が計算したものが多かったのですが、その販売数データが
令和以前のものは少なくなっています。

今回はなんとか2012年くらいまでのデータをネットの海から発掘し、
2012年から2019年4月までのアニメ映画の興行収入
ワーストランキングを制作するに至りました。
前回以上に私による独自のデータが多いことをご了承の上、
ご覧いただければと思います。

15位 バースデー ワンダーランド 興行収入1億6500万円

「バースデー・ワンダーランド」レビュー
評価 ★☆☆☆☆(18点) 全115分 あらすじ 誕生日の前日―アカネの目の前で地下室の扉が突然開いた。そこに現れたのは、謎の大錬金術師のヒポクラテスとその弟子の小人のピポ。 引用- Wikipedia

この作品、監督は「原恵一」さんということで
注目を集めた作品でした。
公開自体は2019年で「君の名は」からの映画ブームがおこり、
色々な監督に注目が集まり、そんな中で原恵一さんに白羽の矢が立ちました。

しかし、蓋を開ければ興行収入1億6500万円という
かなり厳しい結果です。ストーリー自体はシンプルで、
異世界で現実の問題から逃げていた少女が旅をする中で
「前のめり」になり成長し、現実の問題に立ち向かうようになる。
という成長物語でした。

ただ、その冒険譚の中でキレイな背景を見せるような
シーンが多く、ロードムービー的なことをやりたいのはわかるのですが、
それがあまりうまく機能しておらず、
話のツッコミどころも多い作品です。

異世界は水不足に陥っており、そんな水不足を解決するためには
王族が雨乞いの儀式をしないといけないんですが、
この儀式に失敗した場合は、王族が命を犠牲にすることで
水不足が解消するという謎のルールがあります。

この儀式のルールもふわっとしているのですが、
肝心の主人公も王子様のメンタルケアをしてるだけで
いまいち必要性を感じず、パットしない感じで終わっている作品でした。

14位 劇場版トリコ 美食神の超食宝 興行収入1億3000万円

劇場版トリコ 美食神の超食宝
評価/★★☆☆☆(23点)全80分監督/座古明史声優/置鮎龍太郎,朴璐美,櫻井孝宏,岩田光央,松田賢二ほか全話/各話キャプ画付き感想はこちら あらすじ世はグルメ時代、美食屋四天王・トリコの元に、ある食材の調達依頼がやってくる。それは美食神・...

アニメ放送当時よりも、ここ数年のほうがトリコという
作品がネットで話題になることが多いように感じます。
グルメスパイザーなどアニオリ要素などもありつつ、
アニメのトリコは映画化も2回ほどされました。

この作品はトリコではおなじみの「アカシア」の
スペシャルメニューを巡る話ではあるのですが、
中途半端にCGをもちいたり、無駄なアクションシーンも多かったり、
映画として派手なシーンが欲しかったという声が
聞こえてくるようなシーンが多かった印象です。

オールスター感をだすためのキャラクター数も非常に多く、
ごちゃごちゃしまくっている作品なのですが、
終盤でのトリコのまるで「ケンタッキー」のような
茶色く光った姿は妙に印象に残っています(笑)

10年以上前のアニメ映画ということを考えれば
まずまずな興行収入ではあるのですが、
当時の「トリコ」という作品自体の人気のまずまずさを
感じさせる数字ではありますね。

13位 ガラスの花と壊す世界 興行収入1億1000万円

よくよく考えると舐められた気分になる作品「ガラスの花と壊す世界」レビュー
☆☆☆☆(6点)67分 あらすじ 無数の光が色とりどりにきらめき、浮遊している無重力の空間――「知識の箱」。 そこには幾つもの世界があり、幾度の時間があり、幾多もの人がいた。デュアルとドロシーの2人はそこで敵と戦っていた。 敵、それは世界を...

この作品、ポニーキャニオン主催の企画でアニメ化大賞を取った
原作をアニメ映画にしたものでした。
尺は67分ほどで、短編映画としてはヒットしたほうなのかなとも思うのですが、
67分という短い尺の中ではSFの世界観を描き切ることが出来ず、
仮想世界での描写と現実世界での描写が交互に描かれ、
2064年、2074年とどんどん時間も経過していきます。

かなりダイジェスト気味に端折って描かれている感じが強く、
もう少しじっくり、せめて90分や2時間、
本来ならTVアニメで1クールかけて描くような内容を
67分という短さに押し込めてしまった作品でした。

面白くなる可能性はあったのに、尺の短さ故に
その面白さのうわべだけを味合わされるような感覚になり、
色々と惜しい感じが強かった作品でしたね

12位 伏 鉄砲娘の捕物帳 興行収入1億円

伏 鉄砲娘の捕物帳
評価/★★★☆☆(59点)制作/トムス・エンタテインメント監督/宮地昌幸声優/寿美菜子,宮野真守,小西克幸ほか全話/各話キャプ画付き感想はこちらあらすじ江戸の世。「伏」と呼ばれる半人半犬の者たちの暗躍が耳目を集めていた。人の生魂をとって食ら...

この作品、wikipediaをみると
スタッフ欄に名作タイトルばかりが並んでいます。
監督は『千と千尋の神隠し』で監督助手を務めた宮地昌幸、
脚本に『コードギアス 反逆のルルーシュ』の大河内一楼、
ビジュアルイメージに『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』で
デザインワークスを手掛けたokama、
人物設計に『カウボーイビバップ』で原画を手掛けた橋本誠一、
音楽に『鋼の錬金術師』の大島ミチル

もうとんでもない作品ばかりが溢れかえっています。
ただ、こういうのをアピールする作品は前回のコラムでも
紹介した「バブル」もそうですが、
船頭多くして船山に登るになりやすい傾向があります。

この作品の舞台は江戸時代で、猟師のムスメと
半人半妖の「伏」の物語でした。
独特の背景描写はクセがあり、一歩間違えば世界観が崩れかねないほど
ギリギリな感じも強く、思わず目が行ってしまう背景でした。

作画のクォリティの高さ、美術へのこだわり、
スタッフ一人ひとりのこだわりを強く感じるアニメーションではあるものの、
ストーリーは「淡々」としているわりには
唐突な展開も多く、唐突な恋愛描写もあります。

このあたりが100分ほどの尺でうまく、
制作側のやりたいことをまとめきれなかったなという感じはあるのですが、
個人的には意外と10年の時がたっても印象に残っている作品であり、
万人受けはしないものの、刺さる人には刺さる作品かもしれません。

11位 レッドタートル ある島の物語 興行収入9400万円

「レッドタートル ある島の物語」レビュー
評価 ★★★☆☆(50点) 全80分 あらすじ 嵐で大荒れになった海に放り出され、今にも溺れそうな1人の男がいた。男は近くにあった小舟につかまり、九死に一生を得る。引用- Wikipedia

ジブリと言えば日本人ならば誰もが知るようなアニメ制作スタジオであり、
多くの作品がヒットしています。
制作費がとんでもなくかかっていることも有名なのですが、
きちんと興行収入を稼いで、多くの人に評価されているからこそ
愛されている制作会社ともいえます。

しかし、この作品は異例中の異例な作品でした。
ジブリといえば宮崎駿監督か高畑勲監督のイメージが強いのですが、
他の監督の作品も存在します、この作品はそんな中でも
監督はオランダのマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットさんです。
誰?と多くの方が思ったことでしょう。

PVや予告映像を見てもらうのが早いのですが、
この作品をみて「ジブリ」という言葉が頭に浮かぶことはありません。
キャラクターデザインも作画の雰囲気もジブリらしさは一切なく、
海外のアニメ感が凄まじい作品です。

しかも、この作品はセリフが一切ない作品です。
アニメーション、絵から内容を読み解かなければならず、
難易度が高めで癖も全開です。
個人的には嫌いではない作品なのですが、
興行収入は9400万円とジブリ作品の中では最下位の記録になってしまいました。

宮崎駿監督が風立ちぬのあとに引退宣言をし、
ジブリ側も色々と模索していたんだなということを感じる作品でもあり、
意外とみてみると楽しめる作品なのですが、
万人受けはしない要素ばかりな作品でした。

10位 劇場版 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか オリオンの矢 興行収入7000万円

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」
評価/★★★☆☆(59点)

現在も5期が放送されている
「 ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 」の
初の映画化作品でした。
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかは
「例の紐」で1期はとんでもなく話題になった記憶があります。

ただ、そんな1期の直後や1,2年以内だったらともかく、
2期は2019年7月からで、映画自体はそのまえに2019年2月に
上映され、興行収入があまりにも伸びないことで逆に話題になりました。
1期と2期の間にはスピンオフ作品などもアニメ化されたものの、
1期の人気と話題性が持続しなかった感じがあります。

映画自体も、普段主人公たちがいる街から離れた物語で、
映画オリキャラを交えながらのオリジナルストーリーだったわけですが、
ファンからの評判もあまり高くなく、
色々とツッコミどころもあるようです。

私が未チェックなこともありますが、これを機会に今度
チェックしてみたいと思います。

9位 ポッピンQ 興行収入5630万円

今世紀史上最も駄作のアニメ映画「ポッピンQ」レビュー
評価☆☆☆☆☆(2点)全95分 あらすじ 通過点でしかないと思っていた卒業式を目前に控え、中学3年生の伊純は前に進めずにいた。そんな時、海で美しく輝く「時のカケラ」を拾った伊純は、不思議な世界「時の谷」へと迷い込む。引用 - Wikiped...

爆死したアニメ映画は?というような話題で、
最も話題に上がるのがこの作品「ポッピンQ」でしょう。

ここまで、そした7位以下の作品もそうですが、
大ヒットしているアニメ映画とは違って、
全国で20箇所や30箇所くらいでしか上映していないみたいな
小規模な作品もあります。

アニメ映画を作り上映する側もどの程度ヒットするのかを
きちんと考えて映画館で上映する数を考えるわけです。
例えば全国200箇所で上映して、それぞれ一人しか
お客が入らなかったら映画館も大赤字です。

だからこそ、10年屋20年前なら興行収入1億いかないような
作品ならば上映館を抑えて上映するというのが普通でした。
とくにアニメ映画の場合は冷遇されており、
メジャーな作品でなければ足を少し伸ばさないと
見れない!なんてことも多かった記憶があります。

そんな中でこの作品の上映館数は199箇所でした。
比較するならばプリキュアの映画と同じくらいです。
そのくらいヒットする、それくらいの人に見てもらえると
賭けているからこその上映館数でしたが、蓋を開ければ
興行収入は5433万円。とんでもない爆死です。

東映アニメーション60周年記念のプロジェクトとして
東映側も賭けていたのでしょう、ただ内容が
どこにターゲットを向けているのか謎な作品でした。

5人の女の子がメインキャラで異世界に飛ばされて、
プリキュアでみたことがあるようなマスコットキャラも出てきます、
マスコットキャラことポッピン族は世界の危機を救うために
5人の女の子を呼んでいて、その方法はダンスです。

ここだけみるとプリキュアのような女児向けのアニメを想像するのですが、
そんな要素だけでなく、まるで岡田麿里脚本の青春キャラのように、
ウジウジとドロドロとした雰囲気もある作品でした。
プリキュアとあの花を反復横とびしながらストーリーがすすむ、
このどっちつかずな感じが余計にターゲット層を不明瞭なものにしています。

色々とストーリーのツッコミどころもあるのですが、
それにもましてひどいのが「ラスト」です。
いわゆる続編を匂わすようなシーンが
挿入されてしまうことで消化不良感も凄まじい作品でした。

8位 そらのおとしものFinal 永遠の私の鳥籠 3800万

そらのおとしものFinal 永遠の私の鳥籠
☆☆☆☆☆(4点)

そらのおとしものは「パンツが空に舞う」シーンが話題になった
TVアニメでした、1期、2期と放送され、
映画も2本も制作されるという人気の作品でした。
この作品は2本目の作品です。

タイトルでも分かる通り「final」と銘打たれています。
だからこそ、多くの人はこの作品で
「そらのおとしもの」が完結する、アニメは終わりなんだと思うはずです。
原作は2014年3月に完結しており、映画自体は2014年4月、
映画で完結でもおかしくありません。

しかし、映画自体の尺はなんと49分しかありません。
映画の序盤は1期や2期で描かれたいつもの日常が描かれ、
「3期の1話」のような感覚のストーリーなのですが、
同時に「これで終われるのか?」という不安がつきまといます。

その不安は見事に的中します。終わりません(苦笑)
残り時間がどんどんどんどんんどん減っていくのに、話は進まなず、
残り10分になり、残り5分になり、終わります。
なにがfinalなのか意味不明で、何も終わっていません。

バッドエンドのようなラストは消化不良が凄まじく、
そんな評判も相まって興行収入はまったく伸びませんでした。

噂によれば3期を演る予定だったもののいろいろな事情で
頓挫してしまい、映画という形に無理やりしたようなのですが、
これならば制作しないほうが3期をいつかやる可能性も残っただけに
残念な結果になってしまいました。

7位 夜明け告げるルーのうた 興行収入3480万円

「夜明け告げるルーのうた」レビュー
評価 ★★★★☆(65点) 全107分 あらすじ 東京出身の中学三年生である足元カイは、日無町の父の実家で、父・祖父と三人で暮らしていた。日無は人魚の伝承のあるひなびた漁港だった。引用- Wikipedia

もっと興行収入が伸びてほしかったと感じるアニメ映画は
たまに現れるのですが、この作品もそんな作品の1つです。
監督は湯浅政明さんで制作はサイエンスSARUと
オタクなら「お」と思う制作スタッフで制作されています。

物語はシンプルです。
一人の少年が「人魚」と出会うことにより自由を知り成長をする。
そこをまっすぐに描きながらもアニメーションは本当に自由でした。
湯浅政明さん、サイエンスSARUらしい自由なアニメーションの
表現は本当に見ていて心地よく、大胆な水の表現は映画ばえしていました。

少年たちは自由を知り、大人たちは開放される。
自由と開放が終盤で畳み掛けるように
描かれることで思わず涙腺を刺激されてしまう作品なのですが、
たしかに映画としてのパンチは足りない部分がありました。

作品自体の情報量の多さもあり、
このあたりが好みが分かれる部分だったのかと思いつつも、
アニメ映画としてのキャッチーさが足りなかったのかもしれません。

見たことがないという人は1度観てほしい、
私が心の底からおすすめする作品の1つです。

6位 魔女っこ姉妹のヨヨとネネ 興行収入3000万円

魔女っこ姉妹のヨヨとネネ
評価/★★☆☆☆(21点)

原作は「のろい屋しまい」という漫画で、絵本や児童文学などの
メディアミックスも行われており、この映画もそんな
メディアミックスの一環でした。

制作は鬼滅の刃でとんでもない興行収入を叩き出した
「ufotable」であり、そんなufotableだからこそ
魔法使いの「ヨヨ」が箒としょうして、
消火器やスケボー、自転車など魔法をかけてなんでも
空を飛ぶ道具にするという発想は面白い表現でした。

ただ、ストーリーは大人向けなのか子供向けなのか
ドッチつかずになってしまっている感じもありました。
1クールのアニメとして描くような作品を無理矢理、
1時間40分という尺の中では色々な要素を
詰め込みすぎてしまった感じが強かった作品です。
ストーリーのテンポ感も悪く、作品全体として微妙な印象が残る作品でした。

謎なのは日本のアニメ映画なのですが、韓国で先行公開され、
そちらでの興行収入はそこそこ良かったようなのですが、
肝心の日本ではあまり伸びず、なぜかゲーム業界からの評判が
高いという評価を得たのですが、
興行収入は苦戦し、この結果になってしまいました。

5位 百日紅 〜Miss HOKUSAI〜  興行収入2650万円

映画としてはつまらないが、決して作品が面白くないわけではない「百日紅 〜Miss HOKUSAI〜」レビュー
評価★★★☆☆(50点)全90分 あらすじ 江戸は下町の長屋に暮らす絵師の鉄蔵こと葛飾北斎とその娘、お栄。そして居候の善次郎。3人は書き損じが散らかった部屋を気にも留めず、日夜創作活動に励んでいた。そんな彼らのもとに鉄蔵のライバル歌川門下で...

この作品、一言で言えば地味でした。
監督は原恵一、制作はProduction I.Gで、
サブタイトルからも分かる通り葛飾北斎の娘を主人公としています。
どこか朝ドラとかのような雰囲気も感じる作品で、
江戸文化をきちんと描いています。

「葛飾北斎の娘」という題材を生々しく描き、
最初から最後まで淡々としてはいますが、
見終わった後にしっとりと面白さがにじみわたります、
しかし、アニメ映画としてのキャッチーさがまるでないんですよね。

丁寧な台詞回し、描きこまれた背景と
制作側のこだわりをしっかりと感じる作品ではあるのですが、
これをわざわざ映画館で観たいか?と言われると疑問です。

それこそ実写で大河ドラマや朝ドラで1話1話じっくりと描く作品を
アニメと言う媒体で90分という尺に押し込めてしまったような
そんな印象が残る作品でした。

4位 サカサマのパテマ  興行収入2530万円

サカサマのパテマ
評価/★★★☆☆(41点)

イブの時間や、最近ではアイの歌声を聴かせても手掛けた
吉浦康裕監督のオリジナル劇場アニメ作品でした。
ただ、この作品は興行収入がかなり厳しく、
見た人からの評価は高かったものの、全国16館での公開という
少なさも相まってか、それ以上伸びなかった作品でした。

物語自体は王道です、ボーイ・ミーツ・ガールな導入で、
この作品の世界は2つに分かれており、
その2つの世界は単純に「相反するの重力」の世界観で、
一方の世界の住民にとっては地面でも、
一方の世界の住民にとっては天井、この2つの世界観の描写が見所の1つでした。

カメラがつねにぐるんぐるんと回転しているような
アニメーションの表現は面白く、独特な浮遊感を
見ているあいだじゅうに感じられるような体験ができます。
ただ、そのアニメーションの表現にストーリーが追いついておらず、

作品全体のテンポの悪さや、グダグダ感もあいまって
ラストの「どんでん返し」的な設定の逆転も、
見ている間に予想できるような感じがありました。

色々と意欲的な作品ではあるものの、
映画の中で描ききれなかった要素も多く、
もったいない感じが凄いある作品です。

アニメーションとしての面白さはあるので、
まだ見たことがない人には味わってほしい映像表現ではあるものの、
ストーリー自体は人に進めにくい。
それが興行収入が伸びなかった原因でもあるのかもしれません。

3位 あした世界が終わるとしても 興行収入1970万円

「あした世界が終わるとしても」レビュー
評価 ☆☆☆☆☆(7点) 全90分 あらすじ 高校3年生の真(しん)は、幼い頃に母親が突然死して以来、心を閉ざしがちでいる。幼馴染の琴莉(ことり)は、そんな真を見守り続けてきた引用- Wikipedia

「君の名は」のヒット以降、多くの青春SF恋愛映画が生まれ、
散っていったわけですが、この作品もそんな中での1つでした。
2019年というアニメ映画ブームも始まりつつあり、
興行収入のラインも上がりつつあるなかで、
興行収入は1970万、かなり厳しい数字でした。

この作品、フルCGで制作されています。
ピクサーやディズニーの映画とちがい、日本のフルCGアニメ映画は
あまり受け入れないという人も多く、人を選ぶ表現の1つです。

君の名は以降の映画にありがちな「ダイジェスト」表現も
当たり前のようにあり、あいみょんの曲が流れる中での
日常ダイジェストの時点で色々と察する作品でした。
しかもナレーションで世界観を説明してしまいます。

「第二次世界大戦の最中、物質転送の研究を行ったが
研究が失敗し次元に歪みが生じ、世界は2つに分裂した」

並行世界が存在する世界で、簡単に言えば「二ノ国」のような作品です。
もうこの時点で二番煎じ感も強く、
君の名は的なダイジェスト、二ノ国的な設定、
更に並行世界から主人公を消すためにアンドロイドがやってきます。
つまりターミネーターです(苦笑)

終盤になると主人公に「脚力増強ブーツ」というアイテムが
与えられるのですが、コナン的要素まで出てくるのは流石に笑いました。
既視感の塊のような二番煎じ作品であり、
ご都合主義全開で突っ込みどころのあるストーリーには
ある意味で面白いのですが、興行収入につながるわけもなく。

huluのオリジナルアニメから派生した作品のようですが、
そもそもの派生元の知名度もないなかで
アニメ映画にしてしまったことが興行収入が伸びなかった原因の
1つでもあると感じています。

2位 きみの声をとどけたい 興行収入1350万円

「きみの声をとどけたい」レビュー
評価 ★☆☆☆☆(11点) 全94分 あらすじ 神奈川県の海辺にある町、日ノ坂町に住む行合なぎさは、龍ノ口かえで・土橋雫の2人の幼馴染と同じ神奈川県立日ノ坂高校に通っている高校2年の女子高生引用- Wikipedia

ジブリなどがわかりやすいのですが、アニメ映画では
「芸能人声優」が起用されることも多く、
それに関しての批判の声もよくあります。

ジブリのように、いわゆる声優を使いたくないなどの理由もありますが、
多くの場合は「宣伝」として芸能人を起用することが多く、
芸能人自体の人気、その人のファンを映画に呼ぶことで
興行収入を伸ばすことを目的としている場合がほとんどです。

そんな中でこの作品は一切芸能人声優はいません。
しかも、メインキャラのうちの6人がこの映画のために
オーディションをして声優デビューをした新人さんでした。

キャラクターデザインもややクセがあり、制作はマッドハウスですが、
オタク以外には制作会社の名前が宣伝になるわけもなく、
監督さんの知名度もあまりありません。
この作品はそういう「宣伝材料」になるものがほぼありません。

だからこその興行収入なのもわかるのですが、
内容自体も首を傾げてしまう部分があります。
冒頭始まって10分もたたないうちに主人公が歌う挿入歌がガンガン流れ、
作品全体で挿入歌が4つもあり、
エンディングテーマを合わせれば5つも曲が流れることになります。

アイドルアニメならわかるのですが、
90分の尺の中で18分に1回曲が流れると考えると異様でした。
ストーリー自体も主人公が言霊が見えるという設定のもとに、
メインキャラの一人の寝たきりの母親に
届くようにラジオをやろうという展開になります。

この時点でラストは読めてしまうのですが、
90分という尺でメインキャラクターが7人も居て、
そのキャラをさばくためにダイジェストも多用しているのに
掘り下げ不足になってしまっています。

オーディションで起用した人数が多すぎて、
その多さに作品全体が振り回されてしまった印象を受ける作品でした。

1位 ねらわれた学園 興行収入1120万円

ねらわれた学園

この作品、原作は同名の小説で、実写化やドラマ化もされています。
そんな作品の初のアニメ化でした。
このあたりは「ぼくらの七日間戦争」と似ていますね。

作画のクォリティ自体は非常に高いのですが、
作品全体として演出が過剰で、メインストーリーが進まずに
街並みや桜が舞うシーンを 何度も見せられます。
そのあたりの「くどさ」が作品全体の足を引っ張っており、
ストーリーを分かりづらくしてしまっていました。

序盤はイケメン転校生がやってきて、
主人公が惚れている同じクラスの女子が彼に惚れ、
主人公はそんな様子にやきもきし、告白したりするが結果として振られ
そんな彼を見て幼馴染もイライラ、転校生と主人公が
惚れている女子はいい感じになって・・・という感じです。

そこから中盤は「ねらわれた学園」という名のとおり、
SFな展開になり、転校生の秘密も明らかになります。
簡単に言えば転校生は未来人で、現代人を超能力者にして
未来に起こる地球滅亡回避するためにやってきています。

終盤では未来からきた転校生と超能力者パワーを覚醒した主人公の対峙し、
どう解決する?と思ったら「そうだ、海へ行こう」と
唐突な展開になってしまい、ふわっとした感じになってしまっていました。

「ねらわれた学園を新しい解釈で描き出す」という名目での
アニメ映画化のようでしたが、新しい解釈をつけすぎて
恋愛要素が強くなりすぎており、「唐突に付け足されたような設定」が多く、
そこを読み解くために必死になってしまう作品でした。

当時はまだAKB48だった渡辺麻友さんが声優をされていたりと、
宣伝材料もきちんとあったわけですが、
興行収入はかなり厳しいものになってしまっていました。

平成アニメ映画の影に埋もれしもの

10位から15位の作品は今なら3億や5億円以上の
ヒットになった作品だったかもしれません。
当時としてはヒットな興行収入でも、今こうやって振り返ると
やや物足りない感じになっているのは麻痺しているんでしょうね(笑)

ただ9位以下の作品は今もし上映しても、
そこまで興行収入は変わらなかったかもしれません。
「君の名はブーム」に乗ろうとしたもの、宣伝材料がまるでないもの、
二番煎じでしかなかったもの。色々なアニメ映画があります。

興行収入は必ずしも作品の面白さに直結するわけではありません。
もちろん10億や30億、100億といった興行収入を
叩き出した作品は、それだけ多くの人が面白いと思ったからこその
興行収入であるのですが、1億円以下の作品であっても
面白い作品はあります。

1億以下の作品は宣伝不足な作品も多く、
これを機会に「面白そうかも?」と思った作品があれば、
ぜひチェックしていただけると幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

出演:瀬戸麻沙美, 出演:井澤詩織, 出演:種崎敦美, 出演:小澤亜李, 出演:黒沢ともよ, 出演:田上真里奈, 出演:石原夏織, 出演:本渡楓, 監督:宮原直樹

「平成アニメ映画」は面白い?つまらない?

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