昨今はアニメ映画バブルといわれるほど
多くのアニメ映画が制作され、100億円という
興行収入を突破する作品が多く生まれている時代です。
100億円まではいかずとも、30億、50億と
10年や20年前のアニメ界では考えられないほど
「興行収入」の平均値も上がっており、
アニメというものがサブカルチャーから
メインカルチャーへと移り変わりつつあることを感じています。
3億の壁
深夜アニメの映画化の場合は3億いけば
ヒットなんて言われてた時代もあり、
そんな時代を考えると今の時代がいかに「バブル」なのかを感じる一方で、
いわゆる「爆死」している作品も存在します。
知名度の問題、内容の問題、公開時期の問題など
色々な問題はありますが、3億どころか2億以下の
興行収入にしかならなかった作品も存在します。
今回はそんな2億円以下の興行収入だった
最近のアニメ映画を振り返りつつ、何がだめだったのかを
考えていきたいと思います。
なお、興行収入1億円以下の数字は基本的に公開されることがなく、
初週のランキングでトップ10位以内に入れば
最初の3日間の興行収入はでるのですが、それ以降の数字は
映画館の販売数のデータから計算し、憶測するしかありません。
今回、1億円以下の数字は私が当時のランキングや
劇場の販売数など、可能な限りのデータから計算したものになりますので
数字に関しては大体で捉えていただけると幸いです。
(分かる限りの販売数×1500円(平均単価)で計算しています)
12位:バブル 興行収入1億6600万円
ここ最近の傾向として一部ではありますが、
「Netflix」などで先行配信されたあとに
劇場配信されるという作品があります。
この手の作品の場合、やはりNetflixですでに見てしまった人もいて、
鑑賞料金2000円払うならNetflixに入るという人も多いでしょう。
そのためNetflix先行配信の作品の興行収入はかなり伸びづらく、
この「バブル」もそんな作品でした。
この作品は「船頭多くして船山に登る」というのを
体現しているような作品で、
監督は進撃の巨人を手掛けた荒木哲郎、
制作も進撃の巨人を手掛けていたWIT STUDIO、ここまでならともかく、
脚本には魔法少女まどか☆マギカなどのヒット作を手がけた虚淵玄、
キャラデザには『DEATH NOTE』の小畑健が起用されています。
もう船頭しかいません。ちなみに
プロデューサーは「君の名は」でおなじみの川村元気さん。
いろいろな作品のタイトルが並んでいるスタッフ一覧な作品は
あまりヒットした作品が生まれにくい印象があります。
この作品は「東京」の一部が泡のようなもので覆われていて、
東京が崩壊しつつあります。
そんな東京で若者が「パルクール」をやっています。
アニメーションのクォリティ自体は悪くないものの、
「君の名は」以降に流行った青春SFアニメ映画的な要素が多く、
ボーイミーツガールな序盤から、出会った少女を助けるために
すったもんだをしつつというような作品で、
作品全体として「どこかでみた」感じが凄まじい作品です。
オリジナル性、個性というものが薄く、
エウレカセブンやエヴァ的なセカイ系、天気の子だったり、
魔法少女まどかマギカ的なラストだったりと、
もう既視感の塊でした。
うまく噛み合えば面白い作品になったかもしれませんが、
噛み合いきれず、先行配信から評判が悪かったせいもあり、
1億6600万円という結果になってしまいました
11位:トラペジウム 興行収入1億5000万円
この作品、作品としての完成度は非常に高い作品です。
アイドルに憧れてアイドルになりたかった少女が
オーディションに落ち続けた結果、自らアイドルグループを作り、
売り込み、TVにでてCDデビューまでする。
そんなサクセスストーリーを描きつつも狂気のアイドル青春物語が
描かれている作品でした(笑)
たった1回しかないライブシーンで綺羅びやかなアイドル像を
描いたかと思えば、アイドルだからこそやってはいけないルールの数々、
そんなルールをアイドルになりたくてなろうと思っていなかった少女たちは
破っていきます。
アイドルなのに彼氏がいたり、アイドルなのに笑顔でいられない。
本当のアイドルだった「高山一実さん」が原作を手掛けていて、
そんな彼女だからこそ描けた生々しいアイドル事情は
少し笑ってしまうほど殺伐したものがあります。
「可愛い女の子」は「多くの人を笑顔」にできるのだから
アイドルをやるべきだ。
そんな考えに支配された主人公は自分勝手に身勝手に行動し
崩壊するアイドルグループの物語をストレートに描いてる作品でした。
公開後にSNS上でかなり話題になったのですが、
そんな話題性と裏腹に興行収入はのびず、
面白い作品なだけに伸び切らなかったのは残念なところでした。
10位 ぼくらの7日間戦争 興行収入1億3000万円
同名の小説は非常に有名な作品であり、
昭和の時代に感じていた大人からの子供への抑圧を
描いたのが原作だったのですが、
そもそも、この原作を借り受けた意味は合ったのかと感じる作品でした。
原作は体罰が当たり前な時代で、そんな時代だからこそ
大人たちに対する子どもたちの戦争を描いた作品にも意味がありました。
しかし、現代では体罰などは逆にした側が訴えられる時代であり、
この作品も舞台は昭和ではなく令和です。
主人公の片想いの相手は親の都合で引っ越しが決まっており、
引っ越しのが嫌なヒロインとともに主人公たちが家出をします。
この時点でものすごい浅い感じが凄まじいのですが、
彼らが家出したたどり着いた場所には「不法滞在」の少年がおり、
その少年のために彼らが戦います(苦笑)
不法滞在の少年と主人公たちは初対面であり、
そんな初対面の子どものために、
不法滞在者をかくまい、公務執行妨害をおかし、不法占拠し、器物破損、
一歩間違えば死者も出かねず暴行、
殺人未遂がついてもおかしくない事をやりまくります。
犯罪行為を繰り広げる主人公たちには
違和感しかなく、SNSにそんな行為がばらまかれて
デジタルタトゥーまで背負います。
終盤で不法滞在の少年は両親と再会して、
なんかハッピーエンドな空気になるものの、
主人公たちが犯した罪の数々、残ったデジタルタトゥー、
そしていつか強制送還される不法滞在の少年と
もはやバッドエンドでは…?というような作品でした。
明らかに新海誠監督を意識したようなダイジェスト手法もあり、
シンプルにストーリーがひどい作品でした。
9位 グッバイ、ドングリーズ! 興行収入1億900万円
この作品、上映前はそこそこ話題になっていた記憶があるのですが、
いざ上映されるとギリギリ興行収入がでるレベルの
1億900万という数字になってしまいました。
監督は「いしづかあつこ」さん、
「宇宙よりも遠い場所」で一気に有名になった監督さんで、
そんな、よりもいのスタッフが再集結し、
よりもいとのコラボも開催されていました。
内容自体もものすごい悪いというわけではなく、
一言で言えば微妙な作品でした。
状況やシチュエーションは違うものの
「スタンド・バイ・ミー」をやりたいんだなと感じる要素も多いのですが、
90分という尺の使い方、尺の短さ故に詰め込んだ感じが凄まじい作品でした。
夢も目的もない主人公、
自分が本当に医者になりたいのかわからないトト、
自身の時間が残り少ないドロップ。
この3人のモラトリアムを描きつつ、ドローン探しなどの
冒険譚が描かれています。
しかし、そんな冒険譚でダイジェストを多用してしまっていて
登場人物たちへの感情移入も追いつかぬままに
物語が展開してしまい、登場人物たちの一人が亡くなったかと思えば、
ラストの20分で残された二人がアイスランドに旅立ちます。
終盤には急にファンタジー感のある要素も出てしまい、
作品としてまとまりきっていない、90分という尺の中で
描ききれていない印象の残る作品でした。
8位 神在月のこども 興行収入 5968万円
この作品、製作委員会にJR西日本などが加わっており、
舞台になっている出雲などで色々とイベントを行っていたりと、
「聖地」要素を押し出そうとしているのは分かるのですが、
意味がわからない作品でした。
主人公の亡くなった母親は神の末裔で、
1年に1度、出雲で行われる神々の集いのために
「自らの足」でごちそうをあつめて届けにいかないといけません。
この理不尽感が凄まじく、無報酬でそんな役目をしないといけない
理由もわからず、お役目を主人公が引き継ぎます。
亡くなった母親に会えるかもしれない、そんな思いで
彼女は各地を巡りながら走り続けるのですが、
そのごちそう集めはダイジェストでつまらず、
ロードムービーでありながらロードムービーが
つまらなくなってしまっていました。
東京から島根まで800km以上、韋駄天の力はあるものの
小学生な主人公にそんなことをさせる姿は
児童虐待のようにしか見えず、結局母と会えることはありません。
主人公が再び走る楽しさ、自分の好きを思い出し走り出すという
展開と聖地要素を絡めたかったのはわかりますが色々とひどい作品でした。
7位 100日間生きたワニ 5000万円
原作である「100日後に死ぬワニ」はものすごい話題になったのですが、
そんな作品の原作が終了後に商業的な展開が一気に始まり、
まるでワニの香典を集めてると揶揄され、
そんな香典集めの1つがこの作品でした。
この作品、原作の内容を「30分」でまとめるという
ワニが死ぬまでのRTAをしており、
作画のクォリティも悪ければ、
アニメーションとしての面白みもありませんでした。
原作は1日1日の大切さを描いている作品なのに
1日1日をRTAのごとく30分で描いているのは意味がわからず、
そこからワニの死後に各キャラの反応を映画オリジナルストーリーで
描いています。
その映画オリジナルストーリーの気持ち悪さも凄まじく、
映画オリジナルキャラのカエルがいきなり現れ、
ネズミたちにうざ絡みし、最終的にはワニの立ち位置に
カエルが収まっていることも気持ち悪く、
商業展開も含め、この映画自体も失敗した感が凄まじい作品でした。
6位 HUMAN LOST 人間失格 興行収入 4089万円
人間失格という太宰治の作品を下地においている作品なのですが、
この作品、SFです(笑)
平均寿命は120歳、最高寿命は180歳という未来の世界で、
貧富の差が広がり、貧民はナノマシンで幸福物質を出しながら
1日19時間働いているという世界観は面白かったと思います。
しかし、そんな長寿を実現した未来では
ナノマシンの暴走による突然死「ロスト」が問題になっており、
主人公はロストを乗り越えた人間として狙われます。
世界観自体は悪くないのですが、進撃の巨人みたいな展開だったり、
最後はデビルマンみたいになったりとごちゃごちゃしており、
とってつけたように「恥の多い生涯を送ってきました」という
言葉を引用するのも意味がわからない作品でした。
世界観やフルCGのクォリティは本当に素晴らしいのですが、
脚本がよくわからず、人間失格を下地においているのも
首を傾げてしまうような謎の作品でした。
5位 ぼくらのよあけ 興行収入 1741万円
この作品基本となるストーリーは決して悪くない作品でした。
ものすごくわかりやすく言えば「E.T」のようなストーリーで、
宇宙から飛来して帰れなくなったAIを小学生たちが奮闘しながら
宇宙へと返すというストーリーです。
しかし、そんな基本となるストーリーに付随するように
SNSの問題や、子どもたちの事情、クラスの問題など
グダグダなエピソードも多く、
それに加えてアニメーションとしての見せ方も悪い作品でした。
おそらく、ここまで興行収入が低かった原因は
「キャラクターデザイン」でしょう。
原作の漫画からかなり大胆に変えており、
かなりに癖のあるキャラクターデザインになってしまっています。
キービジュアルをみると、どこぞの宗教映画のような
雰囲気すら漂っており、そのせいで足を運ぶ人も少なく、
見た人も微妙な感想しか出てこない作品であり、
口コミでも伸びなかった作品でした。
4位 君は彼方 興行収入1570万
この作品、監督は2億円の借金をして制作したということを
インタビューなどでも明かしています。
そんな監督が脚本、原作、プロデュースのすべてを行っていました。
しかし、蓋を開けたらとんでもない作品でした。
見れば見るほど見たことのあるシーン、展開しかありません(笑)
打ち上げ花火を下から見るか上から見るか、君の名は、
千と千尋の神隠し、ペンギン・ハイウェイ、
いろいろな作品からパッチワークしたような要素の数々には
もはや笑うしかありません。
声優さんの演技もひどく叫びすぎて声がかれているように
聞こえるほどの演技とも言えない演技や、
唐突に叫ぶシーンはホラー映画なのかな?と思うほどです(笑)
展開も意味がわからず、事故で幽体離脱をしてしまった主人公は
この世とあの世の間に迷い込み、元の世界に戻るために奮闘します。
しかし、そのための条件が「大切なことを思い出す」ことなのですが、
主人公は思い出しそうで思い出せない、思い出したかとおもえば
思い出していないという展開をひたすら繰り返します。
終盤は現世に戻って来る者の、時間切れで、
主人公の好きな男の子は実は霊能者であることが発覚したりと
もうメチャクチャな展開はある意味面白くはあります。
劇場で見ると損した気持ちになるかもしれませんが、
配信で突っ込みつつ見るには素晴らしい作品なのですが、
そんな作品で興行収入が伸びることはなく、
初日の段階で2000人くらいしかみておらず、
そのあとも興行収入は伸びることなく終わった作品でした。
監督の借金がいったいどうなったのか、そればかりが気になる作品です。
3位 巨蟲列島 興行収入 1500万円
この作品は「クラウドファンディング」によって
劇場公開が行われた作品でした。
しかし、フタを開けるとほとんど興行収入の情報がないほど
全く持って人が入っていません。
全国で23箇所の劇場でしか公開していないということもあり、
興行収入に関してはほぼ予想でしか無いほどデータが少ないのですが、
クラウドファンディングでお金を出した人の名前が
エンドクレジット部分に映っており、
そこを確認するために足を運んだ人もいたかもしれませんが、
興行収入に関しては私の憶測です。
この作品はいわゆるB級ホラーな作品です。
主人公たちの乗った飛行機が墜落した島には
巨大化した虫が存在しており、そんな虫から逃げ惑う。
シンプルなシチュエーションでシンプルなB級ホラーを
描いているのですが、作画が死んでいました。
終盤、主人公が90秒間、ひたすら歩き続けるさまを
ありとあらゆる角度で移すという意味不明な尺稼ぎシーンも有り、
きちんとアニメ化されていればもう少し受けた部分も
あったのかもしれませんが、
話も何1つ解決しないままに終わってしまう作品でした。
内容自体は悪くないのですが、
これを劇場で公開するというのは色々とヤバさを感じてしまいます。
2位 好きでも嫌いなあまのじゃく 興行収入 1000万円
この作品もほぼ興行収入のデータがありません。
初日のトップ25位以内にも入っておらず、
そのあとはどんどんと公開する劇場もなくなっていき、
詳しいデータがなく、憶測のデータになっています。
Netflixと劇場公開が同日というのも興行収入が伸びなかった原因です。
このあたりはバブルと同じではあるのですが、
ストーリーも意味不明な作品でした。
心のもやもやが増えると人間はいつか鬼になってしまいます。
鬼になるとどうなるのか、鬼にしか見えないツノが生えます。
それ以外の「デメリット」のようなものもなく、
思春期特有のもやもやだけで鬼になるようならば、
世界中が鬼だらけになっていてもおかしくありません。
この設定のツッコミどころもさることながら、
鬼なヒロインと出会った主人公は徒歩でとある神社に向かうことになります。
このロードムービーは「すずめの戸締まり」でみたことのあるような
シーンが非常に多く、浅いロードムービーでした。
終盤には鬼の里を隠すために生贄になったヒロインの母がでてきて、
暴走したヒロインの母を止めるために色々して終わるのですが、
そもそも鬼の里の入口は鬼以外は入れないのに
鬼の里を隠す理由もよくわからず、最初から最後まで
ツッコミまみれでした。
新海誠監督作品的なことをやりたいんだろうなというのは
わかるのですが、それがダダすべりしてるうえに
見え見えなのが個人的にイライラしてしまう作品でした
1位 永遠の831 興行収入 900万円
この作品は2022年1月にWOWOWで放送されたのちに、
2022年3月に劇場公開されるという作品でした。
Netflix先行配信タイプの映画とおなじく、
この手の映画の興行収入は伸びにくい部分があります。
WOWWOW30周年記念作品で監督は神山健治さん。
監督さんの知名度はそれなりにあるものの、
フルCGアニメ映画で癖のあるアニメーションは
PVや予告編の段階から辛気臭い感じが物凄く出ています。
どこで宣伝してたのか?と思うほどまったくもって知名度がなく、
アニメレビューをしてる都合上、
色々なアニメ情報が自然と入ってくる私でも
劇場公開されていたことすら知りませんでした。
全国の劇場30箇所ほど上映されたようなのですが、
この作品もほぼ興行収入のデータがありません。
初日のトップ25位以内にも入っておらず、
そのあとはどんどんと公開する劇場もなくなっていき、
詳しいデータがなく、憶測のデータになっています。
主人公は時間停止の能力を持っており、
「恐怖」や「怒り」など自身に対して理不尽な事が起こると
自分以外の時間が止まってしまいますが、
その能力を任意に発動することも解除することも出来ません。
そんな能力を使って新聞代の集金をしたりします(苦笑)
この冒頭の新聞屋パートが30分ほどあり、
盛り上がりに欠ける中で
主人公が時間停止をした世界で動いている少女を発見します。
そんな少女の兄はテロ組織の妹でした。
停滞した主人公と停滞した日本の政治、
このあたりをかけている部分があり、
いわゆる「左翼的」な思想がかなり強い映画です。
今の日本の政治が作り出した社会構造のせいであり、
敗戦国による「洗脳教育」や「報道」のせいだ。
そんなことをいいたいのはわかるのですが、
作品全体としてふわふわした感じが非常に強く、
締まりの無いストーリーになっている作品でした。
アニメ映画バブルの始まりに影響されし者たち
アニメ映画はここ数年、本当に凄まじい勢いがあり、
新海誠監督の「君の名は」以降からオリジナルアニメ映画の製作数が増え、
「鬼滅の刃無限列車編」以降から多くのアニメ映画が
100億という壁を突破しています。
オリジナルアニメ映画はなかなかヒットが生まれづらい現状ではあるものの、
100億という数字で麻痺してしまっていますが、
3億でも十分にすごく、その壁を突破する作品は多く生まれています。
そんなバブルに乗ろうと多くの作品が生まれているわけですが、
そのバブルの影響か、新海誠監督の影響を受けたような作品も多く、
そういった作品はやはり興行収入が振るわなくなっています。
とくに興行収入が1億を切る作品というのはアニメ映画という
「ビジネス」からみても赤字だと思われます。
興行収入は劇場などと折半で、その売上の5000万だけでは
制作費にすら届きません。
アニメ映画の場合は最低でも1億は制作費としてかかります。
このあたりは作画のクォリティにもよるところですが、
やはり興行収入1億というのは、のちの配信やグッズの
売上などを考えても赤字でしょう。
作画に問題があったり、内容に問題があったり、
どちらにも問題がなくとも知名度という意味で伸びなかったり。
こうやって振り返ると様々な問題があります。
とくに知名度に関しては最近のTVアニメも
やはりある程度以上、原作がヒットしている作品が
流行る傾向にあります。
100億を突破したアニメ映画の多くはヒットしたTVアニメだったり、
知名度のある監督が手掛けているものが多く、
完全に無名な作品が大ヒットするのは難しいんだなと感じます。
それでも、以前は3億がヒットと言われたアニメ映画が
10億、30億、50億、はては100億と
凄まじいヒットを飛ばしているのは、
アニメを見る層というのが増えたからに他ならないでしょう。
それなのにもかかわらず、今回した作品はどれも
令和以降のものですが、1億か1億以下。測定不能なものもあります。
アニメというのは娯楽であり、エンタメですが、
同時にビジネスでもあり、ここまで爆死してしまうアニメ映画は、
私達が見えないところで誰かの首が飛んでいてもおかしくありません。
今回紹介した作品はたしかに問題がある作品が多いのですが、
逆にそこを楽しめる部分もあります。
とくに「君は彼方」などはもうツッコミどころばかりで
私はある意味で大好きです(笑)
そういうものと認識したうえで、ぜひ今回紹介した作品を
配信などで楽しんでいただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この作品をどう思いましたか?あなたのご感想をお聞かせください
トラペジウム、内容を高く評価していただきありがとうございます。興行収入としては残念な結果でしたが、一般の劇場でも10週近くまで上映されたり、その後も当初上映が無かった劇場で上映が決まったり、さらに尖った映画をかけるミニシアター系でも上映されるなど長く上映されたのは特筆されて良いと思います。
あと、同じようにカルトな人気に支えられてバルト9で半年もロングランしたポールプリンセス!も末席に加えていただければ嬉しい限りです。