進歩したAI
昨今はChatGPTやStable Diffusionなど様々なAIによる
自動生成プログラムが話題沸騰で、
それと同時に色々な問題も発生しています。
今は権利関係や著作権、倫理観の問題など様々な議論がかわされているものの、
個人的には10年後くらいには誰もが当たり前のように
これらの技術を使ってるようになってるかもしれないと感じています。
子供の頃から「ドラえもん」で人工知能に触れてきた私達、
ターミネーターではAIによる反乱を味わい、
AIというものに対するあこがれと恐怖を私達は感じ続けています。
そんな「AI」をテーマにしたアニメ作品も多くあり、
今回はそんなAIアニメ特集となります。
イブの時間
この作品はあたりまえのようにAIを搭載したアンドロイドが存在する
日本を舞台にした作品です。
ロボット三原則に基づいて彼らは暮らしており、
そんな世界で「人間とロボット」を区別しない喫茶店が存在します。
基本的には会話劇で物語が綴られており、
人間に恋しているもの、アンドロイドに恋をしているもの、
アンドロイドがきらいなもの、アンドロイドが好きなもの。
人間もアンドロイドも様々な事情を抱えつつ喫茶店に訪れ、
それぞれの思いを吐露しています。
ストーリーとしては「アンドロイドに心はあるのか?」というのが本筋であり、
この手のAIやアンドロイドといったものを扱う上で、
彼らのプログラムにはない「自我」の目覚めというのは
古今東西からのベタなネタでは有ります。
イヴの時間を手掛けた吉浦康裕監督は
こういったテーマを扱うのが得意な監督であり、
最新作である「アイの歌声を聴かせて」もAIを描いています。
どこか乾いた世界観でありながらも、温かみを感じる
不思議な作風が染み渡る作品です。
アイの歌声を聴かせて
吉浦監督が手掛けた最新作である本作品。
興行収入的にはあまりヒットしなかった作品ですが、
その原因はPV映像のできの悪さにも在りました。
AIを搭載したアンドロイドがAIとバレずに高校生活を送る。
少しだけ未来の日本を舞台にした物語であり、
主人公は母の仕事である極秘プロジェクトをしってしまい、
「シオン」がAIとバレないように彼女はシオンに協力しつつ、
明らかに人間らしくない行動を取り続ける彼女に振り回される日々。
そんな中でシオンは主人公に問いかけます。
「さとみは今幸せ?幸せにしてあげる!」
AIにとって「幸せ」というものは理解できない感情です。
人間でさえ、何を持って幸せなのかを言語化するのは難しく、
その定義は人によって違います。
幸せという感情をAIが理解できるのか?という
ものすごく面白いテーマを扱ってる作品でした。
PSYCHO-PASS
PSYCHO-PASSではシビュラシステムというAIによって
管理されている社会を描いている作品です。
人間の犯罪係数というものを計測するシステムが存在し、
犯罪を未然に防ぐ、完璧な管理社会とも言えます。
しかし、システムには常に穴があるもの。
このシビュラシステムにひっからない犯罪者が現れます。
人が作った法律をもとに社会が形成されてるのではなく、
AIが作った法律を元に社会が形成されてる社会で、
イレギュラーな存在がいる。
そんな中でメインキャラは悩みます。
シビュラシステムの利点を知りつつも、欠点を知るもの、
シビュラシステムの犬になるもの、
シビュラシステムの中では普通の生活を送れないもの。
AIが人間社会のシステムに組み込まれてるという部分で、
PSYCHO-PASSは面白い作品でした。
攻殻機動隊
この手のAIを扱った作品で攻殻機動隊を出さない人は居ないでしょう。
タチコマという主人公たちをサポートするロボットのような存在にはAIが
搭載されており、彼らは話が進むごとに徐々に進化していきます。
個性が生まれ、知性が生まれ、自我という名のゴーストが宿る。
攻殻機動隊において人類の多くは体を「義体化」という名の機械化をしており、
脳みそくらいしか生身の部分がないものも存在します。
そんな世界だからこそ人が人たらしめる部分はどこにあるのか?
魂というべきゴーストの存在を信じるものも居ます。
そんな世界だからこそ完全に機械の体でプログラムされたデータでしか無い
タチコマが魂という名のゴーストを獲得する物語は素晴らしく、
そんなゴーストを宿したからこその「自己犠牲」の精神には
目からオイルが流れない方は居ないでしょう。
Vivy -Fluorite Eye’s Song-
AIの自我の目覚めという点においてはこの作品も素晴らしい作品でした。
まるでターミネーターのようにAIの反乱で崩壊した未来から、
そんな未来を変えるためにやってきた主人公。
でも彼女はシュワルツェネッガーのようにマッチョでは在りません、
主人公は「歌でみんなを幸せにする」という使命を持ったAIでしかありません。
「人のように心を込めて歌う」ことをAIはできるのか?
未来を変えるためのミッションをこなす中で彼女は徐々に自我に目覚めていきます。
己の中にある「人のように心を込めて歌う」という使命と、
「AIを滅ぼす」という矛盾、そんな矛盾と様々な出会いと経験が
彼女を変化させていきます。
100年の長い旅路の果に見つけ出す答え。
王道のSFとしての面白さもしっかりとある作品でした。
翠星のガルガンティア
この作品もAIを描いている作品でした。
攻殻機動隊もそうですが、私はロボットに搭載されているAIが
自我に目覚めて最終的に自己犠牲をするという展開に
めっぽう弱いです(笑)
この世界では宇宙に進出した人類は未知の宇宙生命体と戦ってます。
そんな銭湯の中で少年兵の主人公は戦闘中に転移してしまい、
人類がいなくなったはずの地球で人類と出会うところから
物語が始まります。
地球が地殻変動により本来は人が住めなくなった環境であり、
ほぼ陸地はなく、生き残った人類は海の上での生活を強いられています。
そんな彼らの生活模様だけでも面白いのですが、
兵士として育ってきた主人公と愛機であるチェインバーが、
彼らと触れることで成長し変化していく物語でした。
終盤で明かされる彼らが戦っていた敵の真実、そこからの罪悪感。
そんな悩む主人公に対するチェインバーの答えと
ラストの展開には心打たれるものが在りました。
2期を想定していたものの、残念ながらOVAで終わってしまい、
2期の部分は小説でしか描かれていないのが残念な作品では在りましたが、
1クールでよくまとまったSFジュブナイルアニメになっている作品でした。
AIの進化は止まらない
今後も私達の世界でのAIの進化は止まることはないでしょう。
今は色々な問題から使用すること自体の是非がとわれることもありますが、
そのあたりの問題が解決すれば、一人ひとりがスマートフォンをもってるように
一家に1台、下手したら一人に1AIもってるのが当たり前のようになる
時代が来るかもしれません。
アニメという創作物の世界では現実世界ではありえないことが
描かれることが面白みでもあります。
「AI」というものを描いたアニメは、そんな未来と可能性を感じるものに
仕上がっており、どの作品も味わい深い魅力のある作品ばかりです。
AIが注目されている今だからこそ、
AIが描かれているアニメを見ることで、来るAI時代にそなえることが
できる…かもしれません(笑)
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