評価 ☆☆☆☆☆(4点) 全10話
あらすじ 主人公・永見祐はこれといって取り柄のない普通の男子高校生。ライトノベル作家を目指し新人賞に作品を送っていたが、万年一次落ちだった引用- Wikipedia
完全崩壊作品
原作はライトノベルな本作品。
監督は古川博之、制作はNAZ × マギア・ドラグリエ。
角川アニメなため全10話になっている。
作画
引用元:俺が好きなのは妹だけど妹じゃない1話より
©2018 恵比須清司・ぎん太郎/KADOKAWA/いもいも製作委員会
おそらく多くの人がこの作品に対して思ったことは作画だろう。
放送中はストーリーの内容なんて殆ど語られずに、作画の話題しか上がらなかった。
それほどこの作品の作画はヤバイ。なにせ1話から危険だ。
キャラクターデザイン的に崩れやすいタイプのキャラデザはあるものの、
1シーン1シーン1コマ1コマでキャラの顔が微妙に違う。
じっくり見れば見るほど、真剣にこの作品を見れば見るほど
1コマごとのキャラの顔の変化の激しさについていけなくなる。
さっきまでは違和感のない作画だったのに、次の瞬間にはガタっと崩れる。
作画があまりにも不安定すぎてキャラクターのセリフが全く頭に入ってこない。
それだけならまだいいが、シーン切り替えがあまりにも唐突だ。
さっきまで主人公は学校に登校して教室にいたはずなのに、
次のシーンではいきなり放課後のバイトのシーンになっている。
何の脈絡もなく唐突に時間が経過し場所が変わるのにまるでついていけない。
セクシー要素
引用元:俺が好きなのは妹だけど妹じゃない1話より
©2018 恵比須清司・ぎん太郎/KADOKAWA/いもいも製作委員会
この作品はいわゆるラブコメな作品だ。
萌え萌えなキャラクターたちのセクシーなシーンも多い。
しかし、それはきちんとした作画があってこそ活きてくるシーンだ。
日常シーンの中でさりげなく「乳首」が見えているようなシーンも有るのだが、
あからさまな規制のせいで萎える要素にもなっており、見せ方も非常に強引だ。
これで作画が良ければ露骨かつあざといセクシーシーンも
見どころになったかもしれないが、
作画が悪いだけに強引さと露骨さとあざとさだけが目立ってしまっている。
BDやDVDでは規制が外れ作画が修正されれば、
もしかしたら少なからず見れるシーンになるかもしれないが、
現状の配信サイトでの配信版やテレビ放送版は
作画の悪さと規制の強さも相まってマイナス要素でしか無い。
ラノベ特有のキャラ描写と台詞回し
引用元:俺が好きなのは妹だけど妹じゃない2話より
©2018 恵比須清司・ぎん太郎/KADOKAWA/いもいも製作委員会
この作品のキャラクターたちには何のオリジナル性もない。
テンプレート的かつ何処かで見たことのある設定のキャラと、
説明されなくてもキャラの心情が丸わかりな浅いキャラ描写は
はっきりいって「幼稚」だと感じるレベルの描写の仕方だ。
台詞回しもものすごく回りくどく、余計なセリフが肉付けされているせいで
大したことのないセリフやストーリーなのに、
怒涛のセリフ量のせいで独特な「ウザさ」を感じてしまう。
もう少しまともな会話セリフはできないのかと思うほど、本当に回りくどい。
こういった面倒くさい台詞回しはラノベではありがちではあるものの、
そのありがちさやラノベ特有の描写の仕方を、
アニメにそのまま落とし込んでいるせいでセリフ量の違和感や、
うざさが極まってしまっている。
セリフ量が多いせいで登場人物が妙に早口になってしまっており、
せっかく声優さんたちが頑張って演技をしているのに、
その演技を感じさせる「間」がまるでないため、
全員の演技が棒演技のように聞こえるほど詰め込みまくっている。
何をそんなに焦ってるんだと思うほどに全員早口だ。
ラノベ特有のキャラ描写や台詞回しのだめな部分が
この作品では極端になってしまっていて、
人によっては嫌悪感や気持ち悪さに似た何かを感じてしまうレベルだ。
ラブコメという会話劇が基本のジャンルなのに台詞の掛け合いがまるで面白くない。
ラノベアレルギーがあるとしたら、即全身蕁麻疹になりそうだ
面白くなさすぎるストーリー
引用元:俺が好きなのは妹だけど妹じゃない6話より
©2018 恵比須清司・ぎん太郎/KADOKAWA/いもいも製作委員会
この作品はタイトル通り妹が関わっている。
ラノベ作家を目指す兄が新人賞に何度も応募するがいつも落選の日々の中で、
妹が唐突に自身のラノベが新人賞で大賞を取ったことを告げるところから
ストーリーが始まる。
完璧すぎる妹と普通すぎる兄という構図は
「俺の妹がこんなに可愛いわけではない」の劣化コピーでしかなく、
兄の前では冷静な態度だが実は兄が好きすぎする妹など、
使い古されてもはや誰も使わなくるレベルの設定だ。
はっきりいえば「2018年」のアニメの内容とは思えない。
2000年代前半の深夜アニメくらいならば納得できるほどの
使い古された設定によるストーリー展開にはまるでオリジナル性はなく、
驚くほど先が気にならず、驚くほど面白くない。
ありがちなキャラクターの中で
「アへ顔Wピース先生」など名前で特徴を出そうとしており、
そんな浅はかさも滑稽でしかなく、
まるで特徴のないキャラクターは無個性でしか無い。
この手のラブコメならばヒロインの中の誰かしらに好感がもてて、
誰かしらに魅力を感じるはずなのだが、
誰一人としてかわいくない、誰一人として魅力を感じない。
そんなラブコメはまるで面白くない。
作画崩壊
引用元:俺が好きなのは妹だけど妹じゃない9話より
©2018 恵比須清司・ぎん太郎/KADOKAWA/いもいも製作委員会
2話以降の作画は目も当てられない。
ガタガタなキャラクターのライン、1コマごとに変わる顔の作画、
元々面白くない話を余計に滑稽に感じさせる作画のレベルは本当に酷い。
ネット上ではこの作画がネタにされたり、作画崩壊を笑っている人も多かった。
確かに面白い。このレベルの作画崩壊を毎回味あわせてくれる作品はなかなかない。
普通は一部のシーンや話だけ作画崩壊することはある。
しかし、ほぼ全話に渡って作画崩壊というのは、
なかなか拝めるものではない。
しかし、原作のある作品に対して少なからずリスペクトがあれば
ほぼ全話、全シーンに渡って作画が崩壊しているという有様にはならないはずだ。
この作品の原作にどれくらいのファンが居るのかはしらないが、
原作者に対してもファンに対しても失礼すぎる出来栄えだ。
この作品は8割、いや9割作画崩壊している。
ここまでくると笑えないレベルだ。
ラブコメという「キャラの可愛さ」を第一に表現しないといけないジャンルで、
キャラの可愛さをまるで感じない作画の数々は酷いという言葉しか出てこなくなる。
作画が悪いだけではなく角度すらおかしい。
なぜか画面が90度や270度に傾いたカメラアングルになったり、
キャラクターの首の角度が偉いことになってるシーンもかなり多い。
画面をきちんと見るためには頻繁に首の角度を変えなければならない、
まともに付き合ってたら見る側の首がどうにかなってしまいそうだ。
一体どういう作画発注で角度がこんなことになるんだろうかと
本気で疑問に思うほどありえない作画崩壊を起こしている。
これを作画崩壊と言って良いのかすら怪しい。
制作進行の発注ミスといったほうが正しいのかもしれない。
ご都合主義な展開と盛り上がらないストーリー
引用元:俺が好きなのは妹だけど妹じゃない10話より
©2018 恵比須清司・ぎん太郎/KADOKAWA/いもいも製作委員会
主人公は妹の影武者として新進気鋭のラノベ作家ということになっている。
それに関連して同じラノベ作家やイラストレーター、編集者、
ファンの声優などが集まってくる。
あるあるなキャラクターとありがちな状況の中で、
こちらの予想を超えてこないストーリーばかりが展開する。
いわゆる「盛り上がり所」というのが無い。本来はあるのかもしれない。
だが詰め込まれたセリフ量と崩れまくる作画のせいで、
本来は盛り上がるべき所が盛り上がらず
淡々としたストーリーになってしまっている。
ハーレム要素があり、ほぼ無条件で主人公に惚れている。
「主人公が新進気鋭のラノベ作家だから」という理由のあるキャラも居るが、
いきなりあらわれて、いきなり好感度MAXで接して、
胸を触らせたりだのなんだのとすさまじいまでのご都合主義展開だ。
キャラクターの意思を感じないといえば良いかもしれない。
創作物でこれを言ってしまうとおしまいな感じはあるものの、
ストーリーの流れにキャラクターが動かされて、
自然なキャラ描写やキャラクターの魅力を感じられる行動や言動がない。
「ラノベらしいキャラ描写」という一言で表現できてしまうほどのキャラ描写だ。
ラノベらしいキャラ描写とラノベらしい展開でラノベらしいストーリーを展開する。
色々な意味でこの作品はベタであり、使い古された内容だ。
作画が悪いからこそここまで悪い意味で話題になってしまったが、
もし、この作品の作画が京アニレベルだった所で
一切話題にならなかったのでは?と感じるほど個性を感じない作品だった。
総評:歴史に残るレベルの駄作
引用元:俺が好きなのは妹だけど妹じゃない3話より
©2018 恵比須清司・ぎん太郎/KADOKAWA/いもいも製作委員会
全体的に見てすべての要素が評価に値しない。
見ればすぐわかる作画の悪さは本当にひどく、笑えるというレベルを超えてくる。
単純な作画崩壊や不可思議な動きだけならば笑える範疇だが、
カメラアングルが90度と270度を繰り返して視聴者の三半規管を狂わせたり、
1コマ1コマでキャラの顔が違いすぎる作画は内容よりも作画の酷さにしか
目が行かない。
キャラクターに関しても詰め込み過ぎなセリフ量と作画のせいで魅力が伝わらず、
露骨かつあざといセクシーシーンは作画の悪さのせいで何の魅力もない。
ストーリーに動かされてキャラの意思というのをまるで感じない
キャラクターたちの言動や行動や独特のわざとらしさがあり、
自然なキャラ描写やストーリー展開というのが出来ていない。
ハーレムラブコメラノベというジャンルのダメな部分を凝縮しおり、
ご都合主義かつ強引な展開の数々と、
他のラブコメアニメで腐るほど見たような展開やシーンの数々を
酷すぎる作画で描かれても何の面白みもない。
テンプレートかつ使い古された内容やキャラを何のひねりもなく落とし込んでいる。
いい言葉で表現するならば王道だが、本来はあったかもしれない王道の魅力は
阿鼻叫喚な作画のせいでまるで感じ取ることが出来ない。
本当に1話から最終話までひどい作品だ。
ある意味で「全10話」だったことが視聴者も制作側にとって都合が良かったと
思ってしまうほど制作側のトラブルが作品に反映されすぎてしまった作品だ。
ただ、作画が良かった所で無個性な作品であり影が薄かっただろう。
放送のたびに作画の悪さでトレンド入りしたのは
原作の宣伝効果という意味ではあったのかもしれない。
「アニメはここまで酷いが、原作はどうなんだろう」
と感じた視聴者が少なからず原作に手を出してることを切に願いたい。
原作のある作品でこの出来栄えは本当に失礼でしか無い。
個人的な感想:C級アニメ愛好家も匙を投げるレベル
引用元:俺が好きなのは妹だけど妹じゃない8話より
©2018 恵比須清司・ぎん太郎/KADOKAWA/いもいも製作委員会
私は本来こういう作品は「ギャグアニメ」と割り切ることで楽しむことができる。
だが、B級やC級、世間で駄作と呼ばれる作品でも
やはり「最低限のクォリティ」がなければ割り切って楽しむことも出来ない。
twitterなどで1コマや1シーンを切り取ったキャプ画だけで見るならば
笑えるのだが、アニメで1話30分としてみるとこの作画の悪さは
本当にきつかった。
ただ私が気になってるのは、
この作品がBDでどれくらい修正されるのだろうかという点だ。
9割作画崩壊してる作品だが残りの1割のシーンの一瞬のコマで
作画が良く「おっ!」となるシーンが少なからずあった。
もしかしたら作画が修正されたものを見れば
この作品の評価がガラッと変わる可能性があるかもしれない。
しかしながら1巻の発売が2ヶ月も延長されている。
発売はなんと来年の2月だ(笑)
これほどまで発売が楽しみなアニメBDは久しぶりかもしれない。
制作側にはせめてBD版では神がかり的な作画の修正がされることを期待したい。
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