評価 ★☆☆☆☆(15点) 全12話
あらすじ アニメやゲームが好きな高校3年生の筒井光は、男癖と女受けの悪さで有名な五十嵐色葉から交際を申し込まれる引用- Wikipedia
つまらないのではない、ただただ不快。
原作は女性向け漫画雑誌で連載中の漫画作品。
監督は直谷たかし、制作はフッズエンタテインメント。
なおシーズン2が来年の1月に決定しており、
実写映画化も予定されている。
見出して感じるのは「いい加減にしろ」というシチュエーションだろう。
メガネでパッとしない主人公が遅刻遅刻~と登校する。
もうアニメで百億回は描かれたんじゃないか?と思うほどにベタすぎる
始まり方は何の新鮮味も驚きもなく、モノローグでヒロインの
特徴を主人公が1~10まで説明してくれる。
引用元:©那波マオ/講談社・アニメ「3D彼女 リアルガール」製作委員会
しかも1話のタイトルもイラっとくる。
私はアニメの各話のタイトルにレビューで書くことはあまりない。
しかし、この作品のタイトルについては突っ込ませていただきたい。
「オレがあいつと出会ってしまった件について。」
匿名掲示板のスレッドのタイトル用な古臭いタイトルの付け方は辟易し、
センスの無さを各話のタイトルからビシビシと感じさせてくれる。
しかも、厄介なことにテンプレート化しており、
オレの○○の件の〇〇についてという面白みのかけらもない
テンプレートタイトルだけで見るのを止めたくなるレベルだ。
その後もベタさ全開だ。
あまりにも使い古されたシチュエーションを平気でこの作品は使ってくる。
しかも、主人公はオタク童貞キャラであり、ヒロインはギャルっぽい娘だ。
ベタとテンプレート、使い古しを越えた百番煎じなキャラ設定すぎて
逆に笑えてくる。
引用元:©那波マオ/講談社・アニメ「3D彼女 リアルガール」製作委員会
いわゆる「ギャルはオタクに偏見がない」という
何処で広まったのかわからない情報をヒロインの設定に取り入れてるが、
このヒロインは意志がないのか?と思うほどに色々な男と付き合ってる。
学校の廊下でキスしたかと思えば、別の男がやってきてビンタされ、
その男についていこうとする。
そうかと思えば主人公に助けられて唐突に主人公にキスをする。
思わず「何だこのヒロインは」と思うほどに好感をもてる要素が一切なく、
こじらせ童貞キャラの主人公とぶっ飛んだヒロインという、
物語のメインの二人にまるで共感できない。
演出もダサすぎて笑えてくる。
その演出に意味はあるんですか?と言いたくなるほどに的はずれな演出で、
「文字演出」でキャラの心情を表したりする。
あまりにも効果がなさすぎる演出はセンスがズレすぎていて、
「これはひょっとしてギャグでやっているのか?」と思うほどだ。
引用元:©那波マオ/講談社・アニメ「3D彼女 リアルガール」製作委員会
ストーリー展開も雑だ。
イベントとイベントだけをつないだようなサクサクなストーリー構成は、
ある意味で見やすいとも言えるのだが、自然な流れというのができておらず、
イベントが唐突かつ無理がある。
いきなりヒロインが万引き扱いされたり、主人公が誘拐犯扱いされたりと、
ちょっと「なんでこういう展開になるの?」と思うほど
脈絡のないイベントが唐突に起こり、それをかばう主人公orヒロインの
純粋さや恋愛の尊さみたいなのを描きたいのかもしれないが、
あまりにも突拍子のないストーリー展開は戸惑うしか無い。
台詞回しやキャラの行動も過剰な時があり殴る描写や罵詈雑言もかなり多い。
キャラクターを活躍させたりキャラ同士の感情を表現するために、
別のキャラに悪口を言わせたり、暴力をふるわせたり、
言いがかりをつけさせたりするシーンがあまりにも多くパターン化している。
引用元:©那波マオ/講談社・アニメ「3D彼女 リアルガール」製作委員会
しかも厄介なことに主人公に無実の罪を追わせたキャラが
主人公たちと普通に仲良くしだす展開はどう受け止めたら良いのだろうか?
悪口や偏見、喧嘩レベルなら互いを理解し合って友人になるという
ストーリー展開はある意味ベタであり納得もできる。
しかし、誘拐未遂という冤罪だ。
学校で噂が広まり、悪口を言われ、いじめまで受け出した主人公と、
原因となったキャラクターが仲良くなりだす。
正直言ってこのストーリーを受け入れる人がどれくらい居るのか疑問だ。
一歩間違えば社会的に抹殺しかねない行動をされたキャラと
それを許す主人公に感情移入などできるはずもない。
いわゆる少女漫画が原作のアニメではよく見かける展開ではある。
ライバルキャラが現れて嫉妬する展開や、いじめや悪口を言ったキャラと
仲良くなる展開など「あるある」ではあるのだが、
展開自体はテンプレート的でも内容が許容できる範囲で収まっていない。
引用元:©那波マオ/講談社・アニメ「3D彼女 リアルガール」製作委員会
中盤以降になると主人公を好きなキャラがもうひとり出てくることで
ややこしくなってくる。コミュ障でオタクであるがゆえの主人公の行動や台詞、
メンヘラみたいなヒロインの行動や台詞など、
「少女漫画原作のアニメ」が嫌いな方は特に受け入れがたいだろう。
作画に関しても序盤は普通なのだが終盤から明らかに崩れる。
特に「11話」は驚くほど崩れており、
むしろ全話このレベルでやってくれたほうがギャグアニメとして楽しめたと
感じれるレベルだった(笑)
引用元:©那波マオ/講談社・アニメ「3D彼女 リアルガール」製作委員会
総評
全体的に見て少女漫画原作の嫌な部分が多く出ている。
少女漫画原作のアニメでよく見かけるストーリー展開や
ラブコメで百回は見たと感じるほどの要素や設定の数々、
そこに感情移入できないキャラクター描写や、
やりすぎないじめや罵詈雑言、暴力の描写がてんこもりだ。
「いじめ」や「オタク差別」という描写をしたいのは分かるが、
田舎のヤンキーでももう少しまともな思考回路を持ち合わせてると思うほど、
暴力的かつ短絡的なモブキャラしか居ない。
初対面の相手に主人公が2回も殴られるアニメはこの作品くらいだろう。
主人公が読んでるヲタ雑誌をビリビリに破くやつが平気でいるほどだ。
ストーリー的にはよくある設定や展開ではあるのだが、
「面白い」と感じる部分も少なからずある。
しかし、その少なからずある面白さを上回る不快な部分が
あまりにも多すぎる作品だった。
こういった少女漫画原作特有の嫌な部分を受け入れられる方なら
楽しめるかもしれないが、
受け入れられない方は楽しめない作品だ。
引用元:©那波マオ/講談社・アニメ「3D彼女 リアルガール」製作委員会
個人的な感想
個人的にこの作品で唯一好感を持てたのは主人公の母親くらいだ。
久しぶりにアニメでこんなにベタでわかりやすい母親キャラを見た(笑)
母親が出てくるシーンのみ笑えて楽しめた。
もはやこの作品における唯一の救い、女神だった。ありがとうお母さん。
売上的には92枚と逆によく数字が出たなと思えるほどの爆死。
実写映画の宣伝も兼ねているのだろうが、正直1期で限界だ。
こんな状態で2期まで決まってる。
フッズエンタテインメントはメルヘン・メドヘンから
明らかに作画がやばくなってきており、
延期したメルヘン・メドヘンも年末まで放送されない。
その後に、この作品の2期が来年の1月に放送されるようだが…
11話以上の作画崩壊が2期で見れるなら
逆に見たくなってくる作品だ(笑)
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