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「踏切時間」レビュー

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評価 ★★★☆☆(40点) 全12話

あらすじ 踏切待ちで足止めされる者たちの日常を描いたオムニバス形式のショートストーリー。引用- Wikipedia

踏切が開くまで話しませんか?

原作はコミックアクションで連載中の漫画作品。
監督は鈴木吉男、制作はEKACHI EPILKA。
1話5分ほどの短編アニメ。

踏切の前


画像引用元:踏切時間 1話より
©里好/双葉社・「踏切時間」製作委員会

1話早々に「百合」である(笑)
先輩と、そんな先輩に恋愛感情を抱いている後輩、
そんな二人の距離感と恋愛模様は「ニヤニヤ」っとしてしまう。
彼女たちが会話を繰り広げるのは「踏切」の前田。

この作品はタイトル通り「踏切」を待ってるキャラクターの
踏切が開くまでの時間を切り取って描いている。
正直、あらすじを読んだ段階でこの作品が面白そうと感じる人は少ないだろう。

しかし、そんなたった5分ほどの踏切を待つまでの間の時間には
それぞれのドラマがある。電車が過ぎ去る瞬間に互いの「好きな人」を告白する。
電車の音にかき消されなかった先輩の名前、性的に好きだと告白する後輩。
そんな踏切の前で描かれる百合百合ストーリーがどうなるのか。非常に気になる。

オムニバス


画像引用元:踏切時間 2話より
©里好/双葉社・「踏切時間」製作委員会

しかし、この作品は「オムニバス」だ。
踏切の前で待っているキャラクターが毎話切り替わり、
それぞれの物語が踏切が開くまで描かれる。
このアイデアは素晴らしく「踏切」という舞台装置をうまく活かした
ストーリーやイベントの描き方は面白いというまえに「上手い」と感じる。

だが、それゆえに当たり外れがある。
オムニバス形式だからこそのキャラクターによる当たり外れが大きく、
面白いときはニヤニヤと楽しめるのだが、面白くないときは無表情だ。
短編アニメとしてはかなり多くキャラを出しており、
もう少し絞ってキャラクターとストーリーを楽しみたかったところだ。

1話の百合JKカップル,2話の童貞男子とエロい女子、3話の先生と生徒、
4話のSNSで会話する兄妹、6話のおじさんと少女。
それぞれのキャラたちの「ドラマ」がある。

先生と生徒の微妙な気まずさは、その気まずさからギャグになる。
踏切があくまでの僅かな時間、そんな僅かな時間でも、
キャラがかわるとガラッと雰囲気が変わる。

当たり外れ


画像引用元:踏切時間 9話より
©里好/双葉社・「踏切時間」製作委員会

ただ、オムニバスが故に話の当たり外れも大きい。
人によって好みの違いはあるものの、
テンションと勢いだけで乗り切ってる話も多く、
1話5分ほどだからこそハズレの話でもあっという間に終わるのは利点だ。

作画もやや悪い。
のっぺりした作画はせっかくのキャラの魅力を半減してるときもあり、
キャラクターデザインも「どこかでみたことのある」デザインでしか無い。

1話5分の短編アニメだから仕方ない部分はあると思うが、
ほとんど動きのないアニメなだけに
もう少しキャラデザ部分で頑張ってほしかったところだ。

キャラ数の多さ


画像引用元:踏切時間 4話より
©里好/双葉社・「踏切時間」製作委員会

この作品は1クールで1話5分ほどの作品だ。
しかし、そんな短い尺の中でかなりのキャラクターがでてくる。
短髪で終わってしまっているキャラや話の続きがありそうなキャラの話も
結局、その1話ないし2話で終わってしまっている部分も多く、
やや端切れが悪くなってしまっている。

それならばキャラ数を絞って、もう少し一人ひとりのキャラクターを
きちんと描写してほしいと感じる部分であり、
この作品が面白く、魅力を感じるキャラクターが多いだけに、
より、そう感じてしまうもったいなさがある作品だ。

総評:開くまでの数分間


画像引用元:踏切時間 1話より
©里好/双葉社・「踏切時間」製作委員会

全体的に見て1話5分という尺を「踏切が開くまでの時間」として利用し、
キャラクターごとに違ったコメディとドラマを見せてくれる。
当たり外れはあるものの、この作品らしい日常ストーリーを描写し、
話の続きが気になるキャラクターも多かった作品だ。

ただ、1クールの短編としてはキャラクター数が多すぎる。
1クールの中で投げっぱなしになっている話もあり、
外れのキャラクターも多い。キャラ数が多いせいか新人声優も多く、
やや「演技力不足」を感じる声優さんもおり、
キャラを絞って描いてほしかったところだ。

「踏切時間」というテーマはよく、キャラクターも魅力のあるキャラが多い。
だが、ハズレのキャラや尺不足の話も多いのが気になる部分であり、
色々ともったいない。
ただ、そんな当たり外れも込で1クールサクッと楽しめる作品だ。

個人的な感想:パンツをなくしたおじさんの行方。


画像引用元:踏切時間 6話より
©里好/双葉社・「踏切時間」製作委員会

個人的には「若本規夫」さん演じるはっさくおじさんがツボだった(笑)
あのおじさんが無事家に帰れたのか気になって仕方ないが、
残念ながら1話限りの登場だったのは本当に残念だ。
そういった1話限りで終わっているキャラの多さは致命的であり、
もう少しキャラ数を絞ることはできなかったのだろうか。

なお、作品に出てくる踏切は実際の踏切が舞台になっているようだ。
ちょっと私にはよくわからない領域の趣味ではあるのだが、
「踏切オタク」な方はそういった部分でも楽しめるのかもしれない。

「」は面白い?つまらない?

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