評価 ★☆☆☆☆(18点) 全12話
あらすじ 東京・上野のとある公園の草むらに、結衣、さっちゃん、琴葉の小学生女子3名から成る「カラーズ」という(自称)秘密組織のアジトがあった引用- Wikipedia
苺ましまらない
原作は月刊コミック電撃大王で連載中の漫画作品。
監督は河村智之、制作はSILVER LINK.
見出して感じるのは可愛らしいキャラクターデザインだろう。
日常アニメ系においてかかせない可愛らしさとほどよい萌えを兼ね備えており、
ほっこりとした可愛らしい日常ストーリーを魅せてくれるのでは?という
期待感を募らせる。
しかし、その期待感は裏切られる。
キャラクターの言葉遣いが悪すぎるのが大きな原因だ。
女子小学生という年代のキャラクターに
言葉づかいを求めるのはおかしいのかもしれないが、
正直、聞いていて気持ちのいい言葉ではない。
引用元:©2017 カツヲ/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/三ツ星カラーズ製作委員会
例えば平然と「殺すの?」や「ぶっ殺す」という言葉を使ったり、
「うんこ」などの下品な言葉も恥じらいなく使う。
コレが逆に女子高の女子同士の会話や、逆に幼稚園生くらいの幼さなら
まだ飲み込めたかもしれない。
しかし、おそらく小学生でも上級生の彼女たちが使う言葉としては下品だ。
大人に対する態度も舐め腐っており、
平気で大人にもタメ口を聞く姿は外見の可愛さを
台無しにするほどのいらだちを感じさせる
言動だけではなく行動もひどい。
彼女たちはカラーズというグループを作っており、秘密基地を作り、
日夜、上野の平和を守るために行動している。
しかし、実際やってるのは悪ふざけや迷惑行為ばかりだ。
営業中のパン屋に大声で「うんこ」と叫びながら入っていき、
怒られたら「ばーか」と捨てぜりふを残し逃げていく。
このシーンを見て可愛いと思ったり、笑える人はいるのだろうか。
立入禁止の場所にも問答無用で入り、食べ物で遊んだり、
ただただ不快感が強く、ただただ近所の悪ガキの行動を見せられている感じだ。
引用元:©2017 カツヲ/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/三ツ星カラーズ製作委員会
暴力要素も多い。
3人のメインキャラのうちの一人は「人の頭を足で踏むのが好き」という
設定があり、チャンスが有れば踏む。
ドMな方は歓喜するシーンなのかもしれないが必要性は感じない。
他にも「全力で腹を殴る」シーンが合ったりとちょっと過剰だ。
話自体は悪くない場合も多い。
いわゆる話による「当たり外れ」も大きいのだが、
ほのぼのストーリーの中で無邪気な女子小学生という要素が生きている話もある。
だが、そんな話の中でも前述した言葉遣いや暴力要素が不意に入ることで、
話の面白さよりもその不愉快な部分が気になってしまい純粋に楽しみづらい。
似たような作品に「苺ましまろ」という作品がある。
あの作品の中のキャラクターにも、この作品のキャラのように
「生意気な子供」のキャラクターが居るが、
この作品とは違い、きちんと叱られたり、時には殴られる。
だからこそ生意気な子供というキャラクターが生きており笑える。
引用元:©2017 カツヲ/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/三ツ星カラーズ製作委員会
この作品も彼女たちの行動や言動を「叱る」キャラがきちんといれば、
ギャグとして飲み込めた部分もあったかもしれない。
しかし、基本的に彼女らの行動や言動を怒る大人があまりにも少なく、
甘やかしたり、彼女らの行動を助長するようなことを言ったりもする。
まるで「躾のできない親と子供」を見ているような感覚になってしまう
ようは限度の問題だ。
無邪気な子供による「いたずら」や「下品な言葉」は
使い方と魅せ方によっては面白い。
しかし、下品さやいたずらの限度を見誤れば不愉快になってしまう。
この「限度」のラインは見る人の年齢や性別、考え方で大きく違うだろう。
しかし、この作品の場合は設定された限度のラインが低すぎてしまい、
不快に感じやすかったり、イラっとしてしまうポイントが多い。
同じ話でも原作で読めばここまで不愉快に感じなかったかもしれない。
良くも悪くも、「下品な言葉」も声優による演技の味付けや、
「度を超した行動」もアニメーションにおける演出のせいで、
強調されてしまったがゆえに、漫画という媒体とは違った鋭さが生まれ、
本来はこの作品で描くべき「不愉快にならない一歩手前」を
超えてしまっているシーンが序盤に多すぎた。
引用元:©2017 カツヲ/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/三ツ星カラーズ製作委員会
序盤だけかなり限度を超えているシーンが多い。
逆に言えば中盤からはその限度のラインを見極めたのか、
いい具合に毒気がぬけていき、序盤ほど不愉快にはならず、
「キャラが設定年齢にしては幼い」感じはあるものの、
無邪気な子供たちの日常描写はそこまで悪くない。
特に3人だけで物語が進み、3人だけで終わる話などは
起承転結もよくできており面白いと感じやすい。
他人に迷惑をかけない話はきちんと面白いのだが、
他人に迷惑をかける話は好みに分かれるところが大きい。
ただ話によっては序盤ほどではないが限度のラインを超えるシーンも有り、
ギリギリのラインを攻めすぎている作品なだけに、
そのラインを逸脱しやすく、
坂道のカーブで蛇行運転しているような作品だった。
引用元:©2017 カツヲ/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/三ツ星カラーズ製作委員会
総評
全体的に見て好みが分かれる作品だ。
キャラクターデザインは可愛くストーリー自体も日常ほのぼの話で悪くない。
だが、キャラクターの下品な言葉使いや過剰な暴力、
あまりにもモラルに欠ける行動の数々は受け入れがたい部分も大きく、
見る人の「倫理観」や「子供に対する考え方」でも変わってくる作品だろう。
特に序盤はその傾向が非常に強く、序盤を乗り越えれば、
キャラクターへの愛着もわき序盤ほどの不快感は生まれないものの、
その序盤を乗り越えられるかがこの作品を楽しめるかどうかの
大きなポイントになってしまっている。
悪いことをしたら叱られる。
見てる側も子供の頃からされてきた当たり前のことを、
この作品のキャラクターはほとんどされない。
だからこそ、彼女たちが何をしても余り怒られない事にもやもやしてしまい、
「ごめんなさい」と謝ることもしない、それが不快感につながっている。
カメラアングルも妙にフェチズムめいたものがあり、
「小学生の女の子が靴を脱ぐ」というシーンで下半身部分と足が
アップになるシーンなど本来は全く持ってアップにする必要がない。
だが、はっきり言えば「ロリコン」な方が見れば、
必要性のないアップも魅力的なシーンに見えるのかもしれない。
そういった要素が好きな方は生意気さも不愉快に感じず、
踏まれてるシーンなどもご褒美になるのかもしれない。
私にはちょっと判断はしかねるが(苦笑)
引用元:©2017 カツヲ/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/三ツ星カラーズ製作委員会
個人的な感想
個人的には序盤は不快感の連続だった。
言動や行動に面白さを感じる、この「クソガキ感」や
子供だからこその無鉄砲さや無邪気さを楽しむ作品である事は分かるのだが、
無邪気では片付けられないほどの不快な要素が多く、消化しきれなかった。
中盤からは不愉快なシーンは少なくなったものの、
序盤の不愉快感が残ってしまい、最後までしっかりと
楽しみきれなかった作品だ。
売り上げ的には604枚と笑えないほどの爆死。
もう1度1からこの作品を見たいかと言われれば厳しい部分が多く、
そういう人が多かったのだろう。
2期の可能性は低いだろう。
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