評価 ★★☆☆☆(24点)全12話
あらすじ 青山くんはU-16日本代表にも選出される実力を持つが、大の潔癖のためにヘディングやスライディングなどの泥臭いプレーを嫌っている引用 – Wikipedia
試合後のユニフォーム交換って他人の汗が(以下略)
原作はヤングジャンプで連載中の漫画作品。
監督は市川量也、制作はスタジオ雲雀。
日常アニメのようなタイトルだが一応スポーツアニメ。
見出して感じるのはカクカクっとした感じの作画だ。
一瞬フルCGアニメなのか?と思うほどテカッとした感じの質感であり、
キレイでは有るのだがやや癖のあるアニメだ。
そして主人公、タイトル通り彼は潔癖症である。
サッカーの試合の際のゴールを決めたあとの選手同士の「熱い抱擁」すら拒否する。
汚れているように見えない窓ガラスですら輝くまでキレイにするほどの潔癖症だ。
そんな彼は汚れやすいサッカー部に所属しているが、サッカーの腕前は一流。
ただ露骨なまでに「主人公賛美」がしつこい。
青山くんすご~い!青山くんキレー!みたいな主人公を賛美する黄色い声援が
しつこいほど聞こえる。そんな黄色い声を無視する彼のクールな態度。
面白いというよりは男性が見れば「いけ好かない」感じが強いキャラであり、
潔癖症は本来ギャグ要素のはずなのだが、ギャグ要素になっていない部分がある。
例えば似たような作品に「田中くんはいつもけだるげ」という作品がある。
この作品もタイトル通りだらしなさが主人公の特徴でありギャグだった。
この作品も系統としては似ているのだが、本来ギャグとして芯となるはずの
潔癖症という欠点の部分が女性キャラクターからすると欠点になっておらず、
ギャグになりきれていないシーンが多い。
更に必要性を感じない「黄色い声援」が
純粋にギャグとしての面白さを薄くしている。
この黄色い声援を過剰にすれば「坂本ですが」という作品に似ているのだが、
あの作品は何事においてもクールに行動する主人公がギャグになっており、
そのクールさを周りのキャラが賛美してもギャグにつながっていたが、
この作品は黄色い声援止まりで終わってしまっている。
確かに青山くんというキャラクターは凄いのだろう。
サッカーというスポーツにおいて「敵に触れさせない」ドリブルとフェイントで、
潔癖症という欠点があるのに「潔癖症だけど凄い」というギャップになっており、
キャラクターのカッコよさという点の魅力は生まれるが
ギャグとしてはそのギャップで魅力は死ぬ。
分かりやすく言うならばこのアニメをギャグもそこそこ面白いスポーツアニメならば
評価できるが、スポーツ要素の有るギャグアニメとしては評価できない。
結局スポーツがしたいのかギャグがしたいのかどっちつかずに成っている感じが強く、
どちらかに割り切れば面白くなりそうなのに割り切ってくれない。
声優にも違和感がある。
置鮎龍太郎、関智一、保志総一朗、阪口大助、子安武人、三木眞一郎と
びっくりするほどベテラン揃いなのだが、彼らはみな高校生である(苦笑)
流石に高校生にしては圧の有りすぎる声のキャラクターが多く、
若手の男性声優陣がほぼ見当たらないのはやや違和感が強い。
1話30分というのもギャグアニメとしては間延びしやすい原因だ。
1話15分位でテンポよく描けばギャグシーンの面白さにも
キレが生まれたかもしれないが、30分という尺を使い余して
余計な青山くん賛美や演出が目立ってしまっていた。
潔癖という要素も「汚れてると力が出ない」という
アンパンマンのような弱さを見せたかと思えばラスト5分だと
「負けず嫌い」のほうが上回って力を出せると言う設定の弱さ。
基本的な設定くらい貫き通してスポーツアニメとしての面白さを見せるわけでもなく、
スポーツアニメの欠点でも有るご都合主義全開だ。
日常回では当たりハズレは有るものの笑える回もある。
面白い回は試合をしているときよりも面白いことが多いのだが、
ハズレの回のときはつまらないというレベルではないが笑えない。
主人公の青山くんがあまりにも脇役になりすぎている回などもあり、
存在感の薄い主人公というのはなんとも言えない所だ。
総評
全体的に見ていまいちパンチに欠ける作品だ。
潔癖症の主人公という設定は良いのだが、
結局のところスポーツアニメをしたいのか日常ギャグアニメをしたいのか分からず、
その中途半端さが作品全体のいまいち貫き通せていない感じにつながっている。
「潔癖症」という点を活かしきれていない部分がちょっと多い。
潔癖症だけどサッカー部でなるべく汚れないようにはプレイしてるけど、
5分位なら汚れても大丈夫というフワフワさ、
潔癖症だけど一人だけ触れる女子がいるけど理由は最後まで見ても全然わからない、
潔癖症だけど公共の場に設置してあるウォシュレットは使う。
そもそも本当に潔癖症ならサッカー部に入らないだろう。
この作品を本当に潔癖症の人が見ても嫌な思いをするかもしれない。
もちろん共感を得る部分はあるかもしれないが、
潔癖症という作品の本筋の掘り下げ方や描写が甘く、
本筋の部分にすらブレを感じてしまうのは残念だ。
個人的な感想
個人的には1話の時点ですでに汚れた青山くんを出してるのも微妙だった。
潔癖症を散々描いた後に最終話であの青山くんが汚れた!いうような
ストーリーラインならば感動できたかもしれないが、
1話の時点で汚れてしまうのはそれくらいの
潔癖症なのかとちょっとがっかりしてしまった、
ただ超個人的にはこの作品のEDが大好きだ。
あの絵柄で全編やってくれればもう、超笑えたかもしれない、
太陽がくれた季節のカバーと70年代アニメ作画は流石に反則ではないだろうか(笑)
この作品で唯一笑えたのはそこくらいであとはクスクスと笑えるか、
無表情のどちらかだ。
売上的にはいわゆる爆死、191枚とよく数字が出てなというレベルの売上だ。
人気男性声優陣は出てるし女性受けも強そうだが、
売上にも中途半端さが響いてしまったようだ。
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