あらすじ 中学2年生の皇まといは、両親と一緒に普通に暮らすという、あたりまえの平凡な日常を望んでいた。幼少時に母の皇しおりが行方不明になってからは祖父母に育てられ、父の皇伸吾とも長らく離れて暮らしていたまといは、3か月前からようやく父との同居を始める。引用 – Wikipedia
2クールで見たかった
本作品はTVアニメオリジナル作品。
監督は迫井政行、制作はWHITE FOX。
見出して早々に軍隊による謎の戦闘が描かれる。
しかも英語で喋るため日本語字幕、
そうかと思えば謎の金髪美少女が意味深に登場し、
「装甲」をまとい謎の怪物と戦い出す。
あっさり戦いが終わったかと思えば舞台が日本に移る
正直1話冒頭としては色々とごちゃ混ぜになっている感じが強く、
どんな世界観かどんな設定かというのが分かりづらく、
アニメーション的な派手さも薄くインパクトが弱い。
少女が戦う際に装甲をまとう、いわゆる「変身シーン」があるのだが、
その変身シーンの描写があっさりしすぎていていまいち世界観に入り込めない。
キャラクターデザインも結構癖がある。
キャラクターに「脂肪」というものを感じないがりっがりな感じの
女性キャラクターのデザインであり、
アクションシーンでは動かしやすいデザインであることは分かるのだが、
人によってはこの癖が可愛いと感じるかもしれないが、
人によっては受けつきにくいデザインだ。
ストーリー展開も遅い。
1話の時点で「だらー」っとストーリーを進めている感じが強く、
日本の田舎でおこった事件の捜査を主人公の父親がすすめる様子を見せられるのだが、
せっかちな視聴者ならこの時点で見るのをやめているかもしれない。
それほどストーリーが盛り上がらずだらーっと進めている感じが強く、
ようやく盛り上がり所になってもアニメーションとしての迫力がない。
この作品は「和風魔法少女」と言うものを売りにしている。
魔法少女における「変身シーン」というのは重要だ、
そして和風な魔法少女の衣装はどんな風なのか?という期待感も強い。
しかし、所々に谷間などのセクシーシーンを入れてたくせに
変身シーンでのお約束的全裸などもなく、
変身した後の衣装自体も「どこが和風?」と言いたくなるほどシンプルだ。
肝心の戦闘シーンも派手さや迫力といった者が一切なく、
初めての変身、初めての戦闘という本来は大きく盛り上がって
印象を強くつけないといけないのに終始地味だ。
戦闘が終わり変身が解けると全裸になるというお約束は有るのだが、
基本的のワンパターンな展開しか生んでおらず、
1クールという尺が限られている中ではお約束的シーンというよりも、
ただの尺の無駄遣いな設定になってしまっている。
ストーリーの進行が遅い原因は主人公にも有る。
彼女は「現実逃避」を頻繁にし、普通の女の子で居たいと思っている。
ゆえに魔法少女になってしまうことに戸惑いを感じ、
主人公がなかなか現実を受け入れないさまを見せられたり、
親子関係のせいで戦わない展開があったりと結構めんどくさい。
掘り下げるべき部分がかなりある。
しかし、そんな掘り下げるべき部分を掘り下げずに、
話が進めば進むほどどんどんと設定が追加されていく。
例えば主人公が他の人に気づかれないと言う設定。
主人公の父親が主人公の変身した姿を見ても主人公だと気づかない、
wikipediaによるとそういう設定があるのだが、
それをチラッとでも説明してくれればいいのに一切説明しないため
「え?何で気づかないの?」という違和感が拭い去れないまま話が進む。
いろいろな設定が独自の用語で追加されていくが、
それに関する説明が薄い。
察しろと言わんばかりの描写できちんと掘り下げるわけでもない。
結果的に1つ1つの設定をふわふわっとしか理解できず、
制作側の頭のなかでは理解できているのことなのかもしれないが、
見ているこっちとしてはそれがきちんと描写されないためいまいちしっくりこない。
組織の数も多い。
国際犯罪を取り締まる組織、イタリアの秘密組織、敵の組織、日本の神社の組織と
4つのグループがあり、おまけに主人公の父親は警察で
警察組織としての動きも描写される。
これだけ組織が有るのに主人公はどこにも属していない。
それぞれの組織に属するキャラがそれぞれの目的で行動しまくり、
そこに主人公たちの行動まで描かれる、もはやごちゃごちゃだ。
これで2クールや4クールくらいの尺が有るアニメなら分かるのだが
たった1クールの全12話としてはさばききれるはずもない。
特に敵組織の描写はかなり浅い。
本格的に敵キャラというのが出てくるのが9話くらいからだ。
ちなみに本作品は全12話、遅いなんてもんじゃない(苦笑)
敵側にも色々有るようなのだが1クールではきっちりと明かされないのも残念だ。
ストーリー的に終盤に盛り上がるが、その終盤に色々と詰め込みすぎてる感が強い
戦闘シーンだけは割りと多いのだが、多い割にはつまらないうえに短い。
アニメーションとしての動きの面白さはほぼなく、
演出の派手さで誤魔化すようなこともないため、
ただひたすら盛り上がらない戦闘シーンは致命的とも言える。
おまけに戦闘シーンの展開も遅い。
本作の製作会社はWHITE FOXで、今作はWHITE FOX初のオリジナルアニメだ。
ならば製作会社の実力を見せつけるような、
トリガーのような戦闘シーンを描く実力があれば、
この作品の印象はもっと違っただろう。
王道ストーリーを描くだけのアニメーションとしての後押しが足りなかった
全体的に見てアニメーションとしてつまらないというのが致命的だった。
戦闘シーンの多い作品なのに肝心の戦闘シーンがあっさりとしすぎており、
せっかくの盛り上がり所で盛り上がりきれず、序盤から中盤でダレやすい。
ストーリーの展開自体は王道なのだがテンポが悪く、
その割には設定が多く説明不足な部分が多いため、
なかなか見ている側が「しっくり」とこないまま話が進んでいくような感覚だ。
ただ良くも悪くもストーリー自体は王道であり、
見終わった後に思い返すとストーリー自体は悪くないと感じられる。
しかし、ストーリーが盛り上がってくるのが中盤以降であり、
その中盤からの盛り上がりに行くまでの序盤のテンポの悪さや、
戦闘シーンの盛り上がりの無さが作品全体の足を引っ張ってしまった。
作画の雰囲気やストーリーの王道さなど、2016年の作品というよりは
少し古い作品を見ているような感覚だ。
それだけに1クールではなく2クールくらいの尺でがっつりと描けば、
設定の説明不足な部分や活かしきれなかった部部分を活かせたり、
序盤でもっとキャラ描写を深めるような展開を描けただけに
1クールという尺に押し込めすぎてしまっている感じが強く出ているのが残念だ。、
要らない設定も多い。
特に組織の多さははもっとスッキリとしてほしかった。
イタリアの組織か国際犯罪を操作する組織はどちらか削って
1つにすべきだっただろう。
王道ストーリーをスッキリと楽しめない余計な肉付けがあまりにも多かった。
個人的にはWHITE FOX初のアニオリ作品として期待していたのだが、
その割には作画のこだわりや見所がなくて残念だった。
適当すぎるセクシーシーンや、大味な戦闘シーンなど
とてもじゃないが「Re:ゼロから始める異世界生活」と
同じ制作会社とは思えないレベルだ。
もう少し気合を入れて制作してほしかったと感じてしまう作品だった。
余談だがOPは妙に熱血っぽくて割りと好きな曲だった、
OPだけなら80点位つけたくなる(笑)
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