あらすじ セイとレイジが第7回ガンプラバトル世界選手権で世界一の座を勝ち取ってから7年。セイやタツヤたちを輩出した聖鳳学園には2つのプラモ部があった。引用 – Wikipedia
凄いぞ、便利だ次元覇王流
時系列的には前作から7年後と言う設定になっている。
1期が2014年3月まで放送し、わずか7ヶ月後に続編と言うのはかなり早い。
そのせいか監督が1期と違い綿田慎也氏に変更になっている。
見出して感じるのはキャラクター描写の違いだろう。
前作は全てのキャラクターの立ち位置がしっかりしており、
夕方アニメらしい程よいテイストのキャラの味付けと、
一人ひとりのキャラの掘り下げがしっかりしており、
だからこそ一人ひとりのガンプラバトルに熱く慣れた。
しかし、本作におけるキャラ描写はわりと露骨だ。
主人公である「セカイ」は次元覇王流という格闘技をやっており、
ガンプラすら知らない脳筋キャラで、
ヒロインは先輩キャラでポニーテールに巨乳という分かりやすい萌えキャラ。
アクシデントでヒロインが主人公を押し倒してしまうなど、
ありがちなシチュエーションが描かれたり、
キャラクター描写における演出もやや誇張しつつギャグになっていたりと、
前作にはなかった強い萌えや露骨な描写が結構増えている。
更に「嫌味なキャラ」も増えている。
前作でも敵キャラで嫌味なキャラは居たが同時に憎めないキャラになっていたが、
今作は陰険なキャラや単純に性格の悪いキャラが多く.、
更に掘り下げも甘いため憎めないキャラにまでキャラが育たない。
ただ嫌味なキャラで終わってしまっている。
ガンプラバトルにしても前作とテイストが違う。
主人公は自分が使う格闘技をガンプラバトルでも用いており、
ただの正拳突きで相手機体を破壊したりと、
ノリとしては「Gガンダム」に近いものが有る。
しかしながら、それがワンパターンさを生んでいる。
前作でも終盤は「ビルドナックル」でケリをつけるパターンが多かったが、
今作では主人公が近接格闘オンリーの機体のため、
いちいち「次元覇王流」と叫んだのちの近接格闘必殺技で終わってしまう。
ピンチな展開になっても便利すぎる次元覇王流で解決してしまうことが多く、
あまりにも次元覇王流が便利すぎて戦闘シーンが盛り上がりきらない。
「ガンプラバトル」という枠組みの中で次元覇王流が逸脱しすぎており、
モビルトレースを使っているわけでもないのに
本人の格闘技術があまりにも反映されすぎだ。
前作でも「ニルス・ニールセン」が気功的な技を使っていたが、
それはきちんとした理由付けがなされており何の違和感もなかった。
だが、本人が1から作り上げた機体でもないのに
本人の技がガンプラバトルで使えまくるというのは最後まで納得できない点だ。
一期にはなかった無駄な演出も多い。
「動き」ではなくエフェクトだよりで戦闘シーンの迫力を生んでいたり、
色々なアングルから同じシーンを写したり、スローシーンを多発したり、
演出家が監督をやった際にありがちな「余計な演出」が多すぎて、
1枚絵としてみるとかっこいいのだが、アニメーションとしての面白さが薄い
更に3VS3形式が基本になってしまった事も盛り上がりきれない原因だ。
前作は1VS1だからこそ、しっかりと1機ずつの描写を細かく画き、
たっぷりとした尺で盛り上がる「駆け引き」のある戦闘シーンを描けていた。
しかし、本作では3VS3形式になってしまったことで
1体1体の描写にかける尺が分散し大味で派手なだけになってしまっている。
ただ3VS3だからこその面白みのあるシーンも有る。
例えば定番の「ジェットストリームアタック」だったり、
サポートに徹する機体による戦術だったり、「合体」だったり、
本作品だからこそのガンプラバトルの面白さを味わえる回もある。
しかし、3VS3にしてしまうことで必然とキャラ数が増えてしまう。
そのせいで前作とは違い名前も覚えないうちに退場するキャラが増えてしまい、
1VS1だからこそのキャラ描写の深さと対決の盛り上がりが薄れてしまっており、
キャラクターごとの「ガンプラへのこだわり」と言うものが感じない。
一人ひとりの「ガンプラバトル」の物語が薄い。
前作では「ガンプラを作る」工程も描かれることが多かったが、
今作ではガンプラ製作シーンの描写が少ない。
またベース機体が無い「オリジナル機体」も多く、
前作は「キャラクターの特徴」がそのまま「キャラらしい機体」だったが、
今作では機体チョイスや機体変更がしっくりとこない。
SDガンダム系とガンダム00の機体が妙に多すぎるのも気になる所だ。
SDガンダム系は派手な必殺技、00は粒子やトランザムなど派手なのがが多いため
演出家の人好みなのは分かるが、メインになる機体のチョイスに偏りがかなりあり、
前作のような「おぉぉ!!」となる機体チョイスが少ない。
ストーリー的にも、今回は世界大会ではなく、
学生たちによる地区予選が話の中心となっており、
前作が世界大会だったことを考えると話の規模がスケールダウンしてしまっており、
どちらかというと青春・学園モノとしての要素も強い。
更に前作ではガンプラを動かすための粒子の秘密や、
異世界から来た少年の秘密なども大会と同時に描かれており、
2クールという尺の中で物語に厚みと起伏が生まれていたが、
今作にはそういった要素がないせいで一本道になりすぎていた。
全体的に見て前作の劣化コピー以下でしかない作品になってしまった。
便利すぎる次元覇王流のせいで盛り上がりが薄くワンパターンな戦闘シーン、
キャラクターが多すぎて一人ひとりの掘り下げが浅いキャラクター描写、
変にラフコメ要素を強くした割には前作のヒロイン以下の可愛さ、
世界大会から日本国内の大会になってしまうことによるスケールダウン、
ひたすら一本道なストーリーと練り込み不足な点が多すぎる。
特に戦闘シーンは次元覇王流やSDガンダムによるよる派手な必殺技が、
「ガンプラバトル」という枠組みの中では演出が過剰すぎる。
前作で味わえた「手書き作画によるロボットアニメの良さ」というのを、
一時停止すれば感じることのできるシーンも有るが、
アニメーションとしてみると薄く物足りない。
設定のかぶり具合も練り込み不足が目立つ点だ。
3体のガンプラが合体して1体のガンプラになるという展開自体は素晴らしいのだが、
その「合体」という要素を違うチームも行う。
元になったガンプラの面影すら無い魔改造のようなオリジナルガンプラも多く、
そのせいで「夢の対決」により盛り上がりが生まれにくくなっているのも残念だ。
前作のようにF91VSエクシアなど「わかっている」組み合わせだったが、
今作では「フルクロス」という素晴らしい機体が出てきているのに、
相手は00系の魔改造機体。
元になったガンプラがわからないほどの機体の数々は、
「ガンプラ」である必要性を感じない場合も多かった。
死んでいる設定も多い。
レディカワグチの存在や、粒子残量、多すぎるヒロイン、
アドウ・サガの右手首の負傷など「必要だったか?」と感じる設定も多く、
練り込みが浅いせいでこういった必要性を感じない要素や設定、キャラが
残ってしまっている。
前作からたった半年で制作された作品なだけに
やはり練り込み不足が目立ちまくっている。
監督が変わってしまい、しかも演出がメインにやってる人が監督をしてしまった事で、
「ビルドファイターズ」に求めているものを勘違いした
描写に仕上げてしまっている。
簡単に言うと「分かっていない」部分が多すぎる。
戦闘シーンにしろ、ガンプラのチョイスにしろ、キャラクター描写にしろ、
なぜ前作が受けたのかというのを分かっていない。
個人的には所々「Gガンダム」の要素を感じるのに
それを活かしていないのは苛立ちしか感じなかった。
主人公の師匠は「Gガンダムのあの人」そっくりな人物なのだが、
ほとんど出てこないので「そっくりにする」意味を感じない上に、
なぜ出さないのかという要素を活かさない点にも苛立ちばかり感じる。
そもそもGガンダムの要素を入れるならば前作にはなかった
「ハイパーモード」を入れるべきだろう。
似たようなシステムの「バーストモード」というのがあるのだが、
なんか中途半端に燃えているだけで演出としては派手なのだが、
それならば金ピカになるほうが「わかっている」演出になったはずだ。
次元覇王流にしても「奥義」がないという拍子抜け。
散々次元覇王流!次元覇王流!と叫びながら戦っていたのに、
師匠も殆ど出さず、奥義伝授のような流れもなく・・・
正直言って主人公が出ていない戦いは面白いのだが、
主人公が出ると面白くなくなってしまう。
次元覇王流、これさえなければこの作品は
もう少し評価できた作品かもしれないだけに残念でならない。
23話で主人公チームがガチで負けそうになった時、
本気で嬉しくなってしまったのはここだけの話だ(苦笑)
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【良いところ】
前作ビルドファイターズの続編であり、自分の作ったガンプラをシュミレーション上で操作、バトルすることができること
作画良好、迫力のあるバトルシーンなど。
登場するガンプラ多数。
【残念なところ】
ガンプラをテーマにした作品なのに主人公(セカイ)がガンダムにもガンプラにも思い入れがない。
主人公の適当なキャラクター設定、設定が特別過ぎて都合が良すぎる
初登場で颯爽とあらわれて不良をやっつける。喧嘩がつよい。興味がないのに女の子が寄ってきてモテモテ。初心者なのにガンプラバトルも最初から強い。学生なのに謎の家庭、ずっと姉弟で世界中旅していたらしい、モデルの美人な姉がいるが両親の描写がない、彼らはいったいどのように生活しているのか?
そもそもトライ(三人組)である必要がない。
三人組であるための戦略、戦術、チームワークなどがあまりない。
1試合が3対3ではなく、1対1を3回繰り返す。
とにかく主人公のセカイが強いため、彼に殴らせておけば勝てる。
ピンチに陥いると不思議なパワーでセカイが覚醒して勝利する、もう彼一人でいいんじゃないかな。
【総合評価】
前作主人公は二人で一人のバディもの。例えるならモータースポーツにおけるドライバーとメカニックのように役割分担が異なっていて、そこには信頼関係や友情が見てとれた。
またビルドファイターズの題名にあるよう、「ガンプラ」を「ビルド」して「ファイト」する。この通りの作品になっていた。
ところが今作は「ファイト」の部分だけがピックアップされているようで、何よりも派手に勝利することが目的になっており、ガンプラビルドの知識や技術、またガンプラ作りの苦労や楽しさなどもあまり取り上げられなかった。
そもそもこれは「ガンプラ」という現実の商品を題材とした作品である以上、フィクションであってもそれなりにリアリティを掘り下げておくべき。
各キャラクターにおいても、主人公であるセカイを引き立たせるための飾りでしかない。
感じられたのはガンプラや模型作りに愛着がない、この作品がまずキャラクターありきで考えられたであろうと想像できる。まずは強くてカッコいい主人公つくって。次にかわいくてエロい女の子たち、三人組の残った男はメガネくんにして、あとはイヤな敵など。キャラクターモノにしたいならその設定(目的や理由その背景)と相関関係が薄すぎる。
ビルドファイターズの方向性を間違え、キャラクターモノとしても中途半端な作品。
作り手のセンスのなさが現れてるアニメ。
前作の良い所がなくなり悪い所が残ってしまった印象。
個人的にビルドシリーズは1作目以外はダメだなと思う。
ガンプラ作る描写がぞんざいなんだよね。
モビルスーツが戦うだけならガンプラアニメの意味がないのよね。