あらすじ かつて世界的に蔓延し殺人など凶悪犯罪の温床となっていた「不眠症」の治療法として新薬が開発され、その流行が収まる代わりに新薬の副作用によって「嗜血種(しけつしゅ)」と呼ばれる吸血人種が作り出される。やがて人類は嗜血種との間で起こった戦争に勝利し、新設した「国安部特管局」の管理下に置く事に成功する。引用 – Wikipedia
中国アニメの悪い所を濃縮還元したようなアニメ
最近増えてきた中国原作の中国アニメであり、
個人的には霊剣山の漢方的中国アニメの変な面白さは好きだ。
監督は陳燁、制作はreators in Pack Inc。
見出して感じるのは「チープ感」だ。
車で走っているシーンが描かれるのだが、
車のスピードメーターは「300K」近くまでいッているのにめちゃくちゃ遅い(笑)
むしろ安全運転レベルにしか見えないスピードで、警察との
カーチェイスが描かれるが、まぁ陳腐だ(笑)
そんなどうでもいいカーチェイス中も妙な間が開く。
明らかに「尺稼ぎ」をしているのが見え見えだ。
そんなチープ感MAXな感じでいわゆる「吸血鬼」のようなものが存在する世界だ。
不眠症の薬かと思ったら副作用で吸血鬼になるという、
なんかとんでもない設定のもとに吸血鬼が存在刷るのは分かるのだが、
吸血鬼と言わずに「嗜血種」という言葉になっているためやや分かりづらい。
用語のわかりづらさは中国アニメのお約束とも言える。
ストーリーも展開が忙しすぎる。
吸血鬼モノかと思ったら、銀行強盗やりだして、
刑務所にぶち込まれて殺人の罪を着せられてプリズンブレイクみたいな状態。
いわゆる「既存の設定」を組みわせてごちゃ混ぜにして
言葉を変えてオリジナル見せかけているだけだ、これも中国アニメのお約束だ。
その後のストーリーも滅茶苦茶だ、
思いつきでその場限りのノリで進めてるんじゃないか?と思うほど脈絡がなく、
何がしたいのかが全然わからない。
吸血鬼者がしたいのか、プリズンブレイクがしたいのか判断しかねていたら、
バトルロワイヤル的なのが始まったかと思えば、
バイオハザード的な敵が出てきて戦う。
この文章を読んで混乱してる方も多いと思うが、見てても混乱する(苦笑)
びっくりするほどレベルが低いストーリーだ。
オタクな中学生あたりが初めて書いたライトノベルのような、
既存の要素の組み合わせでしかなく、
日本の漫画雑誌なら連載すらさせてもらえないレベルだろう。
これでテンポが早ければ勢いでごまかせる部分もあったかもしれない。
だが、恐ろしいまでにテンポが悪く、
欠点を誤魔化しきれずそのまま描いてしまっており、
いちいち回想シーンをぶち込んでテンポを余計に悪くしており、
正直面白さを全く感じない。
同じ中国アニメでも「霊剣山」や「一人之下」は用語の分かりづらさや、
文化の違いゆえのとっつきにくさやシモネタのセンスの違いなどはあった。
ただ、中国アニメだからこその「漢方」や「気功」などの要素は
中国アニメらしく、そこに日本のアニメにはないオリジナル性を感じていた。
しかし、この作品にはそういったものが全くない。
戦闘シーンもかなり多いが、演出が悪すぎる。
予算が少ないから動かせないのは分かるが、
そのせいでスローテンポな戦闘シーンになってしまっており、
迫力も緊迫感もまるでない。
一応、能力モノ系ではあるのだが能力がダサすぎる。
主人公はなんか飛ぶだけ、他のやつも超能力とどこが違うんだ?という能力が多く、
唯一特殊な感じの能力は身体から一杯刀出して、
体ごと回転したりして攻撃するというダサい能力のみ。
吸血鬼要素どこいったんだ?といいいたくなる能力ばかりだ。
全体的に見て驚くほど駄作だ。
既存の日本の作品のいろいろな要素や設定を集めているただけで、
オリジナル製のかけらもなく、ストーリーのテンポも驚くほど悪いため、
グダグダで面白みのない部分が余計に際立ってしまっている。
ストーリーが進めば進むほど色々な設定が追加されるが、
設定が追加されるたびにパクリ元が分かってしまい、ため息しか出ない。
中盤からはただでさえ質の低い作画が余計に悪くなり、
回収する気のない伏線も増えまくり、もはや散らかすだけ散らかす子供だ。
主人公のキャラクター性もコロコロ変わる
そして1クールではそんな散らかした状態を片付けることもせず、
むしろ、更に散らかして終わる。
最後の最後まで何がしたかったんだと言いたくなるほど、
荒唐無稽な作品だ。
終わったあとに「は?」とキレたくなる終わり方だ。
個人的には霊剣山で中国アニメの面白さの片鱗を掴んでいただけに、
こんな出来栄えの作品を見てしまって掴みかけた面白さの片鱗が
何処かに飛んでいってしまった。
本当に残念だ。
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