あらすじ 異変の起こった円蔵山に駆けつけたイリヤたちの前に現われる現実離れした人影。突然の交戦の後、空間が揺らぐ。そして、動きの後、イリヤが目覚めたのは、真冬の冬木市――平行世界。引用 – Wikipedia
Fateが見たいんじゃないプリズマイリヤが見たいんだ
製作会社はSILVER LINKのままだが、
監督が高橋賢、神保昌登という二人体制になっている。
なお、これまでプリズマ☆イリヤは全10話という角川アニメルールだったが、
4期ではようやく全12話というストーリー構成になっている。
見出して感じるのはシリアス感の増量だろう。
3期は日常話が多く、1期や2期は日常とシリアスのバランスが良い作品だったが、
4期では1話からシリアスな雰囲気がビンビンだ。
1話からそんな雰囲気の中で戦闘シーンが激しく展開され、
「萌え」や「日常」と言った要素があまり描かれない。
基本的にシリアスな状況は1話から最終話まで変わらず、雰囲気は重いのだが、
新しいキャラクターである「田中」の空気の読めない行動と
子供の姿のギルの無邪気な言動や行動などで
シリアスとギャグをバランス良く保っており、
状況としてはシリアスだがうまく重苦しくはしていない。
更にファンサービス的要素。
Fateを見ていた方ならば思わず笑ってしまう、思わず燃えてしまう。
そんなFateファン向けの要素が非常に強い。
例えばあのキャラが「ラーメン屋」をやっていたり、
ギルガメッシュVSギルガメッシュだったり、本家の「トレース」だったり。
プリズマ☆イリヤという作品自体がFateの平行世界という設定であり、
1期~3期でもFateファン向けの要素はあったが、
基本的にFateを見ていなくても楽しめるようになっているが、
4期に限って言えばFateを見ていないと面白さが伝わらない部分も多い。
Fateの平行世界のプリズマ☆イリヤという作品の世界観の
更に平行世界が舞台という、若干ややこしさのある4期の舞台だが、
平行世界の平行世界だからこそ、本来ならありえないシーンを描くことができ、
そのありえないシーンがFateファン向けになっている。
しかし、そのファンサービスは悪くはないのだが、
戦闘シーンがどうにも大味だ。
基本的に4期は戦闘の連続だ、Wikipediaによるとそれに備え、
一部スタッフを変更し、監督も二人体制にしたようだ。
しかし、シリアスに備えてスタッフを入れ替える必要は合ったのか?と
感じてしまうほど、どうにも作画の質のみに頼っているシーンが目立つ。
派手な演出だけならまだいいがCGや遠いアングルも結構目立ち、
1期から2期ではあまり感じなかった大味なシーン描写が目立つ。
わざわざ変えたスタッフより変えなかったスタッフの方の
戦闘シーンのほうが見応えがあったというのは正直どうなんだろうか(苦笑)
シチュエーション的には燃えるのに、見ごたえが薄い。
戦闘中の会話が多いのも見応えを薄くしてしまっている原因だろう。
ストーリー的に絶対的な「正義」と「悪」ではなくなっており、
それについての討論を戦闘中に行う。
そのせいで戦闘シーンをストレートに楽しみづらくしており、
テンポも悪くなってしまっている。
3期の時から感じていた問題では合ったのだが、4期でそれが実感できてしまう。
作画の質は上がったが、戦闘シーンの面白みが確実に薄まってしまっている。
1期のあの可愛い絵柄からは想像もできない燃えるような戦闘シーンが、
引き締まったキャラクターデザインと作画のせいも合って、
作画の質は高いのだが、どうにも動きで魅せられていない。
1期のセイバー戦でのあの剣劇、
2期のキャラクターを舐め回すようなカメラワーク、
きちんと「記憶に残る」戦闘シーンをこの作品は描いてきた。
だが、4期にはそれがない。
演出が派手なだけで大味な戦闘シーンでは燃えられない。
特に残念なのは11話だ。
見た方ならわかるがストーリー的には神展開と言える展開だ、
大量の宝具に対するための大量の偽物の召喚、
この召喚シーンの演出は素晴らしいのに、
その後太鼓を叩いているような剣の動かし方でがっかりする。
終盤は作画がやや息切れを起こしており、
それを誤魔化すための演出、カメラワークも多い。
今までのプリズマ☆イリヤではそんな事はしてきておらず、
それだけに誤魔化しているシーンを見ると落胆も大きい。
ストーリー的には盛り上がる。
だが、そのストーリー的な盛り上がりの中に「Fate」の要素が
非常に強く出てしまっており、
1期や2期のようにFateを見ていなくても楽しめるとは言い難い
ストーリーになってしまっている。
全体的に見て残念な4期だった。
1期や2期に比べると明らかにパワーダウンしてしまっており、
演出は派手だが大味な戦闘シーン、Fateの知識がないと盛り上がりきれず、
歯切れの悪いところで終わるストーリーと
欠点ばかりが色々と目立ってしまっていた。
特にストーリーに関しては歯切れの悪さが強い。
映画化が決定しており続きはそちらでという感じなのだろうが、
それにしても歯切れが悪く、見終わった感じのモヤモヤ感が強い。
プリズマ☆イリヤは2期や3期を見越して・・・というような
ストーリー構成はあったものの、ここまでの歯切れの悪さはなかった。
終盤の作画の息切れからスケジュール的にもきつかったのかもしれない。
全10話から全12話構成になったのも響いたのだろう。
色々と残念な4期になってしまった。
個人的には1期や2期が好きなだけに期待感の大きいシリーズではあるが、
それだけに戦闘シーンの大味さや歯切れの悪さは残念だ。
映画は過去編らしく、劇場版にふさわしいクォリティになることを期待したい。
売上的には右肩だ。
1期は6500枚前後、2期は5500まい前後、
3期は4000枚前後と段々と下がっているが、
4期は3000枚以下とかなり厳しい。
劇場版でどれだけ巻き返し、5期につながるか。
好きな作品なだけにきちんと最終話までアニメで見たいが・・・
どうなることやら。
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