舞台は失われた10年の混乱から脱し、一部の富める者だけが我が世の春を謳歌する
“快楽都市”と化した東京。 雑賀辰巳は、友人戸越清冶郎からセ
レブリティーのみが出入りできるとされる闇の社交場六本木倶楽部の
潜入取材を依頼される。潜入に成功した雑賀は、六本木倶楽部の深
奥で行われる儀式の巫女、女神として崇められる謎の少女、天王洲神楽と出会う。
ようこそフェチズムの世界へ
本作品はGONZOがまだ元気だったことろに製作された作品
題目は「ハードコアエロスサスペンステレビアニメ」という
横文字がたくさん並んでいるアニメだ(笑)
基本的なストーリーは能力系アクションアニメ。
戦場から帰りフリーのカメラマンだった主人公、
そんな主人公が潜入取材で東京の地下にある秘密クラブへと潜入すると
そこはセレブが顔を隠し自らの快楽を開放していた。
そんな中で主人公は「女神」と呼ばれて崇められていた
という感じだろうか?
始まって早々、主人公がカメラで戦場を撮影しながら勃起する。(笑)
この一文で何かを感じたあなたは恐らくこのアニメにドハマリするだろう。
そう、このアニメは「変態」「性欲」「嗜好」「快楽」、
こんなキーワードでしか語り尽くせないほどの変態性がある。
変態性で戦うアニメ、それが「スピードグラファー」だ
あるものはラバーに異常なまでに執着し、ゴムのようにしなやかに戦う、
あるものはダイヤに執着し、ダイヤを喰らい自らをダイヤに。
欲望に忠実に、性欲に忠実に、快楽に忠実に。
嗜好と嗜好のぶつかりかいで本能を解放させる。
この性欲の開放こそがスピードグラファーの本質だ。
序盤のストーリーは徹底的に人を拒む。
主人公が撮影しながら勃起、少女の腕を折る、全身ラバーを着た変態、
地下の秘密クラブのエロシーンなど、かなり過激な描写が多い
更には2話でヒロインの母親によるヒロインの陰湿な虐待(苦笑)
徹底的に門を狭める。
徹底的に狭めた上でそこを通り抜けた猛者がスピードグラファーを楽しめる、
正直言って序盤のストーリー展開はテンポが遅く、
敵が襲ってきて撃退するパターンだ
1クールを過ぎたあたりでようやく、主人公が目覚めた能力の正体や
女神と崇められていた少女の出生が明らかになり、物語に面白みが出るが
それまではストーリーの面白みは薄い。
しかしながら、後半からのストーリー展開は素晴らしい。
敵だったはずの水天宮の復讐劇とそれに対する主人公の行動、
相いれぬ二人が決着を付け合う最終話は2クールの締めとしてふさわしく、
物語の結末もそれまでの変態性が嘘のように綺麗にまとめあげていた
作画に関して言えば全体的に不安定。
キャラクターデザインのせいか、表情はかなり崩れて描かれることもあり
「ダレ?」と思わずいってしまいそうなシーンも多い。
戦闘シーンに関しても、己の欲求に従って本能を開放して戦う様は面白いが
戦闘シーン自体の迫力があまりなく、展開が遅い。
せっかく主人公が「カメラ」で様々な性欲と戦うという設定が面白いのに
作画のレベルの低さがなんともB級クサさを醸しださせる。
エロシーンに関しても本作品は多い。
秘密クラブではSMシーンやあんあん!言ってるシーンも多く、
作画のレベルが高かったらやばいシーンも多い。
だからこそ敢えて作画のレベルが低かったのかとも感じたが、
それ以外のシーンでの作画も厳しいので恐らく予算の問題だったんだろう
だが、キャラクター自体はなんとも魅力的だ。
特に敵キャラクターはなんとも言えない魅力を出しており、
彼ら&彼女らが居なければこの作品は面白い作品にはならなかった。
全話通しての敵である水天宮、彼は金こそ全てという心情で生きており
タバコですら、一万円札で煙草の葉を紙巻にして吸っているくらいだ(笑)
そんな彼の幼少期や終盤での彼のキャラクターは憎いほどいい悪役だ。
全体的に見て、この作品は本質は面白い、だが色々足を引っ張っている部分がある。
作画、シーンのグロ&エロ、変態すぎる内容、序盤の繰り返し展開など
かなりの部分で足を引っ張っており、かなり人を選ぶ作品になっている。
だが、妙に惹かれる人は最後まで是非見ても損はない作品だ。
自らの性欲を武器とする能力アクション、政治や人の本質を描いているストーリー
きれいにまとめ上げた最終話。
一話を見て何感じるものがあれば最終話で見て損はないだろう
逆に一話を見て「うげ!」と感じてしまったのなら最後まで無理だ(苦笑)
個人的にはこの作品は好きな部類だ。
人に進められる系統ではないが、主人公の武器がカメラという点や
様々な人の性的嗜好、資本主義社会の闇などよく描けている部分が多い。
ぜひ、何年後かにリメイクして欲しい作品だ。
2時間半くらいの映画などでまとめれば、もしかしたら名作になるかもしれない。
逆にこの作品は実写化しても面白いかもしれない(笑)
実写化されたら私は絶対に見に行きたいw
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