五月雨荘に住む駆け出しの揉め事処理屋・紅真九郎の元へ、
恩人であり尊敬する大先輩・柔沢紅香が1人の少女を連れて来た。
世界屈指の大財閥の御令嬢、九鳳院紫の護衛を依頼したいと言う。
世間知らずだが好奇心旺盛な紫との共同生活に慣れた頃、彼女を狙う人物が
2人を襲う。依頼の裏に隠された彼女の真相を知ったとき、
真九郎が選んだ行動は……。
和を感じる非常に惜しいアニメ
基本的なストーリーは・・・サスペンスというジャンルに入るのだろうか?
とあるきっかえから揉め事処理をしている高校生「紅真九郎」、
彼のもとに憧れている揉め事処理屋から一人の少女をあずかってくれと頼まれる
紅真九郎と少女の奇妙な生活がスタートするところから物語が始まる。
始まって早々独特な世界観が繰り広げられる。
まるで着物のような色彩の使い方や雰囲気で和を感じる背景を描いており
一話の段階からこの「紅」という世界観に妙に惹かれる、
一話でここまで1つのアニメの世界観を印象づける演出は
1クールというアニメの尺を意識した素晴らしい一話だった。
高校生があずあった少女は格式ある家の生まれで世間を全く知らない。
この世間を知らない様子と7歳、更にはたどたどしい喋が
あいまって非常に可愛らしい・・・。
こんな子が欲しいと思わず思ってしまう危ない意識を芽生えさせるキャラクターだった。
ただ、キャラクターデザインにかんしては癖があり
萌え的な要素を期待するとがっくりしてしまうかもしれない
少女がお風呂を入るシーンなどもあるが、キャラデザのもあり
エロさは無い。そういう期待はしてはいけない(笑)
物語の前半は主人公と少女の変わった共同生活を描いており、
少女と主人公が本気で言い合いをするさまや、
二人が互いに影響され徐々に少しだが変わっていく様は見ていて微笑ましく
不器用な二人が魅力的に感じる。
また随所に幼女の幼いがゆえの仕草や表情が生きており、
純粋な子供の可愛らしさを描いている部分では、宮崎アニメのような空気を感じた
日常シーンが多いアニメだからこそ、細かい動きで
画面を飽きさせない工夫があったのは好感が持てた
其の二人以外にも個性あふれるキャラクターが周りを囲む。
特に同じアパートに住む住人は顕著だった。
漫才ともいえる掛け合いのしゃべりとセリフは爽快感があり、
安定した声優さんたちの演技もよく見ていて純粋に楽しい
しかし、物語の終盤から雲行きが怪しくなる。
それまでの細かい部分の描写不足や、積み重ねが足りなく
1クールという尺では描写しきれないであろう点がいくつもあった。
何故、幼女は軟禁状態にしないといけないかという明確な理由が若干ぼやかされており
主人公の右腕のアレなど色々と理解出来ないポイントも多い。
恐らくこのアニメのピークは9話の中盤まで。
少女が主人公を大切な人と認識し、キスをするシーンはこのアニメのピークだった
だからこそ、その後の強引な展開には納得できない。
全体的に雰囲気と世界観はよくできており、
そこに生きるキャラクターたちも魅力的だ。
だが1クールという尺がこの物語の面白さを感じきれない部分が多い
最終話も2期があれば違うのだろうが、綺麗に締め上げてしまっている感じで
結末がぼやけてしまっている。
1クールで制作してしまったゆえの物語の大きさとのギャップが、
最終話の最後のシーンを見ても「このアニメを見終わった」という実感を沸かせない。
始まりと流れは良かったのに終わりがぼやかされているのはズルイとしか言えない。
1クールでまとめているのに綺麗に消化しきれない感じが残ってしまった
しかしながら、この作品は面白い。
和テイスト・舞台劇・少女の日常、色々なポイントが重なりあい
アニメとしての面白みが詰め込まれているのだが、
1クールで納めてしまったのが最大の難点だ。
個人的には紫の可愛さでやばかった(笑)
あの親心をくすぐられるような仕草や行動はなんとも言えない。
2期が作られる可能性は低いと思うが・・・あれば見てみたい。
原作も読んでみたいと思います。
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