想定外のアクシデント、テラフォーマー達の猛攻を受けながらも何とか生き延びた燈達であったが、任務遂行の裏で人類同士の争いが勃発する…。
火星を舞台にした極限のサバイバル、その第2ラウンドが今始まる!
リベンジするのかと思ったら切腹してた
1期は2014年、2期は2016年という期間の空き方だが、
1期の評判が非常に悪く、そのせいか2期になって福田道生監督に変わり、
製作会社にTYOアニメーションズが加わった。
見だして感じるのは作画の質感が変わったことだろう。
この作品の象徴でもある「ゴキブリ」がテカッっとした感じになっており、
よりゴキブリ感が増している(笑)
1体1体の時の迫力は1期の時のほうがあったかもしれないが、
この「黒光り」した感じは大量に描写されることの多い2期では
より気持ち悪さを実感でき悪くない描写の仕方だ。
だが、その反面で妙に明るい。
1期はシリアスな描写が多く、キャラクターの過去回想でより
重苦しい雰囲気の中で淡々とストーリーが進んでいる印象が強く、
そんな中でのグロ描写や戦闘シーンの迫力、
雑な「●」を使った規制方法などいろいろな意味で強烈に印象に残った
しかし、そのシリアスな雰囲気が2期では薄い。
「吹き出し」でキャラやセリフが表示されたり、
SD絵でキャラクターが描かれたりと、
どうにも拍子抜けするほどの明るさを感じさせる演出が多い。
この作品は大量に存在する進化したゴキブリが住む火星に
少ない数の人間が乗り込むという状況だ。
それぞれのキャラがそれぞれの思いで「覚悟」を決めて乗り込んでいる。
だからこそ1期では重苦しく、緊迫感のある雰囲気が維持されていた。
しかし、2期ではそんな重苦しさが薄い。
1期が重すぎたという感じはあるかもしれないが、
2期ではその反動であまりにも明るすぎる印象が強い。
キャラクターデザインもどうにも1期のリアルよりに比べ、
2期はアニメアニメした感じが物凄く強く、
色合いも明るくなり過ぎている。
中途半端なセクシーシーンなどもはや意味不明だ
更に戦闘シーンの演出。こちらも妙に軽い。
えらく「ずこぉん!」「どこぉん!」と言った効果音を
大音量で攻撃が当たるたびに流れるのだが、その効果音でごまかしすぎている。
これがドラマCDならばこの音の演出は正解だと思うが、
アニメという媒体において攻撃の描写に対して壮大過ぎる効果音は、
ギャグにしか見えないほど違和感たっぷりだ
作画に関しても1期は規制方法に問題はあったものの、
迫力のあるグロ描写や、シリアスな雰囲気の中での表情の描写など
作品の「雰囲気」にあった作画だった。
しかし、2期では明らかに質が悪い。
前述した明るすぎる色合いも相まってキャラクターたちの表情の描写が甘く、
傷や血液の描写も甘い。
つい1分前までボコボコにされながら戦闘し勝利したあとなのに、
服や顔の汚れが「ちょっと塗った」程度しかない。
簡単にいえば作画が綺麗すぎるのだ。
これが萌アニメやラノベファンタジーアニメならば
綺麗な作画で質感も綺麗な感じでも問題はないだろう、
しかし、この作品はバトルアクションアニメだ。
綺麗すぎる作画ではなく1期のような「埃っぽい」作画のほうが
戦闘シーンの迫力や緊迫感が生まれやすい。
しかし、2期の綺麗すぎる作画では迫力が生まれず、
効果音でごまかした演出の弱さばかりが際立っている。
戦闘中に妙な間を開けて尺稼ぎしたり、挿入歌を流したりと、
本当に見れば見るほど萎えさせてくれる演出ばかりをしてくれる。
本気で制作側は面白いと思ってその演出をしているのか?と
疑いたくなるほどズレまくった演出の数々は
とてもじゃないがプロの仕事とは思えない。
本来は迫力のあるシーンのはずなのに、
本来は緊張感のあるシーンのはずなのに、
本来はもっとスピード感のある戦闘シーンのはずなのに、
原作で「面白い」と感じたシーンのすべてを劣化させるような、
まるで「ギャグアニメ」のような演出の数々は最悪だ。
ストーリー的には1期の続きだ。
しかし、1期以上にテンポが悪い。
メインのストーリーを放っておいて出会った頃の話や、
キャラの過去の話などをムダに長くテンポ悪く描いてしまうため、
1期以上にフラストレーションが溜まる。
さらに言えば2期は基本「人間同士の内輪もめ」であり、
1期以上に色々なキャラがいろいろな思惑で戦い、その分回想や説明も増える。
正直、主人公やメインキャラ以外の回想は心底どうでもよく、
ストーリー展開を遅くしているだけだ。
結局のところ俺たちの戦いはこれからだで終わっており、区切り方も悪すぎる。
2クールやって火星編を完結するところまで
行くようなストーリー構成にしてもよかったはずだ。
グダグダとテンポを悪く、前回まであらすじも子供向けのアニメの如く盛り込み、
中途半端すぎるところで終わる最悪なストーリー構成だ。
全体的に見てどこが「リベンジ」なのだろうか?
リベンジどころか一期の欠点とは違う欠点を新たに生んでおり、
一期で感じた面白さを全て無くしている。
これならば欠点はあったがまだネタ的にも終盤の面白さも
一期のほうが遥かにマシであり、一期で批判された部分を
悪い方向に直してしまったがゆえに、作品本来の面白さも失われている。
回想の多さは原作準拠なので仕方ない部分も大きいだろう。
しかし、それにしても致命的なまでのストーリー展開の遅さであり、
これで1期のようにネタ的に楽しめる部分があったり、
少なからずシリアスなストーリー展開だったり、
戦闘シーンで盛り上がれば見れたかもしれないが、
流石にグダグダすぎて純粋につまらない。
作画の予算も相当に削られたのだろう。
1期のような戦闘シーンの動きや演出は一切なく、
明らかに「手を抜いている」シーンも多い。
1期の最大の問題点であった雑な規制がないのは評価したいが、
その規制があったほうがマシと感じるレベルの戦闘シーンは
戦闘中心の作品においては致命的だ。
1期は高い評価はしていないが、終盤の展開や戦闘描写は悪くなかった
それだけに2期に期待している部分が多かっただけに、
1期よりも駄作になるとは予想外だった。
原作は原作で私も1期の後に読んだのだが、
最新刊は目も当てられないほどになっており、実写化は失敗。
3期があるのかどうかは分からないが、
少なくとも福田道生監督以外でお願いしたい。
1話から最終話まで見るのが本当に辛い作品だった・・・
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