ある日の夜、ブリブリ王国の首都ブーリーで、謎の組織・ホワイトスネーク団によってブリブリ王国の王子・スンノケシが王宮から連れ去られてしまった。すぐさま国王は王国親衛隊にさらわれた王子の救出を命じる。
事実は小説よりも奇なり(笑)
監督は前作と同じ「本郷みつる」
基本的にストーリーはコメデイ。
しんのすけは商店街の福引で「ブリブリ王国」への旅行券を当てる
ブリブリ王国では謎の組織が王子を誘拐する事件が起きていた
そんな中、野原一家は「ブリブリ王国」への飛行機へ乗り込む。
もうすぐブリブリ王国につくというところでしんのすけを誘拐しようとする
謎の白タイツ軍団が現れて・・・・
という所からストーリーは始まる
序盤からテンポが良い。
冒頭で「辺境の国の王子の誘拐」というシーンを描写し、そこからいつもの野原一家の日常を描く
冒頭の異国のシーンと日本の野原一家がこの先どのように絡むのかという期待感が序盤から生まれる
そしてジャングル。
序盤の山場ともいうべき野原一家がジャングルで遭難するシーンは
ジャングルという普段とは違う土地なのにいつもの野原一家なのだ(笑)
とうちゃんとかあちゃんが喧嘩したり、しんのすけが自由奔放に動きまわったり。
そうかと思えば歌い出す、ミュージカル調で突然歌い出すシーンは思わず笑いを誘う
そして猿。
猿としんのすけの絡みは不思議な雰囲気を生んでおり、
子供だからこそ猿と仲良くなり、バナナと一緒に食べたりチョコビを食べたりと
動物と子供の不思議な友情が描かれる。
そのシーンが終盤での伏線になっているのも好感が持てるポイントだろう。
そして後の映画シリーズにも受け継がれている「ヒロイン」と「芸能人」と「オカマ」
今作のヒロインの「ルル・ル・ルル」は正統派の大人の女性ヒロインで
前半はかっこいい女性として描かれるのだが、終盤では可愛らしいコスプレ姿になったりと
ギャップ萌えのような可愛らしさのあるヒロインだ。
後の映画作品に続く「映画オリジナルヒロイン」の最初のヒロインにふさわしいヒロインだ
芸能人に関しては今見るとかなり時代を感じる。
当時人気だったニュースステーションの「小宮悦子」が出ているが
後の作品に比べれば自然にストーリーに絡んでおり、きちんと冒頭に伏線もあり
さすが現在は81プロデュースに所属していいるだけあって
「小宮悦子」さん本人の演技も自然だ
しかしながら作品全体として、しんのすけの活躍が薄い。
もちろん随所随所で活躍はするのだが、
前作と比べると他の登場人物の行動に対して反応したりしているパターンが多く、
ストーリーの中心にしんのすけが居ない。
しんのすけの動きの面で作画が活かされることも薄く
他のキャラが戦ったり動きまわったりしているシーンが多い
ギャグに関してもいまいち貫いていない感じが強い
ひろしの靴下ネタなど後の作品に行かされるネタもありするのだが
それがクスッっとした笑いにはなっているが、爆笑とまではいかない。
ジャングルや遺跡など「インディ・ジョーンズ」を目指したというだけあるのだが、
肝心の遺跡の罠や謎解きなどのシーンがあっさりしてしまっており、
もっと謎解きや罠の部分に「しんのすけ」が絡んでいれば違ったかもしれないが
各シーンの印象が薄くなってしまっていた
全体的に見てシンプルで面白いストーリーではあるのだが、
主人公である「しんのすけ」の活躍が薄く、素直に面白いとは言い難い
面白いシーンも有るのだが、それが作品全体に活かしきれていなかった印象だ。
終盤もあっさりと終わってしまい、もう少し強いオチが欲しいと感じてしまった
ただこの作品は後の映画作品にも出てくる要所や声優さんが多い。
ヒロイン、芸能人、オカマ、ミュージカル、ひろいの靴下などのお約束はもちろん
しんのすけのあこがれのお姉さんである「ナナコお姉さん」を演ずる紗ゆりさんや、
しんのすけの妹である「ひまわり」を演ずるこおろぎさとみさん、
ブリブリざえもんを演ずる塩沢兼人さんなど
今見ると後のクレヨンしんちゃん映画を作る要素が色々と含まれている作品だ
まだまだ発展途上のクレヨンしんちゃん映画を垣間見る事のできる作品とも言えるかもしれない
決して面白くはないわけではないがパンチに欠ける作品だ
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