飽くなき戦闘の日々から精霊たちを救い出し、平穏な日々を送っていた五河士道。だが、霊波を発する未知なる球と謎の少女の出現により、士道の日常が破られる。
初めて喋ったけどお前のこと失いたくないぜ!うぉぉ!
監督は元永慶太郎、製作はプロダクションアイムズ。
なお、映画オリジナルのストーリーとなっている
見だして感じるのは作画の安定さだろう。
2期では極端に作画のレベルが下がっており、
本作の魅力の1つでもあるはずの女の子の可愛らしさが微妙だったが、
劇場版と銘打ってるだけあって、肌の質感もきっちりと感じられる
ぷにぷにっとした可愛らしい作画になっており、
動きの面では若干の固さはあるもののスクリーンで見ても遜色が無い作画だ。
2期ではキャラクターの増加により、一人一人のキャラ描写が減っていた。
しかし、劇場版では「スクリーンの大きさ」を意識し、
画面中で背景や細かい部分でキャラクターを何気なく描写し、
メインで描くキャラクターを中心に置いている。
キャラ描写の偏りをなるべく減らすように努力しつつ、
できるだけ自然に多くのキャラを画面に描いている。
はっきりいって、この作品はファン向けだ。
1時間10分の尺、更にほとんど劇中の世界観やあらすじの説明はない。
原作かアニメの1期と2期を見ていることは前提となっており、
全くデート・ア・ライブという作品を見ずに、
この作品だけ見ても面白さは伝わらないだろう。
そういった「割りきった」作り方をしているからこそ、
「デート・ア・ライブ」という作品を好きな人にとってはたまらないだろう。
各キャラクターのファンが存分にニヤニヤん出来るように、
デート・ア・ライブという作品を構成している「要素」が楽しめるように、
1時間という尺の中でそれを存分に詰め込んでおり、
ファンなら確実に楽しめる内容になっているのは好感が持てる
極端な話だが、1期や2期であまりおもしろくないと感じていた人でも、
1期や2期の欠点を、この劇場版ではうまくごまかしたり、
見せないようにしているため、非常に見やすい。
2期のテンポの悪さ、作画の不安定さ、
1期のテンポの速さ、ヒロインの使い捨て感、
そういった欠点をこの作品は感じさせない。
可愛らしいキャラクターと、その可愛らしいキャラを演じる声優さんの演技、
そういった「萌え」的要素を一人一人のキャラクターで味わえる。
各キャラクターの「デート」は一人あたり5~6分ほどでしかないが、
すっきりと可愛らしいシーンを楽しめるのはファンとしてはたまらないだろう。
しかしながら、劇場版オリジナルキャラの存在があまりにも薄い。
1時間という尺しか無いからこそ、ファンを楽しませるために、
新キャラの描写を犠牲にしたのはわかるが、
各キャラクターとの辛味も非常に薄く、主人公との絡みも薄い。
まともに喋るのも始まってから映画が40分ほどであり、
ぽっと出のキャラに感情を高ぶらせる主人公にも若干の違和感を感じ、
はっきりいってしまうと「戦闘シーンを作るためのキャラ」になってしまっている。
あくまでもファン向けと割りきった作りなため、仕方ないとも言えるのだが、
可愛らしいキャラなだけにもったいなさを感じてしまう。
全体的にファン向けと割り切れば完成度の高い作品だ。
デート・ア・ライブという作品を構成する要素を
1時間という尺の中に上手く詰め込んでおり、
デート・ア・ライブという作品が好きならば、間違いなく楽しめる。
欠点を言えば、あくまでファン向けと言うことだろう。
1時間という尺で割りきった作りになっており、
ファンだから楽しめる内容になっているが、ファンでないならば微妙だろう。
2期の作画の不安定さから、劇場版のクォリティも余り期待していなかったのだが、
良い意味で裏切られた作品だ。
興行収入や売り上げ次第で3期という感じかも知れないが、
上映館が少なく、微妙な感じの興行収入だったらしく、
なんとも言えない所だ。
BDの売上自体は8000枚前後とまあまあ好評だ。
デート・ア・ライブ全体通して2期は若干売り上げが下がったものの、
それでも6000枚前後と奮闘しており、
少なくとも固定ファンはこれくらいいる作品だ。
2013年から始まり、1年毎にアニメ化されている作品なだけに、
もしかしたら今年末くらいに3期があるかもしれない。
このクォリティでなら3期を期待したい所だ。
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