悩める人類を捗らせるために生まれたパーソナルエンタメAI “ハッカドール”
ポンコツだけどどこか憎めない彼女たちが体を張っていろんな人のお悩みを解決!
短編アニメだからこその濃厚パロディ、捗るわー
原作は配信中のニュース系スマホアプリ。
本作品はアプリ内に出て来るキャラクターを題材としたアニメ作品だ。
監督はげそいくお、製作はCreators in Pack。
いわゆる短編アニメであり、1話6~7分ほど。
見出して感じるのは意外とレベルの高い作画だ。
短編アニメの場合、質は良くても動かないか、質が悪くて動かない場合が多く、
見た目からは短編アニメとは思えないほどだ。
そのおかげで、すんなりと「ハッカドール」の世界観に入り込むことが出来る。
更な濃ゆすぎるネタな数々。
1話から腐女子ネタがきたかとおもえば、急に絵柄が80年台アニメになったり、
「ダチョウ倶楽部」の往年のお約束ネタを堂々と描いたりと
1話から非常に濃ゆすぎる内容をわずか6分ほどの尺の中に
これでもか!と詰め込んでいる。
そして、そんな濃ゆすぎるネタが毎回変わる。この作品は
「ちょっとポンコツなハッカドール達が人間たちを捗らせる」という
ストーリーが芯にある。
捗らせる人間は毎話変わるため状況がいくらでも作り出せる。
1話では腐女子ネタをやったかとおもえば、
2話ではアイドルネタと、なんでもありな状況だからこそ
毎回変わる雰囲気と毎回変わるネタの方向性が飽きさせない。
たった6分ほどの尺の中で、その話の状況を作り上げ、
ネタを詰め込み、オチを付ける。
ネタ部分に関してはギャグアニメであるがゆえに好みはあるだろう。
だが、毎話ネタの方向性が変わるからこそ、
好みに合わなくても次の話ではツボに入るネタが展開される場合も多く、
クスクスっと出来る話から、思わず爆笑できる話まで
幅広いネタを繰り広げている。
そして「パロディネタ」の数々。
はっきりいって全ての元ネタをきちんと理解できる人は少ないだろう(苦笑)
非常にわかりやすいパロディネタは露骨に、
細かすぎて伝わりにくいが分かる人には分かるパロディネタはさりげなく、
この2つのパロディネタを毎話毎話、詰め込んでいる。
6分尺でテンポが良いからこそ、ネタがわからない人にはさらっと流す事ができ、
分かる人には思わず笑ってしまう。
短編アニメだからこそ許される早いテンポだからこそ、
この濃ゆいパロディネタを引っかかる事なく取り入れることがでる。
ギャグアニメやギャグシーンでありがちな
「笑わせる」感じの強いギャグではなく、
この作品の場合はくやしいかな隙を突いたかのように思わず笑ってしまう。
例えばその時は笑えなくとも、そのシーンのパロディの元ネタを知った時だったり、
ただ単純にヒロインがキャラの名前を連呼しているだけだったり、
ネタの数々を「よろしければ笑ってください」という感じに配置している。
この作品はギャグアニメでありながら控えめだ。
キャラクターのテンションを強引に上げてゴリ押ししたり、
キャラクターの突飛な行動でギャグに仕上げていたり、
そういったギャグアニメにありがちな強引さがあまりない。
だからこそ、すっきりと見やすく、素直に笑えるギャグアニメに仕上がっている
キャラクターもメインのキャラを3人に絞り、
それぞれの掘り下げ回もきっちりと用意されている。
そのおかげで一人一人の印象がきっちりと付き、
印象が深まると面白さも極まる。
全体的に見て短編アニメの尺の短さの中で、
パロディネタや濃ゆすぎるネタを上手く使っている作品だ。
短編アニメだからこそのテンポ、短編アニメだからこその1話完結、
短編アニメだからこそのパロディネタ、短編アニメだからこそのキャラの少なさ。
そういった「短い尺」という欠点をうまく利点に変え、
ギャグアニメやパロディネタの欠点になる部分を、
1話6分という尺の中で利点に変えている。
惜しむべきは1クールで終わってしまうことだろう。
この作品はなんでもありな作品であり、原作もない。
それだけに1クールでなく2クール、3クール、4クールと
いくらでもやれる作品だ。
毎話安定した笑いを生み出していた作品なだけに
1クールで終わってしまうのが残念だ。
個人的に最終話が非常に意外だった。
この作品は前述したとおり、1話完結の作品であり、
人間のキャラクターは基本的に使い捨てだ。
しかし、最終話だけ「1話のキャラ」の再登場となっており、
ちょっと感動させるような展開にさせる。
最終話だからこその雰囲気かとおもいきや、
安定のパロディと「DB」もびっくりな戦闘シーンと荒唐無稽な展開は、
色々な意味でこの作品らしい最終話だったといえるだろう(笑)
欠点を言うなら、やはりパロディネタだろう。
確かに6分尺であるがゆえにわからないパロディネタでもさらっと流せるが、
やはり元ネタをわかっていないと笑いにつながらない部分がある。
これはこの作品の欠点というよりも、パロディネタそのものの欠点だが、
パロディネタが多い作品なだけに、パロディネタが嫌いな方には
微妙に感じるかもしれない。
売り上げ的には1000枚前後、
アプリの宣伝&短編アニメと考えれば、爆死とはいえないかもしれないが、
2期を期待できるかどうかは難しい所だろう。
アプリのダウンロード数などが伸びていれば2期を期待できるかもしれないが、
個人的には2期を期待したい所だ。
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