瀬戸内の竹原を主な舞台として、写真好きの女子高校生である 沢渡楓とその友達が、それぞれのまだおぼろげな「夢」を追いかける物語。 『ARIA』のスタッフが中心になって製作されている。 竹原の町並みや風景を作中で忠実に再現している
地域超絶密着癒しアニメ
2013年には2期も放映された
ストーリー的には癒し日常アニメ。
父親との思い出の地である「竹原市」に引っ越してきた少女、
そんな少女「ぽって」とその友達3人の温かなな日常を描く作品。
基本的にはOVAの話の続きではあるものの入り込みやすい世界観なので
OVAを見ていなくてもストーリー的に問題ないが
OVA見てからのほうがキャラへの感情移入を強めやすいだろう
特に一話のストーリーはOVAを見た後だと、きっちりと伏線を回収し
語られなかった主人公がカメラを再び持ったキッカケや
竹原の街へ行く事になったストーリーを繊細に描写し、
今後の期待感を強めるのには十分な出来栄えだった。
そして作画、実際にある竹原の街を舞台にしただけあって
背景がきっちりと描かれており、建物の印象や街の独特の雰囲気など
監督の佐藤順一さんのこだわりを感じるような出来栄えはOVAよりも強まっていた。
しかしながら、作画のレベルやキャラクターのデザインはOVAのほうが
さすがに作りこまれているので、OVAからみた人は若干の違和感を感じるかもしれない
作画の良さが目立つのは食事だろう。
お好み焼き、デザート、ホットケーキ、刺身などとにかく、本当に美味そう(笑)
匂いが伝わってきそうなほどおいしそうに描かれた食べ物は
アニメで描かれる食べ物が好きな方にはぜひ見ていただきたいシーンだ。
ストーリー的にも竹原の街にスポットを当てつつ、
そこに住む女子高生たちを暖かく柔らかく描いている。
これといって盛り上がりはない、本当に平坦な日常はたいしたことない話ではあるのだが、
その大したことのない話を竹原という舞台と、
監督の佐藤順一ならではの世界観で1つの作品を作り上げている。
しかし逆に言えばあまりにも日常すぎるという点だ。
このほんわか癒し系で起伏の少ないアニメは肩の力を抜いて楽しめるのだが、
逆に飽きてしまえば一瞬で熱が冷めやすい体質のアニメだ
登場人物たちも感情移入しやすいキャラではあるが、物凄い過去があったり
隠された秘密などがあるわけではない。
あくまで普通の女子高生で若干のアニメ的キャラ付けはされているものの個性的とは言い難い。
更に言えばOVAは1話15分だったが、テレビシリーズは1話30分だ。
OVAでは全4話ということで約1時間の中で癒しの雰囲気や竹原の街の雰囲気、
徐々に盛り上げていくストーリー展開などうまい構成が生かされていたのだが、
本作品は1クールということで逆に間延びしてしまい、
癒し系アニメにありがちなダレや飽きを感じやすくなってしまった。
特に話によっては、当たり外れが強く出てしまっているのも難点といえるだろう。
一話はOVAから見る人もTVから見る人にとってもあたり、
しかし2話目でなんだか躓き(地域密着強めすぎ)、
3話からは普通、7話あたりでだんだん飽きてきて・・・と、
人によって話の好みはあるだろうが、当たり外れが非常に強い。
更にテレビシリーズでより顕著になった地域密着。
近年、実際の街を舞台にしたアニメが多く、それに伴い経済効果があった。
個人的なことをいえば、この「アニメによる聖地巡礼での経済効果」は
いちアニメ好きとしては嬉しい限りなのだが・・・
本作品は押しが強い。
まるで観光ビデオのようにたけはらの街での祭りやイベントを取り入れ
「ファンは聖地巡礼に来い!」という制作のメッセージが痛々しいまでに
伝わってきてしまい正直萎えるポイントが多かった。
確かに雰囲気のいい街並みで竹を押し出したイベントなど面白くはあるのだが、
ここまで実際の街を持ち出されると、純粋にアニメを楽しむ前に
「聖地巡礼を狙った」アニメという印象が強くついてしまい
ストレートに楽しみづらい部分が多い。
更にはOVAから続いてみるとやはり飽きが生まれてしまう。
ほのぼの日常系で癒される雰囲気のあるアニメはまったり見る分にはいいのだが、
私のように翌週の話が待てないからと録画して一気に見るパターン、
もしくはDVDを全てレンタルして一気に見るような人の場合は
やはり一気に見る分、ダレや飽きを感じる部分が強い
逆に一週間に一度、ふわっと見る分には好印象を受けやすいだろう
声優さんは異常なまでに豪華だ。
竹達彩奈、阿澄佳奈、井口裕香、儀武ゆう子をメインとし
緒方恵美、斎藤千和、広橋涼などのベテランから中田譲治まで。
非常に豪華な声優陣がいる一方、主人公の弟を演じる方がダレ?と思う方など
謎な部分も多い。
全体的に見てOVAを超えることが出来なかった作品だ。
OVAは竹原市という地域や女子高生の日常という雰囲気が
全4話で1時間という枠でバランスよく描かれており、
この作品ならではの癒しを飽きることなく感じることが出来たのだが
テレビシリーズになって1話30分構成による1クールという尺が
やりすぎな地域密着を感じさせやすくなってしまい、
癒やし日常アニメにありがちな間延びやダレを感じやすくなった。
しかしながら、この優しい雰囲気と暖かな人物描写は貴重だ。
話によって当たり外れはあったものの純粋に「いい話だな~」と感じる話も多く、
この世界観にずっと浸っていたいような、ぬるま湯感覚の暖かさを感じることが出来た
OVAを見て気に入ったなら見て損はない作品だろう。
だが、OVAを見て退屈と感じてしまった方にはお勧めできない。
この手の癒しほんわか作品は好き嫌いが激しく出てしまうのが残念だが、
逆にツボに入ればがっつりとハマってしまう作品だ。
個人的に1番気になったのは「沼倉愛美」さんが演じるキャラだ。
あのキャラは必要だったのだろうか???
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