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「名探偵コナン 迷宮の十字路」レビュー

5.0
映画
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評価 ★★★☆☆(50点) 全107分

あらすじ 東京・大阪・京都で、合わせて5人の男が翁の能面を被った犯人に日本刀や弓矢で殺される事件が発生。引用- Wikipedia

俺は義経になりたかったんやぁ!

本作品は名探偵コナンの映画作品、コナンとしては7作品目の作品となる。
監督はこだま兼嗣、製作はトムス・エンタテインメント。

京都


画像引用元:名探偵コナン 迷宮の十字路  予告編より
(C)2003 青山剛昌/小学館・読売テレビ・
日本テレビ・小学館プロダクション・東宝・TMS

今作品の舞台は京都だ。
古美術品を狙う窃盗団「源氏蛍」のメンバーの5人が殺される中、
毛利小五郎は京都の寺から盗まれた仏像を探してほしいという依頼を解決するため、
コナンたちとともに京都に訪れるという所から物語が始まる。

必然的に西の高校生探偵である「服部平次」も登場する。
今作品はコナンと平次、のダブル主人公的な作品だ。

京都を舞台に起こる連続殺人事件、なぜ窃盗団が次々と殺されたのか?
毛利小五郎に依頼された仏像とは関連があるのか?と、
捜査する中で執拗に狙われる服部平次、
序盤から京都の雰囲気をしっかり感じさせつつミステリーとしての
面白さを感じさせる。

序盤は服部平次と京都を巡りながら事件の捜査をする。
京都の雰囲気や寺、舞妓さんなど非常に良く描けており、
舞台背景をしっかり取材して背景がしっかりと描き込まれている。
本作品の見所の1つとも言える京都の描写だ。

恋愛事情


画像引用元:名探偵コナン 迷宮の十字路  予告編より
(C)2003 青山剛昌/小学館・読売テレビ・
日本テレビ・小学館プロダクション・東宝・TMS

今作では犯人探しと同時に「服部平次の初恋」も描かれている。
幼い頃に1度見かけた着物を着た少女、京都に来るたびに彼は
その少女を探しており、そんな彼の長年の初恋を幼馴染である
「和葉」はやきもきしながら見ている。

彼の初恋の相手は誰なのか?というストーリーを描くことで、
メインキャラたちの恋愛事情も際立たせており、
「名探偵コナン」という作品のキャラが好きな人にはたまらない展開だ。

事件


画像引用元:名探偵コナン 迷宮の十字路  予告編より
(C)2003 青山剛昌/小学館・読売テレビ・
日本テレビ・小学館プロダクション・東宝・TMS

ただ事件自体はコナン達の前で起こるのは1つの殺人事件しかない。
物語の冒頭ですでに犯人は5人も殺しており、その後に殺すのは一人しか居ない。
事件のスケール感としては映画というよりはTVSPくらいのレベルだ。

コナン映画といえば西部警察もびっくりな爆弾を犯人が使いまくることが多いが、
今作の犯人はそういったド派手な爆発はない。
犯人が執拗に平次をねらうことでバイクによるアクションシーンや
刀によるアクションシーンなども描かれるものの、
映画としての派手さは物足りない部分が大きい。

だらだらーっと事件が描かれてしまい、あまりテンポが良いとは言えず、
「京都」という舞台の雰囲気はいいものの、
「映画」としての派手さがやや物足りない。

犯人


画像引用元:名探偵コナン 迷宮の十字路  予告編より
(C)2003 青山剛昌/小学館・読売テレビ・
日本テレビ・小学館プロダクション・東宝・TMS

この作品の最大の特徴が犯人だ(笑)
彼は盗賊団「源氏蛍」のメンバーであり、
そんな彼は「義経」が好きだったのに、「義経」は盗賊団のリーダーに取られ、
彼は「弁慶」という呼び名になった。

彼はコレが嫌で嫌で仕方なかったようだ。謎である(笑)
探偵が犯人を追い詰めてる中で
「義経になりたかったんや」とのたまう様は謎でしかない。

義経ラブな彼は義経の剣術を教える道場を守るために盗賊団の仲間を殺し、
お宝を独り占めしようとした。とんでもない義経オタクである(笑)
源義経も草葉の陰からドン引きするレベルのマニアっぷりだ。

シンプルに言えば「自分の道場を作るため」に金のために
殺人を犯していたというわかりやすい動機では有るものの、
「義経オタク」という彼のセリフのほうが印象に残りやすい。

まるで別人のように豹変する犯人のインパクトは凄まじいものの、
別人すぎる上に豹変する前の犯人の印象が薄いため、
下手したら「誰だっけ?」となってしまうほどだ。

忙しい


画像引用元:名探偵コナン 迷宮の十字路  予告編より
(C)2003 青山剛昌/小学館・読売テレビ・
日本テレビ・小学館プロダクション・東宝・TMS

終盤の平次とコナンは異様なまでに忙しい。
囚われた和葉を助けようとするのだが、平次は怪我により意識を失う。
平次の代わりにコナンは灰原に頼み、薬で一時的に元の姿に戻り平次に変装して
鞍馬山のお寺に囚われている和葉を助けに行くが、
薬のせいで体調不良になっており犯人たちに追い詰められる。

犯人の一人に刀で切りつけられるかと思いきや、
犯人たちの中に平次が紛れ込んでおり、平次が加勢し、
コナンは元の姿に戻るところを見られないために一時撤退。

めちゃくちゃまでの忙しさだ(笑)
平次に至っては一旦病院に運び込まれてるのにも関わらず、
先に和葉のもとに行っていたコナンに追いつき、
なおかつ犯人たちの中に紛れ込んでいる。

一体どういうスケジュールで行動していたのかタイムラインで見たいくらいの
メチャクチャな展開だ。
病院と和葉が囚われていたお寺までの道のりはどれくらいだったのだろうか。
物凄く気になってしまう。

「コナンを元の姿に戻し蘭と再会」という展開をやりたかったのは分かるものの、
やや強引すぎる展開であり、ツッコミどころが凄い。

総評:雰囲気はいい


画像引用元:名探偵コナン 迷宮の十字路  予告編より
(C)2003 青山剛昌/小学館・読売テレビ・
日本テレビ・小学館プロダクション・東宝・TMS

全体的に見て京都という舞台は生かせており、
犯人探しと謎解きで同時に描かれる服部平次の初恋ストーリーは面白いものの、
事件自体はわりとあっさりしており、アクションシーンも大胆なアクションは
多いもの、映画としての見栄えの有る派手さはやや薄い。

「義経になりたかったんや」という犯人のインパクトや京都という舞台、
平次と和葉、新一と蘭の恋愛ストーリーは面白いものの、
終盤になるにつれてやりたいシーンのために強引すぎる展開が目立っており、
ミステリーとしてはあまり面白いとは言えない。

平次の初恋の真相は予想できる部分はあるものの、
平次と和葉の絶対的な絆を描くストーリーとしては悪くなく、
もう少し「ミステリー」としての面白さが欲しかったところだ。

個人的な感想:やっぱスケボーやろ!?


画像引用元:名探偵コナン 迷宮の十字路  予告編より
(C)2003 青山剛昌/小学館・読売テレビ・
日本テレビ・小学館プロダクション・東宝・TMS

バイクアクションや剣戟など「爆破」や「スケボー」ではない
映画としての派手なシーンをやろうとしたのはわかるものの、
爆破やスケボーにはかなわないのが分かってしまう作品だ。

この作品でも京都の寺を次々と爆破するようなド派手さがあれば
もう少し印象は違ったかもしれない(笑)
印象に残るシーンは多いものの、作品全体としての印象が薄く、
決して駄作ではないものの、
名作というには2歩足りない物足りなさを感じる作品だ。

「名探偵コナン 迷宮の十字路」は面白い?つまらない?

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