軍の暗殺用アンドロイド2体が輸送機の墜落により逃走。特殊部隊により一体は捕獲され自爆するが、もう一体のM-66は市街に侵入。やがてM-66がテスト用にデータ入力されていた開発者の孫娘フェリスを狙っている事が判明する。事件を追っていた女性ジャーナリスト・シーベルは、成り行きからフェリスを庇ってM-66と対決する事になる。
アニメ版ターミネーター
本作品はアップルシード、攻殻機動隊などでお馴染みの
「士郎正宗」さん原作の漫画作品が初めてアニメ化された作品
士郎正宗さん自身も絵コンテや共同で監督を務めるなどしており、
士郎正宗ファンなら見逃せない作品だろう
基本的なストーリーはSF。
暗殺用のアンドロイドが2台、輸送機が落したため逃走した
軍はその2体を回収するために動くが何故か「ターゲット」が設定されており、
2体は任務遂行のために行動を開始していた。
そんなスクープの情報を聞きつけた主人公は現場に駆けつけるが、
彼女はアンドロイドがアンドロイドを作った教授の孫を狙っていることを知り・・・
という所からストーリーは始まる。
見だして感じるのは手描きアニメの良さだろう。
昨今のアニメでは味わえない「空気感」といえばわかりやすいのだろうか、
繊細な機械類の描写や人の動きなど手書きならではの空気感が出ており、
序盤の主人公が積み重なった本から紙を抜き取り物が落ちるという描写が
私は変に感動してしまうくらい動きという面では素晴らしかった
特に主役であるアンドロイド。
アンドロイドだからこそできる関節の動きを反映した体の動かし方と
戦闘の仕方は思わず画面に食いついてみてしまうほど見せ方が素晴らしく、
昨今の「早いだけの戦闘シーン」とは違い、きっちりと動きを見せつつ
素早い戦闘シーンを展開している。
しかしながらストーリー面がはっきり言って地味だ。
前述で書いたとおり「ターミネーター」のように強力なアンドロイドに狙われ、
そのアンドロイドから逃げるという展開なのだが、あくまでもそれだけで
狙われている理由も作った教授が「テストプログラムで孫娘ターゲットに入力した」という
すっとぼけた教授が原因でそれ以上でもそれ以下でもない。
アンドロイドから逃げるのは孫娘とスクープ狙いの主人公だが、
軍が積極的にフォローをしているため緊迫感に欠けるシーンが多く、
ターミネーターのように強すぎるアンドロイドから逃げる「恐怖」がない、
結末もあっさりしている・・・というよりも予想外のストーリー展開ではなく、
こんなかんじに終わるのかな?という予想通りに物語が終わってしまう。
キャクターに関しても50分という尺で深いキャラ描写をするのは難しく、
魅力にかけるとは言わないが描写不足で深みには欠ける。
アンドロイドは喋る機能は内容で無言で、あくまでも外見でのキャラ描写でしかない。
全体的に見てストーリーとキャラクターは普通なのだが、
その普通のストーリーと普通のキャラクターを50分という尺の中で
素晴らしいレベルの「作画」と「シーン」で画面に釘付けにされた作品だ。
流れるような戦闘シーン、見惚れるアンドロイドの動き、
恐らく当時見たら、もっと衝撃を受けただろうシーンの数々だ。
確かに今となっては作画のレベルにはかけるが、
手書きのセル画だからこそできるアニメの中でレベルの高いアクションシーンを展開し
50分という尺でストーリーやキャラの深みこそ欠けるものの、
きっちりとまとまった作品に仕上がっているのは評価したい。
士郎正宗さんの作品が好きならば見て損はない作品だろう。
士郎正宗ワールド全開のアニメをしっかりと味わうことが出来る。
リメイクの声も高いようなのでこの先もしかしたらリメイクされるかもしれない
期待しています。
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