映画

「名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌」レビュー

3.0
映画
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評価 ★★★☆☆(50点) 全112分

あらすじ る人物から調査依頼を受けた小五郎は、コナン・蘭・少年探偵団と共に、横浜に新しくできたテーマパーク「ミラクルランド」を訪れた。引用- Wikipedia

僕の好きな人が僕を裏切るわけがないぃ!

本作品は名探偵コナンの映画作品、
コナン映画としては10作品目の作品にあたり
10作品記念映画ということになっている。
監督は山本泰一郎、製作はトムス・エンタテインメントトムス・エンタテインメント

事件を捜査しないとどうなるかわかってるな!?


引用元:名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)より
(C)2006 青山剛昌/小学館・読売テレビ・日本テレビ・
小学館プロダクション・東宝・TMS

物語は「毛利小五郎」がとある依頼を受けるところから始まる。
だが、その依頼には裏があり、蘭や少年探偵団に腕時計型爆弾をしかけられてしまい
彼女たちは人質にされていることを知らないまま、
「毛利小五郎」と「コナン」は彼女たちを助けるために
犯人に言われるがまま過去に起こった事件の再捜査をすることになる。

緊張感があふれる状況だ。
事件を解決しなければ蘭達の爆弾は爆破されてしまうどころか、
時間までに解決しなくても爆破されてしまう。
映画の冒頭からメインキャラたちに明確な「命の危険」を示唆しており、
映画らしいシリアスかつ盛り上がる冒頭だ。

爆弾もブラフではないことをきちんと示しており、
だからこそ、きちんと緊張感が生まれる。

暗号


引用元:名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)より
(C)2006 青山剛昌/小学館・読売テレビ・日本テレビ・
小学館プロダクション・東宝・TMS

依頼者は探偵たちに「とある事件の真犯人」を見つけてほしいと依頼する。
探偵たちの知り合いや家族を人質に取るほど、
彼は必死に真犯人を見つけてほしいと思っている。ココまでは理解できる。

だが、彼はなぜか探偵に事件の詳細を伝えることはしない。
「暗号」を伝えることで、まずどんな事件かというのを
暗号が解かないとわからない。「推理力のチェック」であることは分かるのだが、
それにしてもあまりにもまどろっこしく、
最初だけ推理力チェックで暗号を出すなら分かるが、次々と謎解きゲームをさせる。

映画の尺稼ぎとしての暗号にしかなっていない。
普通に依頼人が知るすべての情報を与えた上で再捜査させればいいものの、
「暗号」という形で濁して伝えるのは正直理解不能だ。

オールスター


引用元:名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)より
(C)2006 青山剛昌/小学館・読売テレビ・日本テレビ・
小学館プロダクション・東宝・TMS

この作品は10作品記念の作品として
「オールスター」、つまり全レギュラーキャラクターを出そうとしている。
少年探偵団や服部平次、怪盗キッド、警察の面々と
全てのキャラを万遍なく活躍させようとしているのを感じる作品だ。

その一方で意味がわからないのが「白馬」の存在だ。
コナンファンでもない限り「誰?」と思ってしまうほどのキャラクターであり、
登場回数もすごく少ないキャラクターだ。
どちらかといえば「まじっく快斗」のキャラクターであり、
ファンとしては嬉しいかもしれないがやや微妙なキャラまで登場している。

ただ本当に細かく色々なキャラが出ており、台詞はないものの
「山村刑事」がモブ的にさらっと映っているシーンが有り、
ファンならば細かいところまで楽しめるシーン作りになっている。

灰原哀


引用元:名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)より
(C)2006 青山剛昌/小学館・読売テレビ・日本テレビ・
小学館プロダクション・東宝・TMS

今作の灰原哀は可愛い。
少年探偵団や蘭、和葉たちは自分たちに爆弾を仕掛けられたことを知らない。
だが、テーマパークの外にでてしまうと自動的に爆破する仕組みになっており、
それを防ぐために唯一、コナンから事実を聞いている灰原哀が奮闘する。
彼女の「演技」の可愛らしさは破壊的な魅力を生み出している。

その他のキャラクターも、そのキャラクターらしい台詞や台詞の掛け合いが有り、
コナンと言う作品のキャラクターに対する愛情を感じる作品だ。
だからこそ、コナンファンはこの作品をしっかりと楽しめる。

アクション


引用元:名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)より
(C)2006 青山剛昌/小学館・読売テレビ・日本テレビ・
小学館プロダクション・東宝・TMS

コナン映画と言えばアクションシーンだ。
荒唐無稽とも言えるとんでもないアクションを小学生の体の
「コナン」が繰り広げるのが毎回のお約束にもなっている。
そのお約束の1つがスケボーだ。

今回は謎のバイクに乗った奴らに銃撃される(笑)
明らかに子供のコナン相手にしつこく追いかけ回し、
町中であろうと銃を撃ちまくる犯人の凶暴さは凄まじいものの、
「逃亡シーン」のなかできちんと迫力のあるスケボーシーンを描いている。

ただ惜しむべきは物語の中盤でスケボーが壊れてしまい、
しかもコナンが怪我をしてしまうことで、それ以上のアクションシーンが
望めなくなってしまったのはやや残念なところだ。

事件


引用元:名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)より
(C)2006 青山剛昌/小学館・読売テレビ・日本テレビ・
小学館プロダクション・東宝・TMS

依頼人が調べてほしい事件は「強盗事件」と、
それに関連する「殺人事件」の真相だ。
警察の捜査はすでに終わっているものの、
その捜査は依頼人にとって納得行くものではなかった。
だからこそ、彼は探偵の親しい人を人質にとってまで探偵に調べさせている。

警察は犯人は「女」と断定しており、すでに犯人も分かっている。
事件の後、彼女は「自殺」しているものの死体は見つかっていない。
この時点で実は生きてる事はわかってるはずだ。
警察の捜査の段階で犯人も事件の真相も殆どわかっている。

だが依頼人としては納得がいかなかった。
謎の依頼人の正体は?事件の真相は?というのがこの作品における
ミステリー部分になっている。

真相


引用元:名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)より
(C)2006 青山剛昌/小学館・読売テレビ・日本テレビ・
小学館プロダクション・東宝・TMS

コナンと平次は依頼人に犯人を告げる。
だが、それは警察の捜査の結果と変わらない。
当然、依頼人は納得がいかない。
それは依頼人が真犯人に対して好意があったからこそだ。

自分を裏切るわけがない、
自分を殺そうとするわけがない、
自分をはめるわけがないという思い込みの結果だ。

本当にあまりにも迷惑な依頼人だ(苦笑)
事件そのものははっきり言って大したことがなく、
コナンじゃなくても分かってしまうほどのレベルだ。

ただ「警察の捜査どおりだった」というオチ自体は面白く、
本来はそこに真相がありそうな所を真相はないという
二重構造になっているミステリーは興味深いものがある。

ただ、「恋したがゆえに盲目」だったというだけではあるものの、
ストーリーとしては悪くない。

元太


引用元:名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)より
(C)2006 青山剛昌/小学館・読売テレビ・日本テレビ・
小学館プロダクション・東宝・TMS

この作品の最大の見所はラストのジェットコースターだろう。
無事、全ての出来事が解決し、爆弾も回収したはずなのだが
「1つ」だけ外し忘れてしまう。
ジェットコースターに拘束された中で爆弾が爆発するかもしれないという
緊迫感あふれる状況。

そんな状況で「最後の最後」で良い所を怪盗キッドが奪っていく。
オールスターらしいキャラクターの活躍のさせ方であり、
やや突っ込みどころはあるものの、コナンという作品が好きならば
最後の最後まで楽しめる作品に仕上がっている。

総評:コナンファンなら


引用元:名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)より
(C)2006 青山剛昌/小学館・読売テレビ・日本テレビ・
小学館プロダクション・東宝・TMS

全体的に見てコナンファンならば納得の出来栄えだろう。
メインキャラとサブキャラのそれぞれのストーリー軸の中で
それぞれのキャラ描写が光るストーリー展開になっており、
コナンファンならばしっかりと楽しめる作品だ。

ただ、その反面でコナンたちが操作していた事件はたいしたものではなく、
依頼人もやや小物過ぎるうえにまどろっこしい部分があり、
ミステリー部分の面白さがあまりないのは残念な所だ。
真相があるようで真相はないという二重構造は面白いものの、
やや肩透かしを食らった感があるのは否めない。

映画としてしっかりとしたアクションシーンが有り、
最後のジェットコースターのシーンはハラハラさせられるシーンだ。
お決まりである新一と蘭のラブストーリー的な要素は今回織り込まれておらず、
「らぁぁぁん!」という叫びが聞けない物足りなさだけはあるものの、
コナンという作品が好きならば楽しめる作品だ。

その反面、コナンという作品をあまり知らない人は
「オールスター」で多すぎるキャラクターを把握しきれない部分もあり、
一人ひとりの見せ場はあるものの、
キャラを活躍させるためのストーリー展開も目立っており、
コナンという作品のキャラに愛着がないと楽しみづらい部分もある。

あくまでコナンファン向けの作品であることは否めないものの、
「コナンオールスター」という制作の意図はしっかりと伝わる作品だ。

個人的な感想:意外と


引用元:名探偵コナン公式サイトより
(C)青山剛昌/小学館・読売テレビ TMS

見返してみると最初見たときよりも良い印象があった作品だった。
一人ひとりのキャラの見せ方も悪くなく、
最初見たときには気づかなかった「一瞬の山村刑事」を見つける面白さもある。

今からもし見る人は是非「山村刑事」を探してみてほしい。
言われないと気づきにくいだけに、ウォーリーをさがせ的な
面白さもある作品だ(笑)

今のコナンはキャラが増えすぎてることも有り、こういうオールスター的な
作品はできないんだろうなと感じると、13年前だからこそ出来た
あの時だからこそ出来た作品だとひしひしと感じる作品だ。

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