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評価/★☆☆☆☆(15点)


K vol.1 [Blu-ray]

制作/GoHands
監督/鈴木信吾
声優/浪川大輔,小野大輔,小松未可子ほか


あらすじ
現実とは微妙に異なった歴史を歩んだ現代日本。7人の王権者とその下に集ったクランたち。
第三王権者・赤の王周防尊が率いるチーム吠舞羅と、第四王権者・青の王宗像礼司が率いるセプター4がぶつかり合う。




抜刀、抜刀、抜刀、言わないと駄目なのか?


本作品は7人組の覆面作家集団「GoRA」原作によるオリジナルアニメーション企画
特に有名な監督や原作者が絡まないという珍しい作品だが
珍しいだけで内容は伴っていなかった

基本的なストーリーはアクション。
ごく普通の高校生である主人公、彼はある日、学園祭の買い出しのために外出すると
いきなり赤いオーラを放つ男たちに襲撃され、そうかと思えば刀を持った男に
命を狙われて・・・という所からストーリーは始まる。

見だして感じるのは「あ、BLアニメっぽい」という感覚だろう
女性が好きそうな全体的に青みがかった画面の効果演出や
男性のキャラクターデザイン、男性の顔やパーツの見せ方、
男性から見たら「かっこいい」と思わないが女性から見ると「かっこいい」という
制作スタッフの意図を見始めてすぐ感じる。

そして更に見ていくと感じるのは「うわ、厨二臭い」という感想だろう。
1話の序盤から専門用語のオンパレードとかっこつけた男性キャラたち、
そんな男性キャラが炎やら氷やらの特殊能力を放ち、
更に大きな剣が空中に現れるなど、清々しいほどの厨二設定全開だ
そんな設定とキャラを全速力で描写したと思ったら「学園モノ」になる
あまりにも序盤から詰め込み過ぎた設定をたたきつけられる

この作品は7人組の覆面作家集団「GoRA」というのが原作をやっているが、
レベルとしては中学生の「ライトノベル部」だ。

この作品独自の「設定」というのが無い。
すべての設定がどこかで見た設定の詰め合わせで
その設定を小難しい言葉で「K」独自の設定に見せかけようとしている
まるで中学生が「俺の書いたラノベはそこらのラノベとは違うぜ!」って馬鹿みたいに
凝ってるだけで、それが見ている側に一切伝わらず、
ただわかりにくいだけの設定になっている。

あざといシーンも多く女性の裸のシーンや、
ひ弱な感じの男性キャラを強くな男性キャラが抱き寄せたりと、
笑ってしまうくらいあざとい。
「こういうシーンを入れればお前らは萌えるんだろ?」と言わんばかりの内容だ

ストーリー自体も「誰が主人公なんだ?」と思わず感じてしまうほど
様々な視点で物語が描かれてしまい作品のおもしろみがぶれてしまっている。
この世界では「王」という特別な存在が何人か居て、
その王の下にそれぞれの部下がいて日本を支えているという感じなのだが、
序盤から終盤まで、とある王の配下を殺した犯人を探すというストーリーを軸に進む

その軸の中心にいるのは主人公だ。
彼は自分そっくりの犯人が王の配下を殺す映像を見せつけられるが記憶が無い、
いろいろな人に狙われるの中で自分の記憶が「曖昧」な事に気づき、
自分の存在が偽りの記憶で作られたものだったという展開は悪くはない。

だが、それだけの内容の中でほかの王の思惑や他の王の配下の過去話が描写され、
場面が二転三転するため、主軸である主人公の記憶喪失話に集中できず
せっかく主人公関連の話はサスペンスの如く先の気になる展開になっているのに
それを集中して見せてくれない。

ストーリー構成に問題があったとも言える。
前半で主人公関連の話を消化し、その後で他の王関連の話を展開すれば
もっとすっきりとこの世界に馴染めたはずだ。
あまりにも最初から多くの登場人物と設定を突っ込みすぎたため
世界観やキャラクターへの感情移入が分散してしまい面白みを感じるのに時間がかかる

さらに言えば設定のあやふやさ。
王の力は「なんかすごい力」になっているが結局は何なのか、
また何故、日本には王の力が全て集まっているのか。
それぞれの王の目的は何なのか。
いろいろな設定があやふやになってしまっており、ストーリーにしまりがない。

更に行ってしまえば、
王の存在は「大いなる力を持ち、この世の理を体現した存在。」らしいのだが、
やってることは日本で「俺の部下殺したな、殺した奴誰だ!」という
物凄い小さい世界でのストーリーだ。
余の理を体現したキャラでヤンキーアニメのようなストーリーを展開してしまっている

全体的に見て2期ありきのストーリー構成になっている。
最終話にて2期決定が発表されたが、正直言って最悪な分割2クールといえるだろう。
分割2クールならば、その前のクールが面白くなければならない。
だが、本作品は詰め込みすぎて喧嘩をしているありきたりな厨二設定と
女性が喜びそうなキャラクターと声優が女性が喜びそうなシーンを描写しているだけ
サービスや厨二設定が本筋のストーリーをひどく邪魔している

7人組の覆面作家集団「GoRA」の7人それぞれが喧嘩して作ったんじゃないのか?
と感じてしまうほどひどく設定がチグハグだ。
いくら作画やBGMや声優やキャラデザが良くても肝心の「ストーリー」が微妙ならば
その全ての良さを殺している。

作画はたしかに良かったが、中身が無い。
戦闘シーンは派手だが派手な演出をぶつけあってるだけで
戦闘シーンの面白みはない。

恐らくこの作品で1番言ってはいけないが「何をしたかったのかわからない」
という言葉だろう。
色々なアニメやラノベや漫画の設定を集めて本当に何がしたかったのだろうか。
設定だけそこにあるだけで活かしきれていない部分もかなりあった。

2期は夏以降だろうが、この物語はきちんとまとまるのだろうか(苦笑)
このノリで貫き通せばある種評価はできるのかもしれないが、
変に路線変更して「腕がぁぁ!僕の王の力がぁぁぁぁ!!」とか叫び出さないか不安だ

恐らく・・・という個人的な予想でしか無いが、
7人組の覆面作家集団「GoRA」は全て女性ではないだろうか?
男性が好きそうな猫の擬人化や、女性が好きそうなシーンやキャラクター、
起用されている声優陣など、男性的な部分が一切無く女性が描きやすい作品の内容だ

2期放映の後2期レビューする予定ではあるが、
もし大して内容が変わらない場合は2期と1期合わせてのレビューになるかもしれない。
この作品がどうなるのか「別の意味」で楽しみですw

「」は面白い?つまらない?

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