ヒマラヤ第三工業高校には「メガネ部」という部が存在する。部員全員が眼鏡を掛け、そこでは女性の裸を透視するために「非生命体透視メガネ(通称スケスケメガネ)」の開発が行われている。本作では不慮の爆発により部室もなくなってしまったそんな部員たちの日常が描かれる。
監督においてもアニメーション作品としても、まだ「その域に達していない」アニメ
いわゆる「聖地」による経済効果をはじめから狙ったオリジナルアニメだ。
「聖地になることが前提」のアニメで成功することはほぼない事をわからない人はまだ多いようだ。
さりげなく実際の地域をアニメの中に取り込んでいるからこそ「聖地」になるのであって、
作られた聖地は聖地ではないと感じるのは私だけだろうか。
更にそれだけでも「嫌悪感」をいだきやすいのに監督の名前で更に嫌悪感を抱く。
この作品の監督は「山本蒼美」さんという若手の女性アニメ監督だ
彼女が作った「この男子、宇宙人と戦えます。」という作品はBL臭だけならまだしも
癖の有り過ぎる演出やおいてけぼりりのストーリー展開など
自主制作やOVAならまだしも、はっきりいって「TVアニメの監督」としての力量はない。
「新海誠」「新房昭之」監督の影響を受けているのか、そうなりたいのかはわからないが
癖の強さが変な方向に行ってしまっており1つの作品として見難いアニメになっている
どちらかというと監督よりも演出家向きの方だろう。
見る前から2つも大きな気になるポイントが有る。
気になりはしたものの、実際見たらそんなに気にならないというのはアニメではよくあるが・・・
しかし、ある意味で期待通りの作品になってしまっていた
1話から本当に面白く無い。
見だして早々に「見づらい」と感じるほど派手すぎる色彩でスタートし、
キャラクターたちは「CG感」ばりばりの作画。
モブキャラに至っては手抜き満載のデザインになっており、動かし方も非常に雑だ
あまりにも派手な色を使いすぎていて目がおかしくなりそうだ
おそらく視聴者の目をおかしくさせて視力を落としメガネを買わせようとしているに違いない。
更にありとあらゆる要素が滑っている。わかりやすいのはギャグだろう
本来なら「笑える」はずのギャグシーンなのかもしれないが
演出がくどく、シャフト大好きです!と言わんばかりの癖があるだけでおもしろみのない演出の数々が
滑りっぱなしのギャグシーンになっている。
このアニメを見て「あぁ~シャフトってやっぱ凄いんだな」と自覚した
同じような演出でも使い方によってはここまでつまらなくできる。
ストーリーも非常にテンポが悪い。
1話で2話構成なのだが、それなのにテンポが悪い
面白みの欠片もない演出のせいで、ただでさえ薄いストーリーのテンポが崩れており
薄いストーリーの内容を演出で膨らませてグダグダとしたストーリー構成になってしまっている
これでテンポが良く、演出がもっと効果的ならば「笑える」「面白い」と感じられるかもしれないが
テンポの悪さは「ギャグの多い作品」において致命的だ
そして腐女子要素、基本的に女子キャラはおらず男性キャラのみだ。
メインのキャラの中には明らかに「同性愛者」がおり、腐女子向けの狙ったようなシーンが多い。
ただ私はそっち系のアンテナが無いため、
その要素が実際に腐女子のアンテナに触れるのかどうかは判断しかねるのだが
アンテナがなくても「狙いすぎてる上にキャラが薄っぺらい」と感じてしまうほどだ
特徴のないキャラクターたちは「記号的」なポイントでの魅力がなく、
記号的な男性キャラの狙ったBL要素で萌えられる方なら見れるかもしれない。
作画的にも本当に動かない。
「アニメーション」としての面白さを感じられるポイントが本当に少なく、
「手を抜いてます!予算少ないです!でも頑張ってます」と言いたいのかもしれないが
2話の冒頭でキャラクターたちのアルバムの写真を過去回想があるわけでもなく、
文字演出でひたすらに見せられるという何の面白みもないシーンを見せられる。
動かないのではなく「動かし方がわからない」のではないかと感じてしまうシーンもある
更にストーリーも謎だ。
メガネブということで想像できるストーリーは「メガネについてのアニメ」のはずだ。
登場キャラクター達も「メガネ部」に所属し、メガネ愛!などと叫んでいたりする
だが、眼鏡についてまじめに語るシーンがほとんどない。
例えば眼鏡のレンズだったらプラスチックやガラスの違いや形、
フレームだったらふち無しフチあり、アンダーリムやハーフリムなど語れるポイントは多くあるはずだ
しかし、そんな眼鏡について語ることは「予告シーン」以外ない
ただ「登場キャラがメガネを掛けて」ただ「メガネ愛!」と叫んでいるだけだ
登場キャラのメガネに対するこだわりが表面的なものしか見えてこず、
鯖江市が制作協力したわりにはあまりにもメガネアニメとしての内容が上辺だけだ。
それこそ女性キャラの一人でも登場させて
メインキャラ達の眼鏡について熱く語らせるような要素があれば眼鏡アニメとして成り立ちそうだ。
別アニメになるが「Free!」という作品では女性キャラが登場人物の筋肉について語るという
そのシーンがギャグにもなっており、男性にも女性にも通じる要素を入れてきていた
そういったキャラが一人でも入れば作品全体の印象が変わったかもしれない
彼らはひたすら服が透ける「スケスケメガネ」を作るために奮闘しており、
その過程で幽霊が見えるメガネが出来たりすることもあるが
基本的にはキャラクターたちがギャグをいったり荒唐無稽な行動や言動をしたり
キャラの掛け合いだったりだ
これでテンポや演出が良ければ「見れる」話もあったと思うが、グダグダで締まりのない話ばかりだ。
話の内容も当たりの時は見れる話もあるのだが(個人的には眼鏡セレブの話は好きだ)
ハズレの時の話はひたすら苦行だ。
それだけならまだしも「不愉快」になる展開も多い。
特にメガネ部の仮部員である「隼人」は伊達メガネであるがゆえに人間扱いされない
踏まれたり、パシらされたり、放置されたり、
いわゆる「いじられキャラ」にしたいのは分かるが同じようないじり方から
度を超えたいじり方ばかりで不愉快になるシーンが多い。
ただ最終話は色々と悪い部分が隠されて、この作品のやりたい方向が見えた内容だった。
バカバカしいが「めがね部」らしい青春模様は最終話にしてようやく面白さを感じられた
しかし、遅い、遅すぎる。
それまでの伏線やメガネ部の集大成を見せてくれたのはいいのだが、今更感が強い。
1話から11話までつまらなく、12話でようやく少し面白い。
しかし、それでも違和感がある。
ネタバレになるがおそらく「主人公の弟が目が不自由」という設定があるのにもかかわらず
主人公の前で「隼人」がしょっちゅう目潰しされているのはちょっと作品内での矛盾を感じた
いくら目潰ししているのが他の部員だからといって、本来なら不謹慎なはずだ。
11話までの話がもう少しまともならば最終話ももう少し感動できたかもしれないが、
後半になるにつれてパロディ要素も目立ち粗が目立ってしまっていた
作品全体のトータルとしての完成度が低すぎてしまった。
全体的に見て別の監督だったら面白くなったかもしれない作品だっただろう。
ストーリー自体やギャグ自体はそこまで悪くはない、
バカバカしい高校生のアニメと考えればバカバカしい内容ではあるものの
最終話で謎の感動や伏線を活かしたストーリーは面白くなりそうポイントが多くある。
だが、その面白くなりそうな部分を「アニメ」の要素が邪魔をする。
動かない作画、キツすぎる色彩、癖がある演出、グダグダのストーリー構成など
根本にあるストーリーやギャグ自体は悪くないと思うのだが
様々な要素が根本にあるストーリーを薄くグダグダで面白みにかける内容にしあげてしまっている。
簡単に言ってしまえば「見せ方が悪い」アニメだ
おそらくドラマCDでやったほうが面白い
動かないアニメーションを見ていてもつまらない
癖のある演出がなく、声だけのほうがテンポもよくストーリーを楽しめるだろう
1シーン1シーンのシーンとしての面白さが弱く、アニメーションとしての完成度が低い
。 突き抜けた面白さが無いため、バカバカしさがいつまでたっても煮え切らない作品だった。
もっとテンポよく突き抜けたバカバカしさがあれば・・・という印象が最後までつきまとった
売り上げ的には爆死で2期は無いと思われる。
コレは余談になるが、いくつかの感想サイトを見てる中で
「普通に面白い作品であれば自然と腐る」という腐女子さんの意見に私は感銘を受けた(笑)
たまに腐女子向けが含まれる作品で判断に迷うシーンがあるが、
この意見は今後の作品評価の参考にさせていただきます
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