評価/★★☆☆☆(25点)
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あらすじ
イノベイドの力による支配で地球人類を導こうとしたリボンズ・アルマークと
ソレスタルビーイング(CB)の死闘は、真のイノベイターとして覚醒を遂げ、
人間同士の相互理解への道を示した刹那・F・セイエイの勝利によって幕を閉じた。
情報操作によって悪行を隠蔽し続けていた、独立治安維持部隊アロウズは解体され、
世界は再編成された地球連邦平和維持軍(連邦軍)の下で、
ようやく真の平和へ向けて歩み始めたのだった。
俺が金属だ!
ガンダム00の劇場版。
TVシリーズを見ていないと確実についていけないので
TVシリーズの閲覧は前もって済ませておくことをおすすめする。
本編は盛り上がりに圧倒的にかけるオープニング曲が流れる中、始まる
正直あのオープニング曲は選曲ミスじゃないか?(苦笑)
ただオープニング後に劇中劇(TVシリーズの内容が美化され映画化されている)で
始まったのはある意味面白かった。
ストーリー的にはガンダム・・・というよりはSFに近いものがある。
木星から来た探査船が地球に落下する可能性があり、それを破壊。
しかしながらその破片は地球の大気圏では燃え尽きず、落下した。
その破片はELSとよばれる一種の異星生命体であった。
という感じだ。
おそらくガンダム初のガンダムVS宇宙人の対決だ。
これをガンダムでやることの理由が一切わからなく、
ガンダム好きな人は「ガンダムと宇宙人!?」と嫌悪してしまうことだろう。
どちらかといえば、ガオガイガーやグレンラガン的なストーリーと言えるだろう
ただその点を飲み込むことが出来ればSF的トーリーは楽しめる
TVアニメで残していた大きな伏線の「未知との対話」、
その未知との対話のために脳量子波と呼ばれる超能力的なものを使えるようになる
人類の変革であるイノベーダーという人類の進化、
この点はTVアニメシリーズからようやく劇場版で回収された伏線であり
この回収された伏線を軸に話は進んでいく
序盤のこの異性体であるELSが人間に襲いかかかり金属へと変えていくさまは
ある種、SFホラー映画のような見ている人の不安や恐怖を煽るようなストーリー展開は
本当にガンダムらしくないが「この先どうなるんだ!?」という期待感が生まれる
ただ「あれ?武力による紛争根絶どこ行った?」という違和感も生まれた
しかしながら序盤のSFホラーはアクションが素晴らしい。
特にTVアニメシリーズでは終盤若干空気だったアレルヤの
超兵らしい動きは作画の良さも手伝ってみていて爽快なシーンだった。
あのような活躍がTVシリーズでも見たかったところだ(苦笑)
肝心の戦闘シーンだが確かに作画のレベルは高く、アクションシーンもよく動く。
だが動かしすぎている。
これはマクロスFの劇場版でも記述したことだが、
高い作画レベルで高速で動くことが戦闘シーンの醍醐味ではなく、
戦闘アクションをどう魅せることが大事なのだ。
本作はその点においては最悪。
敵であるELSが槍型金属みたいな形式をとっており、それが大量に向かってくる感じ。
大量にまっすぐ向かってくるのを、高い作画レベルで早く動きながら
ただ打っているだでそこに戦闘の面白みは一切無い。
あえてたとえるなら大量の流しそうめんを食べさせられているような感覚をだった
終盤はELSがMSに変貌するが、味方陣営とうり二つで
高速戦闘を行うため「え?どっちがどっち?」と分かりづらい。
少なくとも戦闘シーンは評価のレベルにはいたらない、作画としての評価になってしまった
これで板野サーカスのようなミサイル弾道があれば、もう少し楽しめたかもしれないが・・
更には主人公である刹那が今回新ガンダムに搭乗する。
このガンダムはELSとの対話のためのガンダムであり
戦うためのガンダムではないためほっとんど戦わない(苦笑)
しかも、本当に最後の10分くらいで出てきて戦闘もしないという
何とも微妙なガンダムだ。
ストーリーとしても最後に対話のガンダムに乗った主人公が
ELSの本丸につっこみ対話を開始する。
そして対話のシーンの後ELSがでっかい花になって戦闘終了・・・うん(苦笑)
もうこの時点で頭にあるのはマクロスF。
あれは歌を使って異性体であるバジュラと対話したという感じの話だが、
このダブル00劇場版は異性体であるELSとイノベーダーの脳量子波による思考共有に
置き換わってるだけに過ぎない。
結局最終的に何がしたかったのだろう。
対話すれば争いは収まるよ!というのがテーマだったのかもしれないが、
その確信を突き進めるにはその割には脚本が弱すぎる。
そしてエンドロールの後に現れるメタル刹那さん(笑)
あれはもうたしかに賛否両論になるのが分かるくらい、どう受け止めていいかわからない。
気になる方はぜひDVDをといいたいところだ(苦笑)
全体的に相変わらずキャラの使い方がへただ。
今回新キャラとしてイノベーダーパイロットと前回死んだニーナに似た人物が出てくるが
イノベーダーパイロットは思わせぶりな言動が多かったのにすぐ死に、
ニーナに似た人物はなにかあるのか!?と思ったら結局ただの似ている人。
(DNAを提供した人物の祖先という設定情報をネットで見つけました)
既存のキャラも相変わらず持て余している
特にマリナ姫は相変わらず登場しなくていい場つなぎなシーンでしか活躍がなく、
TVシリーズでは00ライザーに載っていた沙慈やルイスの扱いも雑、
確かにTVシリーズから登場していたキャラで活躍していたものもいるが
完璧に主役を食ってしまっていた。
主人公である刹那が対話のために戦わないというのはわかるが、
あまりにも活躍が平和すぎて刺激にかけてしまった。
個人的には覚醒しだした一部のイノベーダーがELSを利用し支配ようとし、
それを止める刹那たちという展開でも納得できたはず、
戦闘シーンももっと加熱しもっと面白いものがえがけただろう。
ELSとの対話のシーンもなんか訳のわからないままに終わってしまった感じが
強く残ってしまった
結果としてたしかに見やすい作品ではあったが、決して面白い作品ではない。
TVシリーズを見て好きになった人は楽しめる作品になっているだろうが
TVシリーズの時点で文句が出てしまった人は楽しめない作品だろう。
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なぜELSと対話できることが、人間の社会にフィードバックできるのか。この辺りの説得力も非常に薄かったですね。
結局、刹那がいたから対話できたというだけで、人類としては別に対話せずとも
「退治」できればそれでよかったんじゃないのか……? そういう違和感が拭えません。
人間はイノベイターにもなれないし、他の誰か(=刹那)にもなれない。
だからこそ、ELSと分かり合うという事に刹那だけじゃなく、人類全体の問題として
もっと意味を持たせて欲しかった。そうじゃないと、刹那がただのデウス・エクス・マキナでしかないじゃないですか。
例えばデカルトの立場……分かり合う側にも寄れず、人間にも戻れはしない……を
活かして話作りをしていれば、説得力のあるストーリーが出来たと思うんですがね……。