評価/★☆☆☆☆(15点)
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あらすじ
近未来、ヒトはヒトと端末(モニタ)によって繋がっていた。
管理社会に統制された都市に住む住民達は、常に現在地情報が監視された状態であり、
物理接触(リアルコミュニケーション)が希薄になっていた。
ルーガルー、ルー大柴とは関係なし
原作は京極夏彦によるSF小説、2001年に発売され
本作品はプロダクション I.Gにより2010年に公開されたアニメ映画作品だ
基本的なストーリーは近未来SFになっており、
監視された社会を基本にストーリーを描いている。
序盤は監視された近未来を忠実に描いている
モニター越しのコミュニケーション、モニター越しの授業が中心で
人は物理的な接触が少なくなっており、
キャラクターたちもどこか「無表情」かつクールだ
そんな世界観の中、登場人物たちは小さな関わり合いから
徐々に大きな関わり合いになっていく。
監視された社会に嫌気が指している少女、余計な物を嫌う少女、
人と関わるのが苦手な少女、戸籍を持たない少女と
独特かつ、どこか壁をつくっている登場人物達がストーリーを紡いでいる
さらには同時に、残酷な殺人事件も起きる
監視された社会での殺人、しかも登場人物の同級生たちが次々に殺され
犯人が誰かもわからない。
そんな恐怖の中で、少女たちはどこか一歩引いた状態で物事を見る
終盤、友人たちが殺され自らの命も狙われる登場人物たち
この展開は「この先どうなるんだ?」という期待感を煽り、
終盤の展開への期待感が強まった。
しかしながら、終盤。
原作のいろいろな部分を端折っているせいか物語に違和感を感じてしまった、
そもそも「ルーガルー」がなんなのかもいまいちわからず、
いろいろな設定や伏線が中途半端すぎて、一切すっきりきりしない。
更には、世界の仕組みをぶち壊すようなシーンが終盤に流れるが
「劇中歌」が流れており、登場人物たちがいろいろなものを壊すシーンが流れるのみ、
結局、ネット上に絵を上げる行為やルーガルーが全て投げた感が否めない
この作品のテーマは面白い、端末越しのコミュニケーションはネット社会になっている
現在において、そこにおける危険性を想像の世界で描いている。
原作は非常に面白そうなのだが、アニメ映画になったことで1時間半の尺に縛られ
いろいろな部分が端折られ設定や伏線がおいてけぼりになった感じが強い。
さらにはエピローグでは、管理社会が壊れた日常が描かれているが
描き方が中途半端で大きく変わったはずなのに、少ししか変わっていないような印象しか受けない
序盤の「バンド&踊り」のような要素も終盤でもっと生かされるのかと思ったら
たいして生かされず・・・EDでみんなが、バンド&踊りをする様子を流すでもよかったのでは?
全体的に序盤から中盤は面白い作品だ。
これは原作の面白さや原作が創り上げた世界観の素晴らしさを感じ取れるが、
結果的には1時間半の尺には収まりきらない原作を一時間半に圧縮してしまったことにより
面白さも圧縮されてしまったような作品だ。
個人的にはあまりおすすめしない、
序盤こそ楽しめたが話が進めば進むほどつまらなくなっていく作品は
制作側の意気込みはどんどんと抜けていく様子が垣間見えるようで
若干ながら寂しくなってしまうのは私だけだろうか・・・(苦笑)
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