これぞ幻のアンツィオ戦、ぜひ劇場スクリーンで味わってほしい!
OVA発売前に劇場公開もされている。
基本的なストーリーはテレビ本編「7話」のCパートであっさりと負けてしまい
試合模様も殆ど描かれなかった「アンツィオ高校」との試合を描く。
ノリと勢いだけと言われた「アンツィオ高校」、
彼女たちは次の対戦相手である「大洗女子学園」との対戦を前に秘密兵器を手に入れていた
というところからストーリーが始まる
見だして感じるのは相変わらずの「ガールズ&パンツァー」の世界観と空気感だろう
戦車を題材にしておきながら、女子達が操縦し試合を行い
戦車道という「女子の嗜み」になっている世界観は久しぶりに見ても面白いと感じる世界観だ。
そして今作では7話で描かれなかった「アンツィオ高校」にスポットを当てつつ、
カットされてしまった「アンツィオ戦」を描写している
冒頭から「アンツィオ高校」を生徒たちの「可愛らしさ」にやられる。
彼女たちの勢いとノリだけと言われる強さを体現したようなキャラクターの
バカ可愛さとも言える可愛らしさにすっかりやられてしまう。
そんなアンツィオ高校に「秋山殿」が情報入手のために潜入したことで、
更に彼女たちのバカ可愛らしさが際立ち、
わずか40分という短い尺の中でしっかりと「アンツィオ高校」のキャラクターが立っている。
そんなアンツィオ高校の面々に対立するように「大洗女子」のキャラクターも際立つ。
特に歴女チームやバレーボール部など、「あんこうチーム」よりもしっかりと描かれており
OVAらしいサブキャラクターにスポットを当てているシーンが目立つ。
テレビ本編ではやや掘り下げ不足だったキャラクターを
掘り下げ、補完するような内容になっているのは好感が持てる。
そして極めつけは「戦車」の描写だろう。
テレビ本編でもクォリティの高かった試合模様だが、
劇場スクリーンで見るとその迫力は段違いだ
OVAでありながら試合模様は模擬戦を含め「2戦」描かれており、
2戦とも素晴らしいまでの完成度だ
もはやOVAという媒体では収まりきらない。「劇場スクリーン」で見るために作られたかのような
圧倒的な戦車の「迫力」「リアリズム」は
本作品の試合シーンが好きだった方にはたまらないはずだ
模擬戦ではじっくりと「作戦」を立てて練習する様を丁寧に丁寧に描いており、
少し丁寧に描きすぎたため一瞬「あれ?またアンツィオ高校戦カットとかないよね?」という
不安がよぎったが、そんなことはなかった(笑)
アンツィオ戦の描写はOVAではない、まさに「劇場作品」だ。
底の浅い作戦をアンツィオ高校が展開する中で、小さな戦車がスクリーン狭しと動きまわり
アンツィオ高校の「決して弱くはない」力強さを感じさせる試合運び、
小さな戦車に対向するために走り回る「大洗女子」の戦車、
動く度に立ち上る砂埃、キャタピラに轢かれる砂利の音、銃撃の音、砲撃の音、
戦車と戦車の試合が劇場の「音響」により大迫力で響き渡る。
これは普通の家のテレビでは味わえない音の圧、体中に響く戦車の音は心地よささえ感じさせる
特に車体同士がぶつかり合う金属音はたまらない。
戦車と戦車の肉弾戦ともいうべき「ぶつかり合い」と砲撃音、
一人称視点にカメラを切り替えてより臨場感を出すカメラワーク、
「臨場感」という言葉はこのシーンのためにあると感じさせるほど
1シーン1シーンの試合模様の迫力と臨場感が見ている側の気持ちを高ぶらせ、
「劇場で見てよかった」と感じるはずだ。
私は個人的にテレビ本編の最終話の試合ももちろん好きなのだが、
この「アンツィオ戦」のゴチャゴチャ感と「アンツィオ高校」のキャラクターの
馬鹿馬鹿しい可愛らしさから生まれる試合運びと結末にすっかりやられてしまった。
テレビ本編の最終話が「1VS1」の純粋な戦車同士の戦いの面白さを表してるとすれば、
アンツィオ戦は「集団戦」の面白さを表しているといってもいい。
エンドロールで「絵コンテ・カトキハジメ」の文字を見つけた時に物凄い納得してしまった。
1シーン1シーンの力強さは彼の絵コンテによるものも大きいのだろう。
カトキハジメの描く「戦車」の圧というのも劇場スクリーンで
しっかりと感じることが出来るはずだ
劇場スクリーンで見ても遜色のない「OVA」というのは本当に珍しく、
BD・DVDではなく、この作品はぜひ「スクリーン」で味わってほしい。
全体的に見てストーリー自体はファン向けであることは否めない。
始まる前に世界観の説明やキャラクターの説明などは一切なくいきなり始まるため、
「ガールパンツァー」本編を見ていない方には厳しい。
だが、試合シーンに限っていえば「劇場スクリーン」で見るために存在するかのような
大迫力の音響を響かせながら、ハイスピードで展開する迫力の試合だ。
これはぜひ普通の家庭にあるテレビではなく、スクリーンで味わってほしいと感じるほど
スクリーンで見る価値のあるシーンだ。
上映が始まって15分ほどは「あ~、これ家で見ても良かったかな~」と思うほど
OVAらしいファン向けキャラストーリーなのだが、15分を過ぎた後の
模擬戦からのアンツィオ戦の流れは「劇場で見てよかった・・・」と感じさせるほど
素晴らしい完成度だった。
テレビ本編では活躍の少なかった歴女チームやアヒルさんチームの活躍も描いており、
このOVAが本来はTVアニメの「8話」に相当する内容だったことを感じさせる内容だ。
本来ガールパンツァーは全12話ではなく、もう1話。
このOVAの話があって初めて完成する作品だったのではと感じさせるほど
完成度が高く、見終わった後に「満足感」を感じさせる作品だった。
更に言えばアンツィオ高校らしい「オチ」も最後の最後まで楽しませようという
製作陣のこの作品に対する「愛情」を感じさせてくれた。
OVAでもあり、ストーリーが本編を見ていることが前提なため
高い評価がしにくいのは残念だが、
「ガールズ&パンツァー」という作品を好きな方はぜひスクリーンで見てほしい作品だ。
家庭の24インや50インチでは「劇場スクリーン」の迫力と音響にはかなわないはずだ。
通常の映画料金よりも安くなっているので気になる方はお早めに。
個人的にこの作品を見て、「劇場版ガールズ&パンツァー 」への期待感が物凄く上がってしまった。
OVAとは違い最初から劇場スクリーンを意識して、劇場アニメとして作るシーンが
どんな迫力を、どんな試合を見せてくれるのか楽しみで仕方がない。
今年公開予定とのことだが・・・水島監督は間に合わせることができるのだろうか(笑)
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ドーモりゅうさん、いつも楽しく拝見しております
映画館でこそ!
というりゅうさんのお言葉に限りなく共感しているガルパンおじさんです
が、映画館にはさらに「上」があると、私は本作で思い知ったものです
音の迫力、立川爆音上映や川崎チネチッタライブザウンド
高画質大スクリーンならIMAXやウルティマ
さらに本作のために開発されたのではとすら思わせる、映画をライドアクションにする4DXやMX4D
ガルパンは聖地巡礼やオーケストラ、どぶ汁など私にたくさんの素晴らしいものを教えてくれた作品です
最終章二話も私には最高な出来栄えでした
いつかりゅうさんのレビューを楽しませてもらい、また劇場であの歌謡突撃を味わうのを楽しみにしています!