短編アニメなのに劇場アニメ作品?
TVアニメ自体は5分枠の短編アニメで全15話制作された
基本的なストーリーは日常ファンタジー。
主人公である姫路若葉は幽霊の見える小学生だった
そのせいか学校では馴染めずに一人で学校生活を送っていた
そんな彼女の前に「ピンク色の生物」があらわれた・・・というところからストーリーが始まる
見だして感じるのは5分アニメらしくない雰囲気だろう。
1クールの30分アニメのようなしっかりとした作画と
日曜の夕方や朝に放映していてもおかしくないようなキャラクターデザイン、
そして極めつけの「ほっこりとしたストーリー」が
5分アニメらしくない雰囲気を生んでいる
最初は少し暗く、重い雰囲気の中で「いじめ」とまではいかないものの人から
避けられてる主人公の日常が「ぽーちゃん」に出会ったことで少しずつ変化していく。
友だちができたり、幽霊を退治したりと
5分という尺の中で起承転結のスッキリしたストーリーを展開しながら、
徐々に徐々に彼女の変化を描いていく。
その中で重い描写や少し暗くなるような描写もある。
だが、いじめに近い描写だったり、暗い描写があった後に必ず明るい描写がある
それこそ「ぽーちゃん」の謎の行動で暗い雰囲気が一気に明るく変化し、
1話1話ほっこりと明るい気持ちで見終われるように締めている。
ただ話によっては2話構成になってしまっているものもあり、
そういった部分では短編アニメの欠点が出てしまっている部分もある。
しかしながら、基本的に1話完結で進めながら2話構成を間に織り込むことで
より作品の世界観に入り込みやすくなり、登場人物にも感情移入しやすくなる。
恐らく5分アニメにするあたって原作のシーンを削っている部分もあるのだろう、
だが、それをほとんど感じさせないストーリー構成になっているのは素晴らしい。
更に作画。
前述した5分アニメらしくないキャラクターデザインと作画は一切の手抜きを感じない。
妖怪に追い掛け回されている時の作画、「ぽーちゃん」の七変化の数々、
コミカルな表情の変化や大胆に弾むように動く作画は
アニメーションとして見ていて素直に面白く、見やすい。
だが、確かにシンプルかつ徐々に変化していく主人公の心理描写は面白いのだが、
同時に「子供向け」と感じる部分も多く、
5分アニメでしかも「深夜アニメ」として放映されてしまうのは惜しまれる。
これが朝や夕方の子供向けアニメならばもっと人気が出たのではと感じる部分が多く、
もったいないと感じてしまう。
更にストーリーも1話や2話の段階ではこの作品の面白さを感じにくい。
1話、2話、3話と徐々にストーリーが積み重なっていき、
主人公が少しずつ変化していくのを見ていくことで
この作品の面白さが「じわりじわり」と伝わってくる
だからこそ「1話」でこの作品の面白さを感じるのは難しい。
これが1話30分のアニメやOVA,映画として制作されていれば
もっと序盤からこの作品の面白さが伝わりそうだなと感じる部分は多く、
5分の短編アニメとして制作するために手堅くまとめすぎてしまっている感じもある。
中盤から物語の設定や不思議な部分が徐々に現れ、
終盤に向かってその謎を解決していく部分と
衝撃的なラストとほっこりと癒やされる結末が特に面白いだけに
これが本当に映画として制作されたらもっと面白い作品になったと感じてしまう。
この作品の持つ「ポテンシャル」といえばいいのだろうか、
見れば見るほどこの作品の持つ可能性や面白さの引き出しが大きく、
それ故に「短編アニメ」で「深夜アニメ」でまとめてしまっているのが本当にもったいない。
面白さが「器」から溢れかえってしまっており、こぼれ落ちている面白さが
もったいないと感じてしまう気持ちが観れば観るほど強くなってしまう作品だ
全体的に見て短編アニメとしてよく出来ている作品だ。
ギャグや癒し系アニメなどの短編作品が多い中で
しっかりとした日常ファンタジーストーリーをすっきりとしストーリー構成で描き、
話が進めば進むほどこの作品の面白さ、設定への入り込みや
キャラクターへの感情移入を強めることが出来る。
そして終盤のストーリー展開は素晴らしい。
主人公の前に現れたら「ぽーちゃん」の秘密と
霊感体質を持ってしまった少年少女の心理描写を鮮明に描き、
まるで「映画を見ているような世界観」のなかでストーリーが描写され
そして、ぐさりと心に突き刺さるような描写で描かれるストーリーの結末が
あまりにも衝撃的で、強く、強くこの作品の印象を残し
ほっこりとした気持ちで最後まで見終わることが出来る。
短編アニメでありながら「1つの劇場アニメ」を見終わったような感覚が残る作品だ。
確かに素晴らしい作品だ、だが、この作品は大人よりも子供に見てほしい作品なのだ
深夜アニメでなく、せめて朝アニメとして作られていれば・・・
短編アニメではなく、劇場アニメとして作られていれば・・・
この作品を見終わった後に強くそう感じてしまう部分があまりにも大きい。
劇場アニメなら大人も子供も・・・いや、母と子供が一緒に楽しめる名作になったに違いない。
更に言えば何故かこの作品は「DVD化」されていない。
せっかくの面白い作品なのに本当に何故なのだろうか。
現在はニコニコ動画などで有料配信されている方法でしか見ることが出来ず、
この作品を見てほしい「母と子」が見る可能性はかなり低いだろう。
色々な意味で本当に残念な作品だ
このサイトに「母」という立ち場の方がどれくらい来ているかはわからないか、
この作品はぜひお母さん、そして子供に見て欲しい作品の1つだ
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