本編よりも面白い短編アニメ
全5話のうち3話がWeb配信され、残りの2話はDVDの7巻に収録された
基本的なストーリーはギャグ。
境界の彼方のキャラクターたちがSDキャラクターとなり、
唯一リアル頭身の秋人を被告人として裁判を行うというところからストーリーが始まる
見だして早々感じるのは「キャラ崩壊」だろう。
境界の彼方本編でもギャグは一応あったものの非常に演出が弱く
本来笑えるはずのギャグが笑えず、主人公を念じていたKENNのツッコミの弱さもあって
本編のギャグシーンはほとんど笑いに繋がっていなかった
しかし短編アニメでSDキャラクターとなり、更に本来のキャラクター設定を
更に濃ゆく、もしくは崩壊させたキャラクター付けが強いギャグ要素になっている
特に「新堂 愛」はキャピキャピすぎる「アイドル裁判長」となっており、
本編以上に強烈な印象が残るキャラクターに仕上がっている。
ただ、KENNのツッコミの弱さは相変わらず悪い意味で安定してしまっているのは残念だ
SDキャラクターも非常に可愛らしく、
いつもの京都アニメーションらしいキャラクタの微細な表情の変化や動きではなく、
SDキャラのコミカルかつピョンピョンとぴょこぴょこと動き感じが愛らしい可愛さを生んでいる
そして極めつけの判決シーンだ。
何とSDキャラクターたちが踊る(笑)
ダンガンロンパもびっくりな踊りまくりな判決シーンは何の脈絡もない上に
SDキャラクターが物凄い動きながら踊りまくる様は可愛さ100%だ。
短編アニメのに気合い入りまくりで妥協のない作画が
はっきりいって本編よりキャラクターを可愛いと感じさせる描写になっている
特にヒロインである栗山未来の「不愉快です」という口癖も
本編では狙ったセリフなのに外しまくりな感じが強かったが、
この短編作品ではそのセリフが「ギャグ」のようにもなっているため自然に馴染んでおり、
素直に受け入れることが出来る。
他のキャラクターも本編以上に魅力あふれるキャラクターに仕上がっており、
本編では魅力を感じなかったキャラクターに新しい魅力が追加され
「裁判」という本来なら重い舞台設定になってもおかしくない舞台設定を
あえてギャグを描写するための舞台設定にし、そこにいるSDキャラクターという違和感が
ギャグ的な空気感を生んでおりキャラクター同士のセリフと絡みが自然かつ面白い。
ストーリー自体も「くだらない罪状」で「踊って判決」して「罰」を与えて終わる(笑)
1話では主人公がキモイ、2話では二宮先生が痛いなど
くだらない罪状がそのキャラクターを深める要素ににもなっており、
ヒロインたちが罪を検証していく様でヒロインたちのキャラクターらしい罪に対するツッコミ、
そして「アイドル裁判長」によるジャッジダンスで適当なジャッジをし、
主人公の好きなメガネ破壊、先生を女子高生にするなどくだらない罰で終わる(笑)
全体的にシンプルかつキャラクターを掘り下げる短編アニメになっており、
SDキャラクターにしたことでギャグ要素が強まり、
同時に本編の余計な要素がなくキャラクター設定だけを持ってきて好き放題しているような感覚だ
1話6分~7分ほどで終わるためすっきりと見終わることができ、
EDまでしっかり作られている気合の入り方だ。
はっきりいって本編よりも面白い。
本編を見ていないと少しわからない部分もあるが、見ていなくても大きな問題がないほど
(本編を見たのに内容を殆ど忘れている人も大丈夫だろう)
短編ギャグアニメとしてしっかり作られており、素直に笑えて素直に面白い作品だ。
本当に全5話で終わるのがもったいないほどクォリティが高く、
この作品を1クールみたいなと感じるほど笑える作品だ。
京都アニメーションもこういう作品ができるのか・・・と
ある意味、京アニの新境地を見たような感覚になるほど完成度が高い作品だった。
2015年に劇場アニメ化もされているが、この作品も流れるのだろうか・・・
ある意味、この作品のために見に行きたい気持ちが強まった(笑)
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