2014年最駄作アニメ賞受賞作、決定。
日本国有鉄道、いわゆる「国鉄」がもし分割民営化されなかったらという
パラレルワールドの日本を舞台にした鉄道アニメだ。
鉄道を題材にしたアニメは「鉄子の旅」などがあるが、
この作品はそんな鉄道でも「鉄道職員」を題材にしている。
アニメ放送前にやや炎上した
学生でありながら「研修」という形で働ける日本、
主人公である高山は鉄道好きであり憧れの國鉄に入社するために研修に参加する
そこで彼は2人の女の子と一人の男とチームを組むことになった
というところからストーリーが始まる
見だして感じるのは作画の不安定さだ。
魅せるシーンではきっちりとキャラクターの作画が安定しているのだが、
魅せるシーン以外でのキャラクターの作画は正直いってギリギリだ
いわゆる「胸揺れ」などのシーンは気合がはいっているのだが、
それ以外のシーンの時は決して一時停止してはいけない感じだ。
更にキャラクターたちの装飾品が消えたりすることもある。
直前のシーンでは手袋をしていなかったのに次のシーンでは手袋着用、
帽子なんかかぶっていなかったのに次のシーンでは帽子着用と
確かに細かい部分ではある、私も1度くらいならスルーしていただろう
だが、2度3度と連続すると「あれ?」という違和感が生まれてしまい
そういった細かい部分が気になり始めてしまう。
そしてストーリーが1話の時点でダイジェストのような高速展開だ。
キャラクターの名前を覚える時間もないままに
あっという間に主人公たちの研修模様がダイジェストで流されていき、
よくわからないままに登場人物たちが機関車に乗っている。
機関車に関する蘊蓄も主人公が解説してくれるのだが、
正直言って1話の段階で「面白み」のようなものは一切感じない。
世界観の説明やキャラクターの名前も覚えていない状態で
1話から早々にダイジェストのようにストーリーを流されても頭に全く残らない。
唯一印象に残るのは「胸揺れてたなー」という他のアニメでもよくある部分だけだ
唐突に放り込まれた世界観で唐突にたたきつけられたように機関車の知識と
胸が揺れているシーンだけ見せられたような感覚だ
私は原作を読んでいないので調べた限りでしか無いのだが
「原作一巻」の内容をほぼ1話で使っているようだ(苦笑)
本来、ライトノベル原作の場合1巻に対してアニメでは2~3話の尺が使われる
それを一気に1話にぶちこんでしまえばダイジェストのような
内容になってしまうのは当たり前だ。
主人公たちの研修時代のストーリーを早めに消化して
メインである「鉄道公安隊」になった後のストーリーを早く描きたいという
制作側の気持ちはわかるのだが、ならばそもそも研修時代の話は
後回しにして中盤くらいで登場人物たちの過去として描写すればよかった話だ。
アニメにおいて大切な「1話」という部分で
原作未読者無視のストーリー展開にしてしまっているのは残念でならない
2話以降になって「ダイジェスト」ちっくな展開はさすがになくなるものの
ストーリーの面白さは「無い」と断言したいくらいにつまらない。
いわゆる「細かい部分」の描写やストーリーを省いているせいなのだろうが
箇条書きのように進んでいくストーリー展開のせいで突っ込みどころ満載のストーリーだ
2話の爆弾騒動など細かい部分をツッコミ出したらキリがない。
箇条書きで十分なので箇条書きで少し解説するが
・横浜駅に爆弾仕掛けたと予告
・しかし本当は東京駅に爆破物があり主人公たちが捜索
・ブラフではない爆破騒動なのにお客様の避難は一切なし(混乱するから)
・主人公はお客様の安全第一と言う、だけどお客様の避難は・・・(苦笑)
・主人公たちが爆弾解体(知識はあるが経験はなし)
・振動センサーを警戒して爆弾は宙吊り、でも光センサーの考慮はなし
・途中どれをきっていいかわからないのに思いっきり切る
・タイマーが早まるが、ヒロインが液体窒素を今更持ってきて爆弾停止
・犯人がノコノコと要求した金を取りに来て逮捕
・解決
どうだろうか(苦笑)
どこかで見たことのある爆弾を絡めたストーリーではあるものの
細かい部分での描写や流れがあまりにも雑で突っ込んだらキリがない。
「爆弾」という本来なら緊迫感が出なければならないストーリーなのに
ハラハラする、ドキドキするというような感情は一切生まれず
セクシーな描写やギャグ要素があるわけでもない。
細かい部分にツッコミをしながら見終わった頃にはツッコミに疲れてしまっている。
2話の最大のツッコミは「この世界に警察は居ないのか?」というツッコミだろう(苦笑)
私は見終わった後に知ったのだが
この作品の日本では鉄道公安=地域内警察として機能しているらしい
はっきりいってこの説明はしなければならなかった。
主人公たちが拳銃を持てる理由、警察が仕事をしていない理由、
事件の捜査し過ぎな理由など地域内警察の役割もあるという説明だけで
疑問が一気に解決されるのにアニメ内での説明はない。
2話以降のほぼ全話、この調子だ。
すべての展開が強引かつ無理矢理でご都合主義で進めて、おまけにテンポが悪い。
30分アニメではあるものの15分の尺の内容を引き延ばしているような
ストーリー構成になってしまっておりグダグダだ。
特に中盤の7話~9話など話としてはそこまで悪くないのだがグダグダだ
この7話~9話を2話ないし1話にまとめて初めて面白い内容になるのにそれをしない。
本当にここまで素直に「脚本が酷い」と感じる作品は珍しい
こういった作品の場合、ギャグアニメとしてひどい展開を
ギャグとして楽しむという方法もあるのだが、
正直言ってギャグアニメと割り切れないほど酷い。
話によっては(5話)ぶっ飛んでいて面白いと感じる話もあるにはあるのだが
ほとんどの話は突っ込み所が多すぎてギャグと割り切る前に「呆れる」レベルだ
私は鉄道に関する知識はないので電車の描写に関しては鉄オタの方の感想を調べた限りだが、
電車が出している速度や、電車の窓の描写などがめちゃくちゃになっていたり
細かい部分での描写が鉄オタさんたち的に「引っかかる」部分が多いようだ
鉄オタさんたちが期待したであろう鉄道描写部分でも雑なようだ
全体的に見て制作側のこの作品に対する「愛情」や「真面目さ」を感じない。
この作品を面白くしよう、原作の面白さを伝えよう。
そういった原作のあるアニメで1番忘れてはいけない「原作に対するリスペクト」を
制作側に一切感じず、わざとやっているんじゃないか?と本気で思ってしまうほど
強引で無茶苦茶なストーリー展開の数々、突っ込みどころの多い描写の数々、
セクシー描写以外は崩れがちな作画の数々、作品の世界観に一切合っていないEDなど
この作品を「面白くしよう」という心意気が一切感じない。
嘘か本当かはわからない、あくまでネット上で流れた噂でしかないが
アニメ放送前に原作者がアニメスタッフに対し
「てめぇら!なんだこれは!ふざけるな!
こんなもん『RAILWARS!』じゃねえ!監督を降ろせ!」
と発言し、それに対し制作スタッフが「原作者は石ころ以下」と言って放送前に炎上したが
この出来栄えを見てしまうと原作者の気持ちが痛いほどわかってしまう。
(原作者の発言、制作スタッフの発言が真実かは不明です)
原作者が一人で必死に書き上げた1巻を30分でダイジェストにまとめられてしまったり
原作では説明している世界観の根幹の設定を省いたり、
そもそも「RJ」というテロ組織の存在もなかったことになっているようだ(苦笑)
作品の世界観そのものが別物に作り上げられてしまっており、しかもつまらない。
これでは原作を利用した質の悪い同人作品でしか無い
しかも同じようなシーンが多い。
基本的にこの作品の中の「電車」はブレーキが効かない、
暴走する電車を何とかするパターンというのを連続で見せられたり、
電車が揺れて女性キャラクターと主人公のハプニングはもはやお約束、
女性キャラクターのパンストを脱ぐシーンもお約束。
お約束、似たようなシーンも「見せ方」を変えることで同じようなシーンでも
そう感じさせないことも出来る。むしろ見せ方を変えるのがプロの仕事だろう。
だが、この作品の場合は同じようなシーンを同じような演出でしか描写しないため
似たようなシーンばかりを見ているような感覚だ。
そして極めつけ。
序盤から装飾品の有無などのいわゆる「作画ミス」が目立つ作品ではあったが
そこは別に細かいミスだ、気にならなければ本当に些細な問題だ。
しかし最終話にしてこの作品はやらかす。
「主人公の口が動いているのに、しゃべっているのは女性キャラクター」
というありえないミスだ。
セリフをしゃべっているのに口が動いていないというのは他作品でもたまにあるが、
しゃべっているキャラクターが違うというのは致命的だ。
私は最初、見間違いかと思って何度も見なおした。
ある意味で伝説だ(苦笑)
このレビュー中には書いていないが、本当にいろいろな部分で突っ込みどころが多すぎる。
書き出したらキリがないほどに毎話毎話、冗談のような展開や描写ばかりだ
この作品の「褒めどころ」を探すために頑張って2回見たのだが
最後まで見つけることは出来なかった。
キャラクターの扱いに関しても下手すぎる。
「出る意味があったのか?」と感じるキャラクターが2人ほどおり、
中途半端な描写で中途半端なラブコメを描写するために
中途半端なキャラクターの印象しか残らない。
中途半端なキャラクターの印象のまま強引に「セクシー」なシーンをぶち込むため、
外見的な印象しか残らず、キャラクター数は少ないのにキャラクターの名前も
見終わった後にほとんど記憶に残っていない作品だ
ある種の願望を込めていうが、この作品は
「2014年」のアニメーション作品で最も駄作な作品だ
今年1番ひどかったのは「魔法戦争」だと思っていたのだが
あちらは笑える分だけマシだ(苦笑)
この作品は1つの作品として完成品と言えないレベルの完成度だ
今年、これ以上の駄作が生まれないことを切に願いたい。
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