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百番煎じの追放系「パーティーから追放されたその治癒師、実は最強につき」レビュー

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パーティーから追放されたその治癒師、実は最強につき ファンタジー
画像引用元:©影茸・鳴海みわ/双葉社 「パーティーから追放されたその治癒師、実は最強につき」製作委員会 2024
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評価 ☆☆☆☆☆(3点) 全12話

TVアニメ『パーティーから追放されたその治癒師、実は最強につき』第2弾PV

あらすじ かつて世界は〝邪竜〟と呼ばれる邪悪な存在によって滅ぼうとしていた。しかし、1人の勇者によって邪竜は倒され、世界は救われた。それから200年あまりの時が過ぎようとしていた――。引用- Wikipedia

百番煎じの追放系

原作は小説な本作品。
監督は大西景介、製作はスタジオエル

冒頭からやばい

1話冒頭からテンポの悪さを感じる。
治癒師である主人公はパーティーを追放され、
パーティーメンバーを募集しているところに
「美少女」が現れて声をかけられるというところから始まる。

そんなどうでもいいシーンでカットが頻繁に入る。
わざわざヒロインの声をエコーにして、
そんなヒロインの言動に驚く周囲の反応を映したり、
無駄にカットをいれまくり見づらいったらありゃしない。

主人公が「稲妻の剣」という実力者のパーティーにいたものの、
「主人公」は無能と言われる冒険者であり、
初級の治癒魔法しか使えず、追放されていることが
ギルドの受付嬢から明らかになるのだが
ここでもまた無駄にカットが入る。

「稲妻の剣」というワードが出た瞬間に
「稲妻の剣」という文字だけのカットをいれる。
いれる意味はあるのだろうか?いやない、一切ない。
別に追放されたパーティーの名前が火災の槍だろうが地震の盾だろうが
重要ではなく、それを強調するためのカットをいれる理由が一切ない。

1話以外でも「マナ」などのくそどうでもいいワードまでも
わざわざカットを入れて文字で見せるシーンが有り、
本当に意味不明だ。なにがしたいのだろうか。

1話を開始して5分ほどで「あ、このアニメはだめだ」と感じる。
原作どうこう、ストーリーが面白い面白くない、
作画が良い悪いの以前に「センス」がない。
いれる必要のないカットを入れまくることで見づらいアニメになっている。

そのカットの多さのせいでテンポの悪さにもつながっている。
おそらく予算はないのだろう、作画の質はひどく悪く、
戦闘シーンなどはある程度保っているものの、
日常シーンの作画は色々とギリギリだ。

ただ「歩く」というシーンでさえ、
歩いているシーンを小さなコマにし、
背景を「1枚絵」で流すなど作画枚数をごまかすための
最大限の努力が見られる。

色々な作画の悪いアニメでスライドショーを見ているようだという
表現を使っているが、本当に1枚絵をスライドさせる
シーン構成になっている作品は初めてかもしれない(苦笑)
ヒロインのSexyなシーンだけは気合が入っているが、
それ以外は壊滅的だ。

2話では元のパーティーでの活躍やリッチという敵と
主人公とヒロインの戦いが描かれたりもするが、
相手にしている魔物は棒立ちだ。
1話や2話という序盤の時点でこの調子であり、
アニメ自体がやる気がないことを感じさせてくれる。

なるべく、1枚絵をスライドできるシーンはスライドし、
止め絵ばかりのシーンを見せられる。
もはや「アニメとは?」といいたくなるほど、
止め絵をスライドしてるシーンのほうが多い。

キャラが動いて喋ってるシーンでさえ
なぜかカメラを横に動かしスライドする。
スライド大好きな監督なのかもしれない。

はいはい

主人公は忘れているものの「格闘家」のヒロインは
過去に主人公に会ったことがあるようで、
追放された主人公とともにパーティーを組むことになる。

世界観的にはなろうではあるあるな世界観であり、
冒険者が居て魔物が居て、魔物の持つ魔石や素材が
冒険者の収入源になって…というような感じだ。
レベルやステータスという概念こそないが、
スキルと言う概念はある。

1話の時点でコミカライズや原作の話を
時系列シャッフルしており、
早く格闘家なヒロインを出そうとしているのはわかるものの、
主人公が追放される流れやなぜ追放されたかなどが
1話で描かれておらず、テンポも悪い。

戦えるかどうかもわからない初対面の
初心者冒険者とパーティーを組んで、あえて危険なダンジョンに挑む。
いざとなったら自分が助けられるという自身があるからこそではあるものの、
「使えない」治癒師だからこそ追放されたのに主人公は普通に強い。

よくわからない師匠のもとで長年修行したおかげらしいが、
格闘家よりも近接戦闘ができ、ヒュドラという強敵の首をも落とせる。
追放系で言えばいつものパターンだ。
実は最強でした的ななんのひねりも面白みのない展開でしか無い。

ちなみに初級のヒールしか使えない主人公ではあるものの、
実は「重ねがけ」することができ、
普通の治癒師にはできないことらしい。
どうでもいいが。

ストーリー自体も本当に退屈で、主人公に特に目的らしい目的がない。
あえていうなら冒険者をやることが目的であり、
作品を通しての目的がなく、盛り上がりが生まれない。

主人公を追放した側のパーティーも苦戦しており、
主人公の価値に気づくというありがちな展開を見せられる。
もう何番煎じだと言わんばかりの展開だ。

3話ではかつてのパーティーが
新たな仲間を入れて、ヒュドラと再戦するということになるのだが、
3話の終盤で尺があまったのか無駄に
「ただ歩いて目的地に向かう」というシーンが
40秒ほど入り込む(苦笑)

明らかにいらないシーンだ、この作品は
1話毎の尺の調整すらろくにできていない。

覚醒

普通に強い主人公ではあるもののヒュドラには苦戦するのだが、
なぜかヒュドラにやられた瞬間に謎の覚醒を見せる。
謎の力でヒュドラを圧倒し、その覚醒している間に記憶は一切ない。
この覚醒に関しては一切説明がない(苦笑)

もし、2期があればそのあたりも明かされるのかもしれないが、
1期の段階では、なんかよくわからない姿になって
ヒュドラを倒したというふわっとした結果にしかなっていない。

そもそもこの作品の主人公の目的らしい目的はなく、
冒険者としてヒロインとともに色々な魔物を倒してるだけだ。
一応怪しげな街のギルド職員がなにか企んでいて、
まもなくスタンピード的なことが起こる!などと言われるのだが、
なろうでは1京回みた展開だ。

ありきたりかつどこかでみたことのある展開やキャラばかりで、
何の面白みもないどころか見せ方も悪い。
一応、ヒロインが過去に主人公に助けられたことを
秘密にしているという要素があるのだが、
中盤でそれもあっさりと主人公にバレてしまう。

ヒロインは邪竜とやらを封じ込める特殊な存在らしいことが
明らかになり、終盤はいわゆるスタンピードが起こる。
ありがちで面白みのない展開でしかない。

終盤

スタンビートの原因は邪竜らしく、
邪竜を眠らせるためにはヒロインを食わせるしか無い。
一応物語的には盛り上がってるはずなのに
戦闘シーンは止め絵の連続だ、主人公の決め顔がアップで映ったかと思えば
効果音とともにモンスターが倒れる、それを繰り返す。

本当に最初から最後まで手抜きだ。
迷宮のボスとの戦いになっても手抜きしまくりな
アニメーションに見る価値はない。
最後も主人公の謎覚醒パワーで邪竜を倒しておしまいだ。

結局、彼の覚醒理由、どうして強くなるのかが一切
わからないままモヤモヤで終わってしまう作品だ。
もっともストーリーどうのこうの以前の問題であり、
ラストシーンに至るまで本当にセンスが感じない作品だった。

総評:開始5分で分るセンスの無さ

全体的に見てAbema独占配信らしい低予算ななろうアニメだ。
Abema独占配信の作品はなろう系が多く、
その多くがネトフリ独占配信などと比べて低予算で作られている。
この作品ももちろん低予算で作られており作画はギリギリだ。

なぜか1話のヒロインのセクシーなシーンだけは頑張っていたものの。
そこで完全に力尽きてしまっており、
止め絵をスライドショーしたり、演出やカットしまくりな
構成で誤魔化しまくるアニメーションの数々は、
制作側のやる気を感じられない。

それだけならまだいいが、シンプルにセンスもない。
シャフトのようなことをやりたいのか何なのかわからないが、
別に重要でもない「マナ」などのワードを
あえて文字だけで映すカットをいれるなど本当に意味がわからず、
予算もなければセンスもないという致命的な作品だ。

ストーリー的にも百番煎じくらいの追放系なろうでしかなく、
どこかでみたことのある展開をひたすら繰り返し、
主人公の謎覚醒が謎のままで1クール終わってしまった。
ストーリー構成も悪い。

もう少しなんとかならなかったのかと思う部分はあるものの、
なんとかならないのがこの手の低予算系なろう作品の末路だ。
終盤で色々とストーリー的には盛り上がりそうな流れがあり、
2期等があれば主人公の謎覚醒の秘密も明らかになるかもしれないが、
2期の可能性は薄そうだ。

個人的な感想:Abema

ここ1,2年、AbemaTVでなろう原作アニメの2期の独占配信が
やたら多く、そのどれもが低予算で作られているなーと
感じていたのだが、この作品で「Abema独占のなろう系はやばい」と
印象付けられる作品だった。

今後もAbemaで生まれるなろう系作品が
こうなるのかと思うと頭を抱えたくなってしまう

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