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異世界ひろゆきキッズ「最凶の支援職【話術士】である俺は世界最強クランを従える」レビュー

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最凶の支援職【話術士】である俺は世界最強クランを従える ファンタジー
画像引用元:©じゃき・オーバーラップ/話術士製作委員会
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評価 ★★☆☆☆(26点) 全12話

TVアニメ『最凶の支援職【話術士】である俺は世界最強クランを従える』ティザーPV|2024.10 ON AIR

あらすじ 不滅の悪鬼(オーバーデス)と呼ばれた英雄を祖父に持つ少年ノエル。祖父に憧れ、最強の探索者(シーカー)を志す彼の持つ職能(ジョブ)は最弱と評される支援職【話術士】だった引用- Wikipedia

異世界ひろゆきキッズ

原作は小説家になろうで連載されていた小説作品。
監督は高村雄太、制作は、FelixFilm×画狂

アビス

原作はなろうではあるものの、この作品は異世界転生や転移ものではなく、
シンプルにファンタジー世界の話だ。
「アビス」というものが時折あらわれ、そのアビスのせいで
多数のモンスターが発生し、人的被害が発生している世界だ。

そんな自然現象とも言えるアビスに対抗するべく、
探索者(シーカー)という存在がおり、優秀なシーカーは英雄視されている。
主人公の祖父は偉大なシーカーだったものの、
唐突に現れたアビスの強敵との戦闘で負けてしまう。
そんな祖父の遺志をつぎ、主人公はシーカーを目指す。

1話の冒頭の導入自体は自然でありわかりやすいものの、作画が濃い。
紫がかったようなアビスの中の世界での色合いもあるが、
作画のクォリティ自体もそこまで高くなく、
一歩間違えば作画崩壊しそうな危ういキャラクターデザインで
描かれているせいもあり、かなり作品全体でクセがうまれている。

独特といえばそれまでなのだが、
低予算感を感じるクォリティなのは間違いない。

そんな世界で主人公は「話術士」というジョブについている。

ジョブ

この世界は「ジョブ」というものが存在し、生まれ持って決まっている。
ジョブによるバフ効果はかなり大きいようで、
いくら鍛えても近距離ジョブの戦士などに、話術士などの
後衛ジョブのものは力で叶うことはない。

主人公のジョブの話術士はサポートが役目のジョブだ。
最弱職と名高いジョブであり、前衛もできなければ
後衛としての攻撃力がないせいでバカにされている。

しかし、この世界はパーティーを組むことが前提の世界であり、
話術士のスキルを使えばパーティーの体力と魔力を
25%増加させたり、精神を向上させたりと、かなりサポート職としては有能だ。
MMOなどをやってた方ならばいなくてはいけない
サポート職なのは見てわかるはずだ。

まるでゲームのようなジョブという概念など、気になる部分もあり、
そこを飲み込んだとしても、これだけ使える「話術士」のジョブが
最弱といわれている部分は飲み込みがたいものがある。
話術士のスキルで精神干渉なんかもできるようで、
どこか歳弱なのかまるで理解できない。

そもそも主人公以外に話術士がでてこないため、
主人公が優秀ゆえに話術士というジョブの最弱さを感じないのか、
それとも、もともと話術士というジョブが使えるジョブなのかがわからない。

主人公自身は祖父に鍛えられたこともあって
普通の話術士よりは動けるようだが、
それにしたってスキルの効果が何倍にもなるようなバフを
特にリスクなくかけられる話術士が最弱扱いされているのは謎だ。
この能力ならパーティーに1人は必須レベルだろう。

話術士というこの作品オリジナルのジョブの設定の甘さを感じる。

イキる

主人公のナルシズム全開な台詞回しも人を選ぶ部分があり、
厨二病感も全開だ。

「俺達Cランクでは厳しい仕事だ、効率だけで物事を考えるな死ぬぞ」

とイキリまくる。
俺を舐めるんじゃねぇ、死ぬぞなど強い言葉をイキって使う感じは
かなり厳しい感じはあるものの、ある意味でなろうらしいとも言える。

仲間に裏切られれば「俺のモットーは1000倍返しだ!」と
イキる主人公を本来はかっこいいものと
受け止めないといけないのはわかるが、かっこよくは見えない。

仲間に対してもいちいちきざったらしい台詞で
回りくどい表現を使って話しており、
それが頭が良くてかっこいい主人公像を演出しているのはわかるが、
ただただひたすらイキっているような感じだ。

主人公自身も自分が頭がよく、切れ者だと思っているからこその
態度なのだろう。相手のことを決めつけ、否定し、
自分の意見が絶対的に正しいという驕り高ぶりを感じ、
それを貫こうとする、ある意味ブレない主人公だが、
その態度がきつい。

「許してほしいならあと1000発耐えてみせろ!
そうしたら謝罪を聞いてやる!俺は男女平等主義者だ、
女だからって容赦しないぞ!」

と、男女問わず容赦ない主人公だ。
博識でジョブの効果で頭もよく、切れる主人公、
だがその態度と性格ゆえに仲間がついてこず、
二人には裏切られ、一人はシーカーをやめてしまい、
せっかくのパーティーもあっさりと崩壊してしまう。

ご都合主義

たった一人になった主人公ではあるものの、
その直後に爆乳美女が主人公のもとにやってきて仲間になる。
棚からぼた餅なみに、爆乳美女がいきなり出てきて
仲間になってくれる。物凄いご都合主義だ(苦笑)

出会って僅かしか経っていないのに、
主人公の祖父と自分の祖父が知り合いだったというだけで、
好感度MAXで、年下な主人公に対して
「お姉ちゃんに任せておけ」と距離感もバグっている。

主人公にとって都合の良い展開ばかりが起こる、
これもなろうらしい展開ではあるものの、
話の展開の遅さは気になるところだ。

3話で爆乳美女アサシンが仲間になり、
4話でそんな爆乳美女と依頼をこなし、
5話では新たな仲間候補が見つかる。
6話では常連だった情報屋に裏切られるものの、
その情報屋に関してはなぜか許してくれる(苦笑)

序盤はパーティーメンバーの裏切りに対して、
奴隷商に売ってしまうくらいのことをしていたのに、
情報屋を許す流れになるのはちょっとわからない。

主人公自身は決して強くなく、対人戦においても
策略を練ることで勝利を掴むというパターンであり、
チート感といようなものは薄いものの、
序盤から中盤までひたすら仲間あつめをしており、
ろくにアビスに行かず、ダラーっとした展開が続く。

終盤に差し掛かっても、人同士の揉め事だ。
主人公が仲間集めをしながら、ときに因縁をふっかけてきたやつや
裏切ったやつを粛清していく。
そんな粛清されたキャラクターたちは因果応報な部分がある、
お金をだまし取ろうとしたり、殺そうとしたりした結果の末路だ。

しかし、終盤はちょっと趣が違う。

利用

主人公はクランを作るために奔走するのだが、
そのために競うことになる
「今話題の新進気鋭のパーティー」を利用する。
わざと悪口をいい、相手を苛立たせ、おちょくり、侮辱する。

そんな新進気鋭のパーティーは特別な1人「天翼」の名を持つ
シーカーを中心としたパーティーだ。
それゆえに抱えている思いはある、嫉妬、信頼、不安、
それを主人公がくすぐることでパーティーを崩壊させる。

彼らは何もしていない。
主人公に危害を与えたわけでも、殺そうとしたわけでも、
騙そうとしたわけでもない、それなのに主人公は自身が
成り上がるために彼らの関係性を瓦解させてしまう。

結果的に主人公たちはクランを結成し、
それどころか崩壊させたパーティーの1人を闇落ちさせ、
仲間に加えてしまう。

全ては主人公の手のひらの上だ、敵対するものを調べ上げ
ほころびを見つけ、話術で崩壊させ、自分の思い通りの展開にする。
それがかっこいいとも思えれば楽しめるかもしれないが、
最後まであまり主人公に好感が持てずに終わってしまった作品だった。

総評:なんだろう、それってあなたの感想ですよね

全体的に見て好みが分かれる作品だ。
いわゆるダークファンタジー的なノリがある作品であり、
話術士というこの世界では最弱のジョブを持つ主人公が、
祖父の意思をつぎ最強のシーカーになるために、
最強のパーティーを結成し、成り上がろうとしている。

その流れ自体はわかるものの、
序盤から中盤までは主人公の周りにクズしかおらず、
金は持ち逃げするわ、依頼料金をふんだくろうとするわ、裏切るわで、
クズばかりだ、そんなクズに対して1枚上手な主人公による
「ざまぁ」な展開は楽しめると言えば楽しめる。

しかし、終盤は別に悪いことをしていない相手すら、
自身が成り上がるために利用し、崩壊させている。
1クールでクラン結成しましたという段階で終わっており、
しかもパーティー候補の1人は結局、牢屋にぶち込まれたままで、
中途半端な感じになってしまっている。

ストーリーのテンポもあまりよくなく、
物語の中心にいる主人公のイキり具合を受け入れきれないのが
この評価になってしまった最大の要因だ。

主人公の知力の高さ、頭の良さをアピールにしたいのはわかるが、
敵対するキャラクターの心情をまるで全てわかったように
おちょくり悪態をつき、時に悪役のような笑みを浮かべながら
煽ってくるさまはどこぞの「論破王」の動画を見てしまった
キッズのような感覚だ。

他のキャラクターも掘り下げが甘いキャラが多く、
特にメインヒロインであるはずの爆乳アサシンことアルマも
深い掘り下げはないまま終わってしまっている。

作画のクォリティは序盤こそ戦闘シーンなどは
エフェクトや演出を駆使することで盛り上がるようになっていたが、
日常シーンの作画は怪しく、独特の色合いやバタ臭い雰囲気は
全体的に低予算感は否めないものの、
ある意味で安定はしている。

2期があれば祖父の敵などもでてきて面白くなるのかもしれないが、
果たして2期はあるだろうか…

個人的な感想:話術士

主人公以外の話術士が出てくれば、もう少し
主人公の特別さや、話術士が最弱といわれてるのも
納得できたかもしれないが、そういった描写がないため、
最弱といわれてるのが飲み込み難い作品だった。

この主人公を飲み込めるかどうかで楽しめるのが決まるんだろうなと
思うところはあるものの、私個人としては飲み込みきれずに
終わってしまった作品だった。

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