評価 ☆☆☆☆☆(7点) 全12話
あらすじ ごく普通の日本人青年・茅野巧(かやの たくみ)は、風の神シルフィリールの手違いにより命を落とし、異世界エーテルディアで転生する。引用- Wikipedia
テンプレ99%と舐めた子育て1%
原作はアルファポリス で連載中の小説作品
監督は濁川敦、制作はEMTスクエアード、ビー・バード
無個性
1話冒頭からため息を付きたくなるほどいつもの展開だ。
主人公は異世界で転生し、チートスキルをもらっている。
「ランクC」の魔物と出会い、
お決まりのステータス画面がでてきて、無双する。
どこかでみたことのあるキャラクターデザインの主人公は
「神様」の手違いで命を落とし、元の世界に戻せないようで
ありとあらゆるチートなスキルや言語、世界の知識も
叩き込まれた状況だ。
本来なら理不尽な目にあって死んでいるはずなのだが、
神に対する怒りもなく、前世の未練もまるでない。
そもそも前世でなにをしていたのかなどの情報もなく、
取ってつけたようなテンプレ異世界転生だ。
そんな主人公が出会ったのが「双子」の可哀想な子供だ。
5歳の双子は名前ももたないものの、異様に強い。
コミカルにサクサクとストーリーが進んでいくものの、
作画のクォリティは悪い。
明らかに作画枚数を減らしていることがわかるような
1枚絵をつないだような戦闘シーンや省略作画も多く、
コミカルな展開だからこそ、そこまで気にならないものの
アニメーションとして、とくに面白みのようなものがあるわけではない。
主人公の異世界転生の経緯も、双子との出会いも、
主人公に戸惑いや迷いなどがなく、人間味を感じない。
設定的な部分での新鮮味も一切感じず、
どこかで観たような要素をひたすらつなぎ合わせている。
唯一の特徴といえば5才児の双子であり、
タイトル通り子育て的な要素がある。
そんな双子の可愛さを愛でるためのアニメというのは
1話の段階で分かるものの、とくに可愛げはない。
テンプレ通りというか、もはや教科書通り、
ギルドに冒険者登録をして依頼をこなす。
当然、冒険者にもランクがある。
ギルドではいかつい冒険者がつっかかってきたりする。
もう3億回は見たような展開だ。
既視感しない展開に笑うすら出ず、ため息しか出ない。
テンプレテンプレテンプレ
この作品にはテンプレしか無い。
1話の段階で双子の子供以外は全て他の作品でも見た要素でしかない。
導入も展開も設定もなにもかもテンプレだ。
1から100までとはいわないが、1から99までテンプレなのが
この作品だ。
1話で異世界転生スターターセットを見せられたかと思えば、
2話では異世界イキリを見せられる。
なろう系といえばイキリだ、自らの力や知識を
異世界という文化的に劣る世界でひけらかすことでイキることで
主人公の凄さを演出している。
2話で主人公は元の世界からの食材をいかしパン作りをやる。
ジャムやカスタードクリームなど、神様のお陰で
アイテムボックスに大量にそういった物があり、
それを取り出し、パンに詰めるだけで
「中に入れてこんなにおいしいなんて!」と異世界人が称賛する。
知能指数があまりにも低い。
これまで様々ななろう系作品の主人公による
現代知識イキりを見てきたが、
まさか「菓子パン」程度で生きるとは思わなかった(苦笑)
この世界にもジャムはある、だが、
異世界人はパンの中にはいれたことがない(笑)
「パンの中にいれるだと?作ったことがない代物だ…」
パンもあってジャムもあるのに中にいれるという発想は
異世界人には生まれない。もうあまりにも異世界人をバカにしすぎて
一周回ってギャグでやっているのでは?と思うのだが、
この作品は至って真面目だ。
こすり倒された現代知識イキリに
独自性をもたせようとしたのはわかるが、
独自性の出し方がバカバカしすぎてギャグになってしまっている。
2話だけでなく、妙に料理をするシーンが多いのだが、
料理の作画自体のクォリティが高くないため、
とくに美味しそうには見えない。
タイトル通り「ゆるり」とゆるーい展開が多いものの、
そういうタイトルをつけていれば中身が薄くても良いというような
免罪符にすら見えるタイトルだ。
冒険者として依頼をこなしたり、現代知識でイキったり、
迷宮を攻略したり、淡々と面白みのない展開が続き、
いきなりSランクの魔物が降って湧いて出て仲間になったりする。
しかもいきなり3匹もだ。何もかも浅く、薄い。
神様達が主人公に手厚いサポートをしすぎているせいで、
冒険や戦闘に対する緊張感もなく、話自体の盛り上がりも生まれていない。
日常アニメと割り切っても、あまりにも中身がない。
わざとらしい台詞回し、子供らしい行動やセリフ含めて
薄ら寒さすら感じる。
子育て
タイトル通り、この作品には子育て要素がある。
最初から好感度マックスは双子の子供達、
そんな子どもたちが徐々に主人公とともに成長していき、
拙い言葉も上手になっていく。
中盤でそんな双子の過去や問題も描かれるものの、
とくにそれが盛り上がりどころになるわけでもなく、
淡々とストーリーが進んでいく。
途中でまた双子の親権問題が発生したり、
ダンジョンに調整したり、バター醤油でイキったりと
序盤と似たような展開をひたすら繰り返しており、
序盤から面白さは低空飛行のまま一歳変わらない。
一応メインストーリーとしては「水神の子」である
双子を育てつつ、彼らの秘密や水神について
終盤はストーリーが展開していくものの、
特に盛り上がりになるわけでもない。
1話から最終話までヤッてることが変わらず、
盛り上がらないまま終わってしまう、
最終話も最終話らしい盛り上がりもなく、
総評:パンの中にジャムを入れるだとぉぉ?!
全体的に見て結局ヤッてることは、いつものなろう系作品の
テンプレ的な設定でテンプレ的な展開を淡々と見せられ、
そこに双子という要素と子育て要素を足してるだけだ。
双子や子育て要素に関しても上っ面の部分をなぞるだけで、
子育ての難しさやそういった要素があるわけでもない。
すべての要素が浅く、薄い。
唯一面白かったのは「パンの中」にジャムを入れただけで
称賛される現代知識イキリくらいだが、
それ以外は特に面白いと感じるシーンもなく、
1話から最終話まで淡々と見てしまう。
キャラデザもどこかで見たようなテンプレ感が凄まじく、
作画のクォリティも悪い。1枚絵としてみればそれなりではあるものの、
戦闘シーンの省略っぷりは凄まじく、
1枚絵と演出を組み合わせて動いているように見せているだけだ。
99%テンプレななろう系作品だ。
残りの1%の子育て要素もとくにトラブルも問題もなく、
聞き分けの良い戦闘能力のある双子を連れ回し、
勝手に育っていく
そんなテンプレと子育て要素を
味わいたい人にはおすすめかもしれないが、
色々と厳しい作品だった。
個人的な感想:ジャムパン
ジャムパンは日本発祥のものらしく、
明治33年に生まれたようだ。
それを考えると中世ヨーロッパ的な異世界で
ジャムパンがなくても不自然ではないものの、
ジャムパンごときであそこまで称賛する流れは薄ら寒さすら感じる。
最近のなろう系は色々と手を変え品を変え、
あまたある作品の中でなんとか特色を出そうと
色々とやっている作品は多いものの、
この作品はテンプレまみれだ。
子育て要素が特色であることは分かるものの、
その子育て要素がうすすぎる。
聞き分けがよく、主人公が大好きな双子で、
子育ての苦労などは一切ない。
そもそも5歳くらいの双子を、いくら双子が強いからと言って
ダンジョンや魔物がいる場所に連れ回す主人公の時点で
作品のテーマと設定が噛み合っておらず、
1クールずっとなんだかなーと思いつつ見てしまう作品だった。
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