映画

ミラクルキュートなサイエンティスト「名探偵コナン 灰原哀物語 黒鉄のミステリートレイン」レビュー

名探偵コナン 灰原哀物語 黒鉄のミステリートレイン 映画
画像引用元:(C)2012 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
スポンサーリンク

評価 ★★★☆☆(50点) 全90分

<TVシリーズ特別編集版>「名探偵コナン 灰原哀物語~黒鉄のミステリートレイン~」上映告知映像【2023年1月6日(金)公開】

あらすじ キーパーソンとなる灰原哀に関するエピソードを抜粋し、彼女の過去に迫る。
引用- Wikipedia

ミラクルキュートなサイエンティスト

本作品は名探偵コナンの劇場総集編映画作品。
灰原哀のストーリーをまとめた特別編集版となる。

灰原哀

映画冒頭からミステリートレインに乗り込んでいる状況から始まる。
かなり唐突感のある始まり方をしており、
前作の赤井さん以上にせせこましい感じの編集だ。

名探偵コナンという長期シリーズのアニメであるからこそ
総集編はある程度は必要であり、前作の赤井さんの総集編映画では
赤井さん関連のエピソードを90分にまとめていた。
ただ90分の枠に収まるほど赤井さんは小さな男ではなく、
それゆえにかなり慌ただしい総集編になってしまっていた。

今作はタイトル通り「灰原哀」の物語をまとめている。
尺は前作と変わらず90分だ。
そんな中でどう灰原哀というキャラクターのエピソードをまとめるかが
気になるところだ。

私の名前は宮野志保!

そんな冒頭からコナン映画恒例の「自己紹介」が描かれる。
前作の赤井さんでもやっていたが、コナン映画の自己紹介を
セルフパロディする形となっており、
総集編映画の最大の見所といえるかもしれない。

灰原哀こと「宮野志保」のこれまでのストーリーを
自己紹介という形で一気に描く方式は悪くなく、
コナンと同じく「組織に生きているとバレたら殺されてしまう」彼女が
江戸川コナンを頼り、灰原哀として生活しているまでの流れと、
コナンの自己紹介もさらっとしてくれる。

更に意味不明な自己紹介セリフに思わず笑ってしまう。

「小さくなっても頭脳は同じ、ミラクルキュートなサイエンティスト」

思わずコナンですら突っ込んでしまう自己紹介は反則だ。

前作と同じく灰原哀の初登場回からこれまでのエピソードを
断片的につなげつつ「コナン」によるナレーションでサクサクと描いている。
初期の灰原哀とコナン、そして少年探偵団とのエピソードは
ほぼカットされてワンシーン程度ではあるものの、懐かしいエピソードばかりで
思わず見返したくなる。

前作の赤井さんの総集編映画は関連するキャラがかなり多く、
そんな赤井さんファミリーの初登場回のエピソードを
ひたすらつなげている印象だったが、今作は総集編映画ではあるものの、
映画の尺はほぼミステリートレインの話に割かれている。

ミステリー・トレイン

ミステリートレインはその名の通り行先不明の列車だ。
車内で起る事件を乗客全員が探偵となって解き明かす、
ミステリー好きならばワクワクするような企画だ。

そんな企画にコナン達が参加することになる。
そんな中で「本当の事件」が起きてしまい、
更に黒ずくめの組織の影もちらつきはじめる。

カットもほとんどないといってもいい。
TVアニメで放送されたミステリー・トレインの回は4話ほどであり、
1時間ちょっとの尺だ、この総集編映画では1時間ほどの尺で
ミステリートレインの回が描かれており、ほとんどカットもなく
そのまま描かれている。

灰原哀がミステリートレインに乗り込む前の事件で、
一時的に元の姿に戻り、その映像が出回った結果、
黒ずくめの組織に狙われる。

安室、世良、赤井、黒ずくめの組織、そして怪盗キッドと、
この回は出演陣もかなり豪華なだけに、
もともとは1話1話放送していたTVアニメではあるものの、
それを繋げれば1本の映画にきちんとなるエピソードだ。

高速で走る電車という密室、
ミステリー・トレインという企画の中で起こった
本当の殺人事件、そして黒ずくめの組織と灰原哀、
1つ1つの要素が映画としての脚本を作り上げている。

元の姿に

この話で灰原哀は終盤、元の姿で登場する。
総集編かつ怪盗キッドが変装した姿とはいえ
灰原哀が元の姿に戻る展開は映画では初だ。
迷宮の十字路から20年以上、映画ではコナンも灰原哀も
元の姿には戻っていないため逆に新鮮だ。

小規模ではあるものの、列車の貨物車が爆破されるシーンも有り、
元はTVアニメのエピソードではあるものの、
もし映画でこのエピソードをやっても見ごたえのあるシーンと
要素が詰め込まれていると感じられる作品だ。

総評:ミラクルキュートなサイエンティスト

全体的に総集編というよりはミステリートレインの回を
そのまま映画として上映しただけという印象も強い作品だ。
前作がかなりせせこましい総集編になっていたが、
本作は総集編としての意味合いは薄くなっているものの、
ミステリー・トレインを集中的に描いたことで映画としての見ごたえが生まれている。

特にミステリートレインの回は登場するキャラクターも豪華だ。
黒ずくめの組織、安室さんや赤井さん、工藤新一の母に怪盗キッド、
そしていつものキャラクターたち、
そんなメインキャラが集うミステリートレインの中で怒る殺人事件と、
灰原哀を狙う黒い影を同時に描くことで緊迫感のある
ストーリーを展開している。

映画としてみるとアクション面ではやや物足りないものの、
一応は爆破シーンも有るため、コナン映画らしさも生まれている。
総集編映画だからこその特別な冒頭の自己紹介や、
コナンのナレーションによる簡単な灰原哀のあらすじなどもあり、
前作に比べて映画として見ごたえのある作品に仕上がっていた。

総集編映画としてみるとやや疑問は残るものの、
黒鉄の魚影を見る前の予習としては悪くない作品だった。

個人的な感想:元太

古いコナンの映像も作中には出てくるのだが、
その中の元太のキャラデザの変化に思わずわらってしまった。
いまでこそ坊主頭という感じだが、初期の元太は頭頂部分がかなり
尖まくっており、三角だ(笑)

そういう時代におけるキャラデザの変化を一気に味わえるのも
総集編映画の魅力かもしれない。

「名探偵コナン 灰原哀物語 黒鉄のミステリートレイン」に似てるアニメレビュー

「名探偵コナン 灰原哀物語 黒鉄のミステリートレイン」は面白い?つまらない?

この作品をどう思いましたか?あなたのご感想をお聞かせください