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「異世界ワンターンキル姉さん〜姉同伴の異世界生活はじめました〜」レビュー

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評価 ★☆☆☆☆(19点) 全12話

TVアニメ『異世界ワンターンキル姉さん ~姉同伴の異世界生活はじめました~』ティザームービー第1弾

あらすじ 現実世界で車に轢かれそうになった少女を助け出した主人公・軍場朝陽は昏睡状態に陥り異世界に誘われ第二の人生を送る。引用- Wikipedia

ワンパターンお姉さん

原作は小説家になろうで連載していた作品であり、
『サンデーうぇぶり』でもコミカライズされている。
監督は髙木啓明、制作は月虹

俺に手を出すな

1話冒頭から主人公がオーク相手にイキりちらかす。
ファンタジーな世界で傍若無人の限りと尽くす彼らに
こんなことをいう

「俺には絶対に手を出さない方がいい、手を出してから
後悔しても遅おい、いいな!ちゃんと警告したぞ!」

そんなイキり散らかす彼に襲いかかるオークが
突然現れた女性に無双される。この世界において彼は強くない。
タイトル通り主人公の「姉」が強い作品だ。
それなのに主人公がイキっている。

わかりやすいなろうタイプの作品だ。
少女を救うために車に轢かれて昏睡状態になった結果、
魂だけが異世界に送られてしまう。
THEテンプレート的な導入だ。

RPG的な世界観、いわゆるナーロッパであり、
ギルドが在り、レベルとステータスが有る。
もう見飽きたと感じるほどベタベタな世界観だ。
唯一違うのは主人公自身が弱いことだ。

クエストに参加しモンスターを討伐しようとしても
彼は倒すことが出来ない。
大ピンチの中で姉の名を叫ぶと、姉も異世界になぜか現れて、
姉はチートの限りを尽くす。

姉自身は昏睡状態になった主人公のうわ言をきき、
異世界に行ったと確信した彼女は自らも昏睡状態になり、
異世界へと訪れる。1話から色々と突っ込みどころが凄まじい。

現世の人間は死後や生死をさまようと異世界に訪れるという
設定ならばまだわかるのだが、
特に主人公と姉以外はこの世界に訪れているわけでもない。

なぜ姉だけがチートじみた力を持っているのか、
そういった設定すらねられていない。
ガバガバな設定のせいで、この世界に対する没入感が一切生まれず、
イキる主人公とそんな主人公を過剰に甘やかす姉に好感も持てない。

ブラコンゆえの過剰な姉の接し方がギャグにもなっており、
セクハラじみた彼への接触や姉のチートな行動を
弟が突っ込むことでギャグにしている作品だ。
序盤の段階でかなりギャグもパターン化している。

作画

1話から作画のクォリティの低さを感じるが、
それだけでなく独特の色味で作品が彩られている。
なんともいえない青みがかったとも緑がかったともいえるような
色合いはかなり癖があり、その色味の強さと作画の悪さ、
更にキャラクターデザインも洗練されてないせいで、1話から癖が強い。

戦闘シーンも頻繁に挟まれるものの、
特にアニメーションとして見応えがあるものではない。
きめるシーンや見せたい部分の作画が一瞬だけよくなることもあるが、
その一瞬が有るだけに余計に普通のシーンの作画の悪さも目立っている。

1話をすぎると作画のレベルもどんどんと下がっていき崩れがちになる。
明らかに作品全体の予算が低いのをみてて感じるほどであり、
逆に言えば制作側も少ない予算で工夫をしていると捉えることもできる。
見せるシーンにリソースを注ぎ、それ以外のシーンは
エフェクトやカメラアングルを駆使しながらなんとか制作している印象だ。

第二の姉

2話になると新キャラが出てくる。
魔族の四天王的な存在の彼女を、主人公は戦闘中に姉と勘違いをし、
そんな彼を彼女が気に入る。
そんな彼女に対しても姉はワンターンとはいかないものの勝利する。

1ターンキルお姉さんのはずなのにワンターンではないパターンが
序盤から出てくるせいで、やや出オチ感が溢れてしまっている。
設定からしてギャグアニメタッチであり、
細かいツッコミどころは無視して話が進むものの、
その話自体も面白みは薄い。

主人公がこの世界をゲーム感覚で楽しんでるせいも在るせいもあり、
淡々とクエストをこなしている印象だ。
この世界で強さや冒険者ランクを偽装することは罪なようで、
主人公は姉のせいもあって自身の強さ以上のランクになってしまっている。

本当の自分の強さがバレないように姉にカバーしてもらいつつも、
「いつまでも姉に頼っていられない」という考えが常にある。
しかし、一人でなんとかしようと思っても、
大ピンチになってしまい、結局は姉に助けられる。

このパターンが序盤から繰り返されており、
あとは状況が変わるだけに過ぎない。
作画もどんどんと悪くなり、引きの絵とアップの絵の多さが
どんどんと目立ってくる。

ハーレム

序盤の段階で魔族の姉が仲間になり、
彼女も主人公と行動とともにし姉とともにチートの限りを尽くしている。
ただでさえ姉だけで戦力は十分なのに、
そこに魔族の姉まで加わるせいもあって主人公の活躍はより減ってしまう。

中盤になると主人公を勇者と崇める僧侶も仲間になる。
二人の姉たちにお膳立てしたもらいながら強者といつわり、
僧侶に更にみこしを担げられる。

終盤に差し掛かる前にはお嬢様剣士とメイドが出てくる。
話が作れなくなると新キャラを追加する。
ギャグアニメにありがちなキャラの出し方をこの作品はやっている。

キャラクターが増えるとワチャワチャ感が生まれて
盛り上がってくる作品も中にはあるものの、
この作品は特にそういうことはない。
ただ増えるだけだ。

そんな増えたキャラをくわえながらハーレムラブコメ的な状況になり、
お風呂イベントや水着イベントを繰り広げているのが終盤だ。

何も進まず

最終話は魔族によるスライム水害が発生する。
1クールで出会った仲間たちとともに、街を守るために戦う。
一応、1クールで主人公は少しだけ成長している。
姉に頼りきりだった彼が、彼女とともにレベルを上げ、
スキルを獲得し、それなりに戦えるようになっている。

彼は「姉」のことが好きだが、同時に「姉」に
助けられてばかりの自分を情けないと思っている。
そんな彼の成長が少しずつ描かれているからこそ、
1クール見れた部分はあるものの、
結局最後までやってることはほぼ変わらない。

元の世界に戻るために紛争するわけでもなく、
ただただキャラクターが増えながらブラコンな姉に
見守られる1クールをみ続ける作品だった。

総評:通常攻撃がチートでブラコンのお姉さんは好きですか?

全体的にみて作品全体はかなりの低予算で作られていることを感じる。
制作側としてはそれを前提として、ところどころ作画に力を入れつつ、
日常シーンで手を抜けるところはガッツリと抜きながら
なんとか1クール描ききっている印象だ。

ストーリー的には1話で出オチというより、
タイトルの時点で出オチしているような感じだ。
異世界にきたは良いもののチート能力を持ってるのは姉であり、
そんな姉に愛されつつ、彼女のセクハラじみた接触や行動を
ギャグにしつつ主人公は突っ込んでいる。

序盤の段階でパターン化しており、
あとはネタ切れになる前にキャラクターが追加される。
お風呂回や水着回など定番のイベントをいれつつ、
最後には俺たちの戦いはこれからだで終わらせている作品だ。

良くも悪くも「なろう系」らしい作品であり、
それ以上でもそれ以下でもない。
脳死でみられる部分はあるものの、来週にはキャラの名前も
内容も全て忘れ去ってしまいそうな作品だった。

個人的な感想:通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?

この作品をみて思い出したのが
「通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?」だ。
あの作品は「なろう系」ではなくラノベ原作の作品だが、
やってることはほぼ変わらない。

あの作品と比べると、姉のチート感の表現も甘く、
「お母さん」という属性を活かしながら話を作り上げていた。
この作品はシスコンや姉萌的な要素もあるのかもしれないが、
いまいちそういったフェチズムのようなものも感じず、
ストーリーの方向性も定まっていなかった。

もう少し話が進めばそういった面白みも強まってくるかもしれないが、
1クール全12話では出オチ感だけしか
残らなかった印象の作品だった。

「通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?」レビュー
評価 ★★☆☆☆(21点) 全12話 あらすじ 主人公・大好真人は若過ぎる見た目の実母・真々子を「母親」と思えず苦手意識を持っていた引用- Wikipedia

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  1. 匿名 より:

    汚いお母好き。
    ヒロインたち以上に主人公がムカつく。馬鹿過ぎてシンプルに呆れる