「テクノロイドオーバーマインド」レビュー

評価 ★★☆☆☆(37点)

TVアニメ『テクノロイドオーバーマインド』PV

あらすじ人口減少のため、労働をロボットやアンドロイドに担わせることが推奨される世界。引用- Wikipedia

キワモノSF男性アイドル

本作品はサイバーエージェント、エイベックス・ピクチャーズによる
メディアミックス作品。
メディアミックスの１つとしてTVオリジナルアニメが制作されている。
監督はイムガヒ、制作は動画工房

この作品の舞台は近未来だ。
「アンドロイド」が人間のパートナーとして当たり前の存在する世界だ。
そんな世界で１話冒頭からどばっとキャラクターが出てくる、
イケメンな４人兄弟なアンドロイドである彼ら。
独特な髪色と癖のあるキャラクターデザインはやや人を選びそうな感じだ。

彼らは「持ち主」のいないアンドロイドであり、
電気代も滞納してしまっており、お金もない。
このままでは「電気」で動く彼らにとっては死を意味する。
「行動リクエスト」がなければ彼らは自らの意思で何かをすることもできない。

そんな彼らはサポートAIの行動リクエストをうけ、
「バベル」でお金を稼ぐところになるというところから
物語が始まる。

ここまでSF的な設定を見せてくるのだが、
この作品は結局「男性アイドル」ものだ。
バベルでは歌い踊り観客を魅了しステージをクリアすれば
賞金や栄光を得ることができる。

SF設定はあるものの結局はいわゆる男性アイドルものだ。
だが、アンドロイドであるがゆえに彼らはうまく
パフォーマンスができない。
歌うものもバラバラ、踊りもバラバラ、
グループとして一切まとまっていない。

しかし、同じアンドロイドでも
素晴らしいパフォーマンスを見せるグループも居る。
このアイドルシーンは「あんさんぶるスターズ!」を一瞬、
彷彿とさせるようなライブシーンだが、
結局はそんな過去の男性アイドルで見たことのあるようなシーンでしか無い。

手を変え品を変えているが、やりたいことは
「男性アイドル」ものなんだなと感じるような１話は
キャラクターデザインの突飛さとあいまって
あまり良い印象は受けない。

そんな中で彼らは「父」を亡くした少年と
出会うところから物語が動き出すものの、
色々と突飛な展開だ。

アンドロイドである彼らが不器用に人間としての
心に目覚めながらアイドルを形にしていくという
ストーリーならまだ飲み込めたかもしれないが、
父を亡くした少年がでてくることで物語の方向性が
よくわからなくなってくる。

１話の終盤では彼らのライブシーンが描かれる。
少年との交流で彼らは１つの歌を歌えばいいと気づき、再びバベルに挑む。
フルCGで描かれるライブシーン自体はよく動いているもの、
最近のアイドルアニメとしては「普通」であり、特にこれといった特徴がない。

そもそも最初はバラバラの歌をうたい、バラバラの
パフォーマンスをしていた彼らが急に
同じダンス、同じ曲を「パート分け」までして歌う様子は
いくらアンドロイドという設定でも違和感がものすごい。

結局、１話の時点では有象無象のアイドルアニメの
キワモノの１つだなくらいの印象しか残らない作品だった。

全体的に見て微妙な印象の残る１話だ。
近未来のSFを舞台にし、主人のいないアンドロイド４兄弟を主軸に
彼らが電気代を稼ぐためにバベルというなの
エンターテイメントライブに挑むという流れなのはわかるが、
結局は全て男性アイドルものをやりたいだけの設定だ。

序盤こそアンドロイドであるがゆえの
バラバラなライブシーンなど、この作品の設定だからこその
特色があったのだが、１話の終盤には完璧なライブシーンを
こなしてしまっており、アンドロイドだからなのはわかるが
このあたりの成長の過程があまりにもあっさりとしすぎている。

ライブシーンはフルCGでよく描かれてはいるものの、
それ以上でもそれ以下でもなく、
どこかで見たことのあるライブシーンでしかなくなってしまっている。
１話の序盤のライブシーンのほうがよっぽど特徴があったが、
それも１話の終盤にはなくなってしまっている。

日常パートの作画のクォリティは普通であり、
癖がありすぎるキャラクターデザインもどうも受け入れきれず、
キャラクターにもストーリーにもいまいち
はまりきれない１話だった

１話の段階ではピンときていないが
SF要素が強まってくれば面白くなるかもしれない。

このままアイドル要素が強くなってしまうと、
設定自体はキワモノだがよくある男性アイドルアニメで
終わってしまいそうなだけに、２話以降でSF要素が深まっていくいことを
期待したい作品だ