旦那が何を言っているかわからない件

見出して感じるのは「さむいな～」という感想だろう。
いわゆるオタクをテーマにした作品で、更にそこに「結婚生活」という要素を入れている
ネットスラングやオタク用語を多用しながら１話１話を更生しているのだが、
「ありがち」でよく見るネットスラングの数々は
面白さというよりも「滑り」まくっている。

基本的にボケまくりでありがちなオタネタをいれており、
「ツッコミ」が居ないためボケが常に締まらない。
だらーっとボケてだらーっと状況が変わって、だらーっと終わる
オタクな旦那の「オタク」のキャラクター付も非常に浅く、
「だお」などの語尾で表面的なオタクに見せているだけにすぎない。

正直言ってテンポと見せ方が悪い。
１話「３分」という短編アニメの中に短いネタをたくさん入れているのだが、
３分なのにダレてしまっている。
本来はもっと「アニメ」にするにあたって膨らまさないといけない部分を膨らまさず、
恐らく原作そのままアニメにしてしまっているため「動き」の面での面白さもほとんどなく、
「ぼわー」っと画面にモヤがかかったような画面効果をつけている意味もわからない

ストーリーも都合のいい展開ばかりで「リアル」さがない。
旦那が仕事をやめても、都合よく次の仕事が見つかって、都合よく妻も受け入れる
そこに「面白み」が一切なく、どこで笑えばいいのか、どこで愉しめばいいのか分からない
旦那が仕事をやめて妻がそれを責めるような展開にでもなればストーリー性が生まれるが
特にそういうストーリーの起伏がなく、
都合のいい展開で都合のいいキャラクターの反応で都合のいいストーリーを展開している

シリアスな話もあるのだが、その時の雰囲気が無駄に重い。
夫婦愛を描きたいのかもしれないが妙に「重すぎる」ストーリー展開は
唐突に雰囲気が変わりすぎて引いてしまうレベルだ
ただの「過労」なのに大病を患ったような描写になったり、
演出や「作品の雰囲気作り」があまりにもズレてしまっており
話によって「？」となるストーリー展開も多い。

全体的にすべての要素が浅い。
夫婦生活という要素も、オタクという要素も、ラブコメ要素も、
何もかも中途半端で「掘り下げ」が一切なく表面上の要素だけでストーリーを構成し、
そこに浅いキャラクター設定のキャラクター同士が都合のいい会話を繰り広げる
毒にも薬にもならない、淡々としたストーリーで終ってしまう。

結局タイトルにある「旦那が何をいってるかわからない」という要素は
序盤で早々にネタ切れしたのか中盤以降はほとんどなくなり
夫婦生活を淡々と描いているだけにすぎない。
だったら最初から「オタク要素」を排除いてダメな夫としっかりした妻の
夫婦生活なストーリーでも良かったはずだ。
思い出したかのように出てくるオタク要素は薄ら寒いレベルだ

話が進めば進むほど無駄にキャラクターが増えるが、その増えたキャラクターを全く活かさず
たまに思い出したかのように登場するため「ダレだっけ？」というキャラも多い
毎話毎話「ネタを必死に考えて何とか話を作り出しました感」が物凄く伝わり、
必死感は伝わるが、面白みはない。

ストーリーも「別にそこは描かなくてもいい」「そこを描いて欲しいのになぜ描かない」
というストーリーがあまりにも多い。
夫婦が付き合ったキッカケみたいなのもの描かれず、どこを好きになったのかもわからない。
夫婦の過去が描かれるのにその過去の中でそういったものが描かれない
妙に重苦しいストーリーを展開したかと思えば、
その重苦しい状況をどう「打破」したのかが描かれない。

物語の序盤、中盤、終盤でストーリーの方向性が全て違う。
作品の軸がブレにブレまくっており、
毎話毎話「その場限り」のネタと「その場限り」のストーリーになってしまっており
作品としての統一感がない

キャラクターデザインもおかしい。
特にヒロインの義父は「おいくつですか？」と年齢を聞きたくなるほど若く、義父に見えず
サブキャラクターの「年齢」が見えてこない
妙に幼いキャラデザや妙にくせのあるキャラデザなども多く、
キャラクターデザインにも統一感がない。

本来作品を評価する上で別作品を出したくはないのだが、
同じような作品で「監督不行届」という作品があり、
そちらのほうが先にアニメ化され、見てしまっただけに
この作品の「洗練されてない」部分ばかりが余計に目についてしまった。

一応２期が決定しているが、最初から想定された分割2クールなのだろう
２クール目が終った後に一応再レビューの予定だが、
この作品が劇的に面白くなる可能性は低そうだ。