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「ある朝ダミーヘッドマイクになっていた俺クンの人生」レビュー

2.0
セクシー

評価 ★★☆☆☆(32点) 全12話

【アニメPV】「ある朝、ダミーヘッドマイクになっていた俺クンの人生」

あらすじ ASMR甲子園出場を目指す高校生、浅草ゆりと、そんな彼女をどこか冷ややかに見守る蔵前ぱんだゆりとぱんだ引用- Wikipedia

ASMR版僧侶枠

本作品はTVアニメオリジナル作品。
ASMRを題材にした作品であり
「180秒で君の耳を幸せにできるか?」と同じ制作陣が制作している。
監督は葛西良信、制作は INDIVISION、EKACHI EPILKA
1話5分ほどの短編アニメ

転生

1話早々、とんでもない状況から始まる。
主人公はトラックに跳ねられて死亡したかと思えば
「ダミーヘッドマイク」に転生する(笑)

それだけならまだ飲み込めるのだが、
主人公が転生したのは「ASMR部」のダミーヘッドマイクであり、
彼女たちは「ASMR甲子園」優勝を目指している。

この文章を読んだ人は大混乱したことだろう。
ASMRとは簡単に言えば耳かきの音など「ぞわぞわ」する音を
特殊なマイクで録音した音声のことだ。
そんな「ASMR」で甲子園というのはどういうことなんだろうか(笑)
内容よりもそっちのルールや対戦方法のほうが知りたくなってしまうが、
残念ながらASMR甲子園は一切描かれない。

杉田

前作ともいえる「180秒で君の耳を幸せにできるか?」は
やや音量バランスが悪く、ASMR感をあまり感じられなかった。
しかし、今作ではそのあたりが調整されたのか、
「耳かき」されている音をちゃんと感じることができ、
特にヘッドホンやイヤホンなどを使用すると「ASMR」感を味わえる。

2作目だからこそ1作目の欠点を改善している部分があり、
前回がただただいろいろな女の子が「ASMRにはまったあなた」のために
ASMRに挑戦するという話だったが、
今作では「ダミーヘッドマイク」に転生した主人公だからこそ
ASMRを味わっているもののリアクションや反応の描写にもつながっている。

1作目はかなりシュールだったが、
2作目はそのシュールさがやや薄まりギャグ要素が強くなっている。
主人公を演じているのも「杉田智和」さんであり、
やや彼にしてはアドリブやリアクッションなどの演技は抑えめではあるものの、
彼だからこその「変態性」を感じることができる。

主人公はなぜかダミーヘッドマイクだけではなく、
2話では「自転車のサドル」だったり、「鶏肉」だったり、
話が進むごとに色々なものに魂とも言えるものが乗り移っていく(苦笑)

百合

一作目よりもキャラ描写を深めようとしているのはわかるものの、
今作はそもそもの「ASMR」要素が薄い話が多い。
2話目など一瞬サドルに跨がられる音が流れるくらいで、
「ASMR」よりメインキャラ同士の百合っぽい関係性のほうが
メインで描かれすぎている。

ASMR要素もかなり謎だ。
1話は耳かき、2話はサドル、3話は鶏肉、4話は枕と、5話はおしゃぶり、
6話はメジャーと「ASMRとは…?」となるような物を
通した音声が流れることが多い。

ASMRとしてはかなりシュールな感じになってる一方で、
この作品で描きたいことは「百合」だ。
JKな彼女たちの日常を「ダミーヘッドマイク」に転生した彼が覗き見る。
ASMRはおまけだ。

1話5分のアニメとしては主人公を除けばキャラは6人と多いものの、
それぞれの秘めたる思いを少しずつ描きながら、
発展しない関係性を楽しむようなものになっており、
ほどよい百合要素をサクッと楽しめるような作品だ。

最終話もこの作品のシュールさを百合みを限界まで
開放したような内容になっており、
「体」を得た「ダミーヘッドマイク」にお姫様抱っこをされ、
バレンタインのチョコを渡すという意味不明な展開に大爆笑して終わる作品だった。

総評:ASMR甲子園ってなんだよ…

全体的にみて一作目よりも改善されている部分がある一方で、
今作はASMR要素がかなり薄味になっており、
本作品のテーマや方向性として「それでいいのか?」と
疑問に感じる部分はあるものの、キャラ描写を深め、
そこに百合テイストを入れたことで作品としてのまとまりが生まれている。

転生したらダミーヘッドマイクになっていたという
シュールな展開、色々なものに魂が乗り移り、
時にささやかれ、時にしゃぶられ、時に食われる主人公というのは
前代未聞な感じもあり、そんな主人公を杉田智和さんが演じているからこそ
ギャグ要素も強まっている。

作画のクォリティやキャラクターデザインは
最近のアニメっぽさはなく、このあたりはやや低予算感はあるものの、
有名女性声優を多く起用し、そんな彼女たちのASMRを
聞けるというのが本作品の利点なのだろう。

ただ、どちらかといえばこの作品は「宣伝」をするためのアニメだ。
前作もそうだった、今作も登場キャラクターによる
ASMRがDlSiteなどで販売しており、
そちらを売るための宣伝としての重きが強いアニメだった。

個人的な感想:僧侶枠?

そういった意味では「僧侶枠」的な作品なのかもしれない。
もう少しシュールさやギャグ部分が最終話のように
突き抜けたものが全体にあれば違った印象を受けたかもしれないが、
作品全体として薄味な感は否めない部分がある。

今後もシリーズ化していくのだろうか?
ASMR版僧侶枠のような作品になっていくことを
個人的には期待したい

「ある朝ダミーヘッドマイクになっていた俺クンの人生」は面白い?つまらない?

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