「CUE episode1 はじまりのはじまり」レビュー

評価 ★★☆☆☆(38点)

TVアニメ『CUE!』PV第1弾

あらすじ実績も経験もない、できたてホヤホヤの声優事務所『AiRBLUE』（エールブルー）。引用- Wikipedia

半熟卵
1. １６人は多い
2. 演技
総評：半熟卵
1. 個人的な感想：どうなるか…
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半熟卵

原作はソーシャルゲームな本作品。
監督は片貝慎、制作はゆめ太カンパニー、グラフィニカ。
なお原作のソーシャルゲームはサービス停止中であり、
約１年間停止中のままアニメの放送が開始した。

１６人は多い

この作品は「新人声優」の物語を描いている作品だ。
１話冒頭からそんな「声優」の仕事が描かれている。
架空のアニメにアフレコしている様子が描かれているのだが、
だらーっと描かれてしまい１話の始まりとしての印象は薄い。

作画のクォリティもあまり高くなく、のぺーっとした作画で描かれており
遠いアングルからの作画はかなり怪しいものがあり、
あまり予算をかけられていないであろうことを察せる。

キャラクターデザインも悪く、新人声優たちは「１６人」もいるのだが
どこかで見たことのあるようなキャラクターデザインでしかなく、
なんの特徴もない。外見の特徴でキャラクターの印象がつかず、
１話からそんなメインキャラクターを全員どばっと出してしまう。

キャラクターの設定自体も「厨二病」など使いつくされた設定の
キャラクターでしかなく、ゾロゾロゾロゾロと
無個性のキャラクターが出てきて、さらっと名前を紹介されるが
これでキャラクターの名前を全て覚えられる人がいるのだろうか。

これが1クールのアニメだと流石に厳しいものがあるが、
2クールであることを考えればこのキャラ数でも問題ないかもしれない。
１話の段階ではそのあたりはまだわからないものの、
ただ２クールであることを考慮しても「多い」と感じてしまう。

１６人の声優の卵。彼女達はあくまで卵だ。
はたしてその卵はきちんと孵るのか。
リアルな声優モノなら事務所をクビになったり退所したりするような
展開があるかもしれないが、この作品は原作がソーシャルゲームであることを
考えればおそらくそういった展開はないのだろう。

演技

１話から彼女達は特別なレッスンを
ぶっつけ本番で「ハムレット」を演じることになる。
彼女達にレッスンする先生の演技で、主人公が演技に
飲み込まれるというシーンなのだが、ただ大げさな演技なだけだ。

作中のキャラクターは名演技として感じてるシーンが
見てる側にはただの大げさな演技にしか感じず、
キャラクターを演ずる声優さんたちの演技力が追いついていない。

「確かに見えた！デンマークの王宮が！」

そこまで称賛するほどの演技ではないのに称賛されてしまうのは
見てる側とのズレをうんでいる。
先生だけでなく声優の卵の１人の演技も褒められているが、
まったくすごいとは思わない演技だ。

特にひどいのは六石陽菜の演技だ。
彼女がハムレットを演じ始めるとまわりのキャラクターが
「はっ」と息を呑みハムレットの世界に飲み込まれるのだが、
びっくりするほど演技力がない。
滑舌も悪く、声の通りも悪く、さけんだときの演技は特に酷い。

これが「声優を目指す少女」でまだ事務所にも入っておらず、
養成所に入りますというのならばわかるが、
キャラクターたちの設定としての「演技力」に
そんなキャラクターを演じる声優さんの演技力がまるで追いついておらず、
そのせいで見ている側の感情とキャラクターたちの感情に
大きな差が生まれてしまっている。

そもそも立ち上げたばかりの新設声優事務所が１６人も卵とはいえ
採用するのはやや無理がある。
色々と大人の事情もあるのかもしれないが、
今後ストーリーの中で１６人の魅力がつたわることを期待したい。

総評：半熟卵

全体的に見て、ソシャゲ特有のキャラクター数の多さや
色々と無理のある設定は気になるものの１話の段階で判断してしまうのは早い。
原作のソシャゲがサービス中止中にも関わらず、2クール構成というかなりの
冒険をしており、２クールと考えれば１６人というキャラ数の多さは
そこまで気にならなくなるかもしれない。

しかし、キャラクターデザインの悪さや作画のクォリティの低さ、
中の人の声優さんの演技力までも卵な部分はかなり気になるところであり、
新人声優が新人声優というキャラクターを演ずるのは悪くないものの、
シーンによっては中の人の演技力とキャラの演技力の差が生まれてしまっている。

2クールという尺の中でキャラクターも、そして演じている声優さん達も
成長していく、そんなアニメになることを期待したい。