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「テスラノート」レビュー

3.0
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評価 ★★★☆☆(45点) 全12話

TVアニメ「テスラノート」ティザーPV.

あらすじ トーマス・エジソンも認めた天才科学者ニコラ・テスラは、その発明の全記録を「テスラの欠片」と呼ばれる水晶へと保管した。時は流れて現在。引用- Wikipedia

闇鍋

原作はマガジンポケットで連載中の漫画作品。
監督は福田道生、制作はギャンビット

CG

この作品はCGと手書きの作画、両方を使い分けて描かれている。
この時点で普段、アニメを見いている方なら1つの作品の名前が
頭に浮かぶはずだ。

そう「エクスアーム」である(笑)
あの作品はフルCGで描かれたキャラの横に手書きの作画のキャラが居る
という強烈に違和感の生まれる作画だった。

この作品も同じだ。
手書きの作画の部分もあればフルCGの部分もあり
強烈な違和感が生まれている。
9割型CGで描かれているが、ほんの1瞬、1シーンだけ
手書き作画になる違和感は半端なく、CGのクォリティも恐ろしく低い。

おそらくだがCGで予め作られている表情のパターンが数パターンあり、
そのパターン以外の表情にしないといけないときにだけ
手書き作画にしているのだろう(笑)

素人がニコニコ動画にMMDで作ったレベルのような
「ぬるぅー」っと動くCGは独特の気持ち悪さすら感じさせ、
見てると酔ってくる、三半規管を刺激してくるタイプのアニメだ。
アニメというよりはPS3、いやPS2くらいのクォリティの
ゲームのイベントシーンを見ているかのような感覚になる。

この作品で1番クォリティが高いのは6話に出てくる
「クッション」である。
無駄にクォリティが高く、まるで実写のようなクッションだ。
というより、もしかしたら実写取り込みかも知れない(笑)

忍者

ストーリーも異様なまでに唐突だ。主人公が家に帰ると「忍者」に襲われる、
主人公は幼い頃から祖父に「忍者」として育てられていたらしく、
祖父いわく「世界を救う時が来た」らしい(笑)
最高の諜報員、忍者として育てられた彼女は日本安全振興株式会社とともに
「ミッションT」を遂行する。

何を言ってるかどうかわからないと思うが見ても意味がわからない(笑)
CGと手書きの融合作画、わけのわからない唐突なストーリー、
荒唐無稽感が凄まじく笑いを隠しきれない。
そんな忍者な主人公のもとにどんどんと仲間の諜報員が集まり、
彼らとともに「テスラのかけら」を集めるミッションを遂行することになる。

テスラのかけらは不可解な現象を巻き起こす危険な物質であり、
唐突なワープを巻き起こしたりするものだ。
いわゆる「スパイもの」として基本的なストーリーは分かるものの、
色々と唐突な展開とツッコミどころが多すぎてストーリーがまるで頭に入ってこない。

例えば2話、子供が「テスラのかけら」を拾ってしまう。
子供は母親を失い父親と二人暮らしだが貧乏で借金まみれだ。
そんな子供に主人公たちは「お金」を渡しテスラのかけらを譲ってもらおうとする。
それなのに子供は「死んだ母親に見せたい」と言い出し電車に乗り
お墓までわざわざ勝手に行こうとする(笑)

キレイだから死んだ母に見せたいという謎の理由で
作り出さる大ピンチな状況づくりが無理やり過ぎて
ストーリーにまるで集中できない。

妙に…

テスラのかけらが巻き起こす事故や事件を解決しつつ
彼女達はテスラのかけらを回収していく。
その中で同じくテスラのかけらを回収している組織も現れ、
世界をめぐる「テスラのかけら」
ちなみにテスラのかけらは全部で何個あるかも不明だ(苦笑)

キャラクターの一人ひとりが妙に濃ゆく、
メインキャラの1人は
「君たちには荷が重い、レゾンデートルのパーティーに参加できるパーティーではない!」
などと謎の横文字を連呼するようなキャラも居る。
ちなみに敵にも横文字を連呼するキャラが出てくる、意味不明である。

主人公である「根来 牡丹」も妙に可愛らしく、
忍者として育てられた彼女が不器用に他者を関わる様子が可愛らしい。
作画はアレだが、キャラの濃さや、荒唐無稽なストーリーと
妙に癖になる面白さがある。
例えマフィアであっても命を救おうとする良い子だ。

マフィアが出てきたり、テスラのかけらのせいで死傷者も出てるのに、
そんな状況でも主人公は飄々としており、
ギャグチックなシーンや台詞も多く、
CGの作画の違和感もあわせて「シュールさ」が生まれている。

例えばテスラのかけらで力を得て「神」を自称し、
主人公を誘拐し彼女の前でナイフをちらつかせる。
拷問でもするのかと思いきや「りんご」を剥いて食べさせる(笑)
ちなみに食べさせた理由は大切な人質であり生きていてほしいからである。
たった1,2時間しか経過していない状態で空腹を心配する神だ(笑)

このテスラノートの妙なシュールさに気づくと、
見れば見るほどたまらない作品になってくる。

「ははは!こいつぅ!」

などという台詞を令和になっても聞くことになるとは思わなかった。
声優も異様なまでに豪華であり、
諏訪部順一、石田彰、神谷浩史、伊藤静、 小野友樹、能登麻美子、
古谷徹、小野大輔と意味不明なくらいの豪華さだ(笑)

そんな実力派の声優たちがシュールな会話を繰り広げているのが
妙にたまらない。

頼む!持ってくれ予算!

終盤になると明らかに「予算」が尽きかけているのがわかる。
フルCGで制作されているのに「止め絵」のワンカットを挟むシーンが
どんどん増える(笑)
CGアニメなのに止め絵というのはエクスアームの手書き作画の同居と
同じく異例中の異例だ。

ストーリー的には終盤「意外なキャラ」の裏切りや、
主人公の両親の問題も顕になり、
スパイものとしてしっかりと盛り上がりのある展開を生んでいる。

しかし、その反面でノリは相変わらずだ。
絶対に父親だと思ってたキャラが父親ではない(笑)
終盤の終盤のめちゃめちゃシリアスな場面で、
そんな「ギャグ」をぶち込んでくるのがこの作品だ。

しかし、最終話の作画はひどい。
手書きの作画とCGの併用も多くなることで違和感が生まれ、
映像が一瞬「カクカク」になる瞬間すらあり、
キャラの顔のアップだらけだ

1番ひどいのは「空」の多用だ。
シーンを描くのが面倒くさくなったのが
例えば「テスラのかけら」を人間に差し込むというシーンが有る、
そのシーンを描く時間も予算もなかったのか、そのシーンは
「お空」が映る(笑)

これが1度だけならともかく、何度も何度も空が映る。
最終話は新海誠作品ばりにきれいなお空の映像ばかりだ。
軽く数えただけで5回ほど空を映している。

止め絵の連続、お空の連続、キャラの顔のアップばかりで
キャラクターの「動き」というのを一切見せない最終話のクォリティは
ちょっと見ていて笑ってしまう。
決定的なシーンを「空」で代用するアニメ、あまりにも
斬新すぎる映像のクォリティに最後まで笑みが絶えない作品に仕上がっていた。

総評:お空キレイ….

全体的に見て、作品全体からただよう「シュール」感におかげで
最後まで見れてしまった作品だ。
どこか歯の浮いた台詞回し、ツッコミどころ満載のストーリー、
令和の作品とは思えないほどのキャラ同士の会話や台詞の数々、
そして「フルCG」で作られているのにクォリティの低すぎる作画。

予算が少なかった結果こうなったことはわかるものの、
逆に「あえて」こういうクォリティに仕上げたのでは?とすら
最後まで見てしまうと感じてしまうほどCGのクォリティに見合う
ストーリーと台詞回し、そしてキャラクター描写になっている。

いい意味で「作品全体のバランス」が取れており、
冷蔵庫にあったあまりものを何もかも打ち込んでオーブンで焼いたら
見た目は最悪だが味は奇跡的に美味しかった料理のような
妙な感覚を覚える作品だ。

結果的にこんなクォリティになってしまった作品だがその結果が悪くない。
序盤こそ低クォリティなCGやツッコミどころの多い脚本に
慣れないせいでおもしろさが伝わりにくいが、
3話、4話とみていくうちに「テスラノート」という作品の面白さに
ハマってしまう…かもしれない。

個人的な感想:面白いエクスアーム

エクスアームと比較されてばかりのこの作品だが、
意外と見てみると悪くないどころかシュールさを最後には楽しんでしまっており
ワンカットで手書きになるのも、止め絵ばかりになってしまうのも
お空ばかり映るのも何故か許せてしまう、
むしろテスラノートならそれでいいとすら思ってしまう不思議な作品だ。

2期があるかどうかはわからないが、
もういっそのことこのクォリティのまま劇場版テスラノートを
制作したら鬼滅の刃を超える売上になるかもしれない(笑)

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出演声優 小原好美, 鈴木達央, 前野智昭

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  1. Mark-X より:

    まったく同じような感想です。
    なんか全体的に微妙。ですが愛すべきキャラがたくさんいて私は好きです。2期が来るならもっと頑張ってほしいと思います。

  2. ゆる より:

    初めはエクスアーム2期とか言ってましたが(笑)見てみると意外と面白かったので2期やって欲しいなと思います。
    何気に声優さんが豪華だったし。

  3. ぶたぶた より:

    ヒロインが小原好美さんなので全話観ました
    ストーリーや作画はともかく、小原さんのファンならば一応観ておいて損はないかな?小原さん演じる牡丹ちゃんは可愛いです(まぁ、ソレだけとも言えますけどね)

  4. 匿名 より:

    小原ファンではないが牡丹は確かにかわいかったw
    それだけで完走できた程度には。

  5. ライジングさん より:

    PS4でやったペルソナ5や龍が如く極のようなCGでとても良かった。
    自然な動きのキャラクターがアニメである事を忘れさせる。
    カメラアングルも躍動感があり良かった。
    ストーリーは普通。