評価 ★★☆☆☆(25点) 全12話
https://www.youtube.com/watch?v=DxTNKGCMD8U
あらすじ 女子高生のゲッコーちゃんこと澤家月光は、ASMRの世界に入ろうと、ついにダミーヘッドマイクを買った。引用- Wikipedia
切り取った頭部が主人公!?
本作品はTVアニメオリジナル作品
監督は葛西良信、制作はINDIVISION、エカチエピルカ
ASMR
この作品はここ数年一部の人達の間で流行っている
「ASMR」を題材にした作品だ。
ASMRというのが何かしらない人のために説明をすると、
シンプルに言えば「ぞわぞわ」するような音だ。
YouTubeで検索してもらうと腐るほど動画が出てくるが、
人がりんごを食べるときの音や耳かきをするときに聞こえる音などを
ヘッドホンやイヤホンで聞くことで脳がざわつくような感覚になり、
人によってはそれがある種の「いやし効果」になり、
入眠導入などにも使えるようなものになっている。
ただ最近ではそこにくわえ萌声なVtuberなどが視聴者に向けて
ささやくような声で動画を多く出しており、
ものによっては性的なコンテンツに近いものもある。
ASMR動画がYouTubeによって性的コンテンツとみなされ
人によってはアカウントがBANされたりすることすらある。
そういったASMR界隈の盛り上がりを受け、
あえて「アニメ」でASMRをやるというこの作品の心意気は
評価したいところだ。
吐息
1話冒頭から声優さんの「はぁはぁ」という吐息が聞こえてくる。
この作品は見るときにヘッドホンを推奨しており、
ヘッドホンまたはイヤホンで聴くからこそのダイレクトな
吐息、そして「耳かきされる音」だ。
しかし、ちょっと意味不明な音量のバランスをしている。
1話でヒロインがダミーヘッドマイクに対し耳かきをしているのだが、
そんな耳かきの音よりも声優さんの独り言のほうが音量が大きい。
そのせいで肝心のASMRよりも声優さんのセリフのほうが大きく、
ASMRの「囁き」ではなくただの喋りだ。
「お耳の奥…このへんかな…ここいい音出てるね」
と言われても、耳かきの音が小さすぎていい音とは思えず、
ASMRを聞いた際のゾワゾワ感もあまり感じない。
ASMRそのものの音をよく聞こうと音量を上げると
最後のエンディングテーマとの音量バランスの差で耳が死ぬ。
声優の声が70、耳かきなどの音が40、エンディングテーマが100くらいの感じであり、
このあたりの音量バランスを
もう少し考えてほしいと感じてしまう。
ASMR女子
毎話、ヒロインという名のいろいろな声優さんが
「ASMRにはまったあなた」のためにASMRに挑戦するために
ダミーヘッドマイクを買い、自らがASMRを体験しながら
ダミーヘッドマイクに囁いているという内容になっている。
そのためASMRというよりもASMRを
自ら体験している女の子のシチュエーションドラマCDを
聞いているような気分にすらなり、
はっきりいってしまえば「声優」さんの実力によるところも大きい。
囁きかたがうまい女性声優さんはそれなりにASMR感は出ているものの、
それでもASMRよりもASMRを体験している女の子のもじもじした反応や
恥じらい、セリフを楽しむための作品になってしまっており、
ASMRそのものを楽しむためにはそれ以外の要素の主張が強すぎる。
最終話ではヒロインが大集合し、
全員でダミーヘッドマイクをいじりたおす様は
かなりシュールであり、耳かきしながら風鈴の音を聴かせ、
4人が「ふぅー」と吐息を出すもののASMR感はまるでない。
縁側にダミーヘッドマイクが置かれてたり、
ダミーヘッドマイクを4人で囲んだりと、
ASMRをの良さよりもシチュエーションのシュールさが凄まじく、
ASMRの魅力はあまり伝わらない作品だった。
総評:切り取った頭部が主人公
全体的にみてアニメでASMRをするという心意気自体は買いたいものの、
耳かきなどの音に対してキャラクターのセリフが大きかったりする
音量バランスの悪さや、音量を上げて聞いていてもエンディングに入った瞬間に
耳がやられてしまうアニメになっている。
ASMRの音を聴かせたいのか、声優の声を聴かせたいのか。
そのどちらもやろうとした結果の音量バランスなのはわかるが、
いまいちこの作品でASMRそのものの魅力は感じず。
どちらかといえば「ASMR女子の日常」というような
シチュエーションドラマCDを聞いてるような感覚になる作品だ。
キャラクターのデザインもよく、出ている声優さんも可愛い声をしており、
ダミーヘッドマイクを縁側に置いたり4人で囲んだりと
どこかシュールな雰囲気が漂ってる部分は面白いのだが、
色々とどっちつかずな感じになってしまってる要素の多い作品だった。
個人的な感想:いまいち…
この作品の音声作品がDLSiteで販売されていることを考えると
その販促という部分も大きかったのかもしれない。
私はASMRという物自体、そこまで好きでも嫌いでもない。
もしかしたらASMR自体がそもそも好きという方ならば
この作品も楽しめる部分はあるかもしれないが、
いまいちASMRの魅力を感じきれなかった作品だった。
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