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「はたらく細胞!!」レビュー

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評価 ★★☆☆☆(39点) 全8話

あらすじ これはあなたの物語。あなたの体内(からだ)の物語──。引用- Wikipedia

大人の汚い事情

本作品ははたらく細胞の2期。
制作はdavid productionのままだが、監督は小倉宏文に変更になっている。
1クールの作品ではあるが全8話となっている。
なお一部エピソードが劇場で先行公開されており、
私はそちらも見てレビュー済み。

安定の


画像引用元:はたらく細胞!! 1話より
ⓒ清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

1話冒頭、いつも通りな白血球さんの仕事ぶりが描かれる。
久しぶりに見る彼の仕事ぶりどこか懐かしさすら感じつつ、
いつもの「体内」で働く彼らの日常が描かれる。

1期で出てきた赤血球、マクロファージ、T細胞が出てくくる。
もはや自己紹介は不要だ。1期で彼らの働きはすでに見ている人の
頭の中に入っている。それでも一瞬だけキャラクターの
説明テロップを入れており、丁寧な演出で真面目に描かれている。

そんな中で1話、本体に巻き起こるのは「たんこぶ」だ(笑)
傷口から血球たちが放り出されない「たんこぶ」。
まるで頭蓋骨の中が無重力になってしまうかのような表現で
「たんこぶ」になった体内で最近たちがどういう働きを
しているのかが描かれる。

血小板という可愛らしく小さなキャラクターたちの仕事を
まるで親のごとく見守る白血球、
ぶっ飛ばされてどっかに行ってしまう赤血球、
テンポよくコメディタッチに明るく描かれることで
楽しくわかりやすく「学べる」アニメだ。

テンポ


画像引用元:はたらく細胞!! 3話より
ⓒ清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

1期が基本的に1話1エピソード構成だったのに対し
2話から4話までは基本的に1話2エピソード構成になっている。
そのおかげで非常にサクサクと話が進んでいき、
1期よりもわかりやすくテンポが上がっている。

1期のテンポのほうがじっくりと1つ1つの病気や
細胞について学べた感じはあるものの、
2期の序盤から中盤まではテンポを上げたからこその
みやすさも生まれており、1期で主要な細胞などを説明したからこそ、
説明する要素が少ないだけにテンポを上げてストーリーを描いている。

テンポを上げているからこそコメディ要素が強くなっており、
1期よりも「ギャグ」がより際立っている感覚だ。
特に3話の「デング熱」はパロディもあいまって
ギャグ回として非常に優秀だ。

ただ中盤以降もそうなのだが、1期と比べると
白血球とともにもうひとりの主人公のはずの赤血球の出番が少ないのは
やや気になるところだ。

しかしながら序盤の3話までならば安定の2期であり、
点数で言えば70点くらいの作品だった。

どういうことなの?


画像引用元:はたらく細胞!! 4話より
ⓒ清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

問題は4話からだ。
この作品は1クールの作品ではあるものの、なぜか全8話だ。
本来は1クールの作品ならば全12話ないし13話であり、
ノイタミナなどの枠の場合は11話などあるものの、
普通は全8話というのはめったにない。

原作ストックは十二分にあり、原作最終巻は今巷で大流行の
「コロナウィルス」を扱ったエピソードだ。
原作が簡潔したからこその2期であり、そこまで「今」アニメとして
描くことではたらく細胞という作品の価値がより高まるといっても
いいかもしれない状況だ。

しかし、この作品は本当に意味がわからないことをしている。
原作ストックが十二分にあるなかで何故か全8話構成、
しかも半分は劇場で先行公開してしてしまっている。
完全に比較してみたわけではないものの劇場で先行公開したものと
TVで放送された内容に特に変わりはない。

同時期に「はたらく細胞BLACK」というスピンオフ作品も
アニメとして放送されており、そちらは普通に1クールだ。
同じ枠の中でBLACKとこちらのはたらく細胞を放送して
はたらく細胞の内容が全8話くらいしかないならまだ分かるものの、
枠は違ううえに別作品扱いでなぜか全8話しか無い。

なにやら大人の事情が複雑に絡み合っていそうなものの、
先行公開で1クールのアニメの3分の2以上を公開してしまうというのは
かなり前代未聞なことをしており、ファンにとっては
はたらく細胞の2期をほとんど先に見てしまってる状態だ。

はたらく細胞は人気の作品であり、教育機関などでも採用されている。
それだけになぜこんな中途半端な2期になったのか本当に意味がわからない

ぐだぐだ


画像引用元:はたらく細胞!! 5話より
ⓒ清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

4話からの内容はすでに劇場先行作品としてレビュー済みであり、
重複するため詳細なレビューはそちらを見ていただきたいものの、
4話からは明らかにテンポが落ちる。

3話までテンポが良かっただけに余計に4話になった瞬間に
急激にテンポが落ちた感じが凄まじく、
「一般細胞」と「乳酸菌」を主軸にした話がだらーっと描かれる。
内容自体は思わず「ヤクルト」を飲みたくなるエピソードではあるものの、
そんなエピソードのテンポが最悪だ。

何度も似たようなシーンを繰り返したり、同じ説明を繰り返したり、
明らかに尺稼ぎをしているような演出やストーリー構成になっている。
これが1クール全12話にするために話の尺を稼いでいるなら
まだ分かるものの、蓋を開けてみれば全8話だ。
そんな短い話数なのに尺稼ぎで話数を稼いでいるのは意味不明でしか無い。

これは先行公開劇場版でのレビューでも言ったが、
4話からの内容を全3話で収めればテンポも上がって
面白かったかもしれないが4話、5話、6話、7話、8話と
全5話になっている。今までのはたらく細胞なら全3話、
最低でも全4話で描いたエピソードを1.5倍の尺でえがいてる印象だ。

せっかく面白い作品なのにこんな中途半端な2期になってしまったのは
本当に残念でならない。

総評:ちょっとなー


画像引用元:はたらく細胞!! 8話より
ⓒ清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

全体的にどうしてこうなったと思うような作品だ。
3話までの序盤は2期としての面白さがしっかりあったが、
4話からは露骨にテンポが下がり、グダグダで尺稼ぎが目立ち、
全8話で終わるストーリー構成は謎でしか無い。

3話までの作り方、雰囲気のまま全12話制作されていれば
安定の2期として評価できたかもしれないが、
全8話という中途半端すぎるストーリー構成でなおかつ、
3分の2以上先行公開してしまうのは愚行としかいいようがない。

先行公開は言い方は悪いがファンからの搾取だ。
同じ内容をTVなりOVAなりでもう1度ファンは見る、
だが、あえて、同じ内容をもう1度見ることを知ってて劇場で見たいと
思うファンが居るからこそ成り立つものだ。

そんなファンの期待に沿った2期とはお世辞でも言えず、
色々と分けのわからない作品になってしまった。

個人的な感想:なにがあった?


画像引用元:はたらく細胞!! 1話より
ⓒ清水茜/講談社・アニプレックス・davidproduction

2期はまるで打ち切りのように全8話なのは意味がわからない。
何かしらの裏事情があるのかもしれないが、
色々と検索してみたが出てこなかった。

もしかしたらコロナウィルス回を本来は演る予定だったが
色々な大人の事情でできなくなり全8話になってしまったのかもしれないが、
色々と大人の事情が透けて見えてくる作品になってしまったのは
残念だった。

いつかコロナ回を劇場版で見てみたい。
そう思ってしまう2期だった。

「」は面白い?つまらない?

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