覚えていますか?2010年アニメ
みなさん、お久しぶりです。笠希々です。
久しぶりにアニメコラムが書きたくなり、
いつものレビュー記事とは少し違った形の文章となります。
本記事では「2010年」のアニメを振り返りつつ、
2010年のアニメがいかにやばかったかというのをお伝えするコラムになります。
ちょうど10年前のアニメを皆さんは覚えていますか?
いつもどおり長い記事になりますので、お時間のあるときにお読みください。
2010年に至るまで
画像引用元:© GONZO K.K. All Rights Reserved.
00年代初期は90年代のアニメの雰囲気を残しつつも、
やや陰鬱な雰囲気の作品が多く生まれた時代でした。
製作会社で言えば「GONZO」なんかが最たる例です。
基本的にはまだ2クールの作品も多く重厚な世界観、シリアスなストーリー、
作品で言えば蒼穹のファフナーや、攻殻機動隊、フルメタル・パニック、灰羽連盟、
宇宙のステルヴィア、サムライチャンプルーなど、
重厚かつどっしりとした作品が多かった印象です。
しかし、そういうアニメばかりが作れない状況になっていきます。
アニメ制作会社も増え、アニメというものにお金を出す人も増えたことで、
必然的に製作数が増え、2クールという放送尺を得られなくなってきます。
00年代後期からはゼロの使い魔、涼宮ハルヒの憂鬱、らきすた、
ひだまりスケッチなど重軽かつシリアスな作品から
徐々にライトで明るい雰囲気の作品が増えてきます。
いわゆる「第2次ライトノベル原作アニメ」ブームが
巻き起こったといっても過言ではありません。
灼眼のシャナ、マリア様がみてる、今日からマ王!、化物語など
00年代後期のラノベアニメがかなり大量に生まれました。
しかし、アニメが多く作られる裏側で埋もれる作品も少なくはありません。
昨今では3話切りという言葉もありますが、この時代はまだそこまで
早く切られるということはなかったものの、
重厚でシリアスストーリーだとついてこない視聴者も多くなってきました。
そうなるとアニメ製作者側もわかりやすいものを作る流れになります。
「セクシー」な要素です(笑)
かのこん
画像引用元(C)2008 西野かつみ・メディアファクトリー/かのこん製作委員会
2010年になる前にも、様々なセクシーなアニメが作られました。
その最たる例ともいえるのが「かのこん」でしょう。
当時、かのこんはYouTubeにて1話が無料公開されていたものの、
Bパートの動画が「利用規約に違反」するとしてYouTubeに削除されました。
この作品は田舎から転校してきた可愛い少年が
なぜかグラマーな上級生に告白され、そんな上級生は実はキツネだった
というお話。
あらすじだけ見ると大したことはないもののアニメでは規制の嵐、
湯気、光、胸にハート型の何かがついてたりと、もう大変でした(笑)
いわゆる「おねショタ」的なシチュエーションで、
毎回毎回多種多様なセクシーシーンを繰り広げています。
裸は当たり前、お風呂なんてなんのその、ぱふぱふなんてしょっちゅうで、
いたいけな少年が年上のお姉さんに弄ばれ続けるアニメです。
肉感的な女性キャラクターの描写も相まって大変なことになってました。
しかし、話題性はあり、なおかつ何も修正のないDVDは1万枚近く売れて大ヒット。
売れるアニメの傾向がわかれば他社もそれになぞるように
似たような作品が増えるのは今も昔も変わりません。
結果的に多くのセクシーアニメがかのこん以降大量生産されます。
一騎当千&クイーンズブレイド
画像引用元(C)2009 HobbyJAPAN/QUEEN’S BLADE PARTNERS
アームスが手掛けたこ「一騎当千」シリーズ。
アニメ自体は2003年に1期が放映され、現在は4期まで続いた作品です。
この作品は1期の段階から下着が見えたり服が破けるシーンが多く、
シリーズが重なるごとにどんどんと過激になっていっています。
1期ではまだご愛嬌のある感じのセクシーシーンでしたが、
2期からは合体、3期からは肉感的な作画と相まってよりセクシーになり
4期はもうなんか色々大変なことになってました。(笑)
そしてもう1つ、XEBECが手掛けた「クイーンズブレイド」。
この作品も一騎当千と同様に戦闘中に服が弾けるタイプのアニメではあるものの、
とんでもない大きさの胸を持つキャラクターが登場したり、
ファンタジーな世界だからこそのシチュエーションが合ったりと
かなりセクシーなアニメでした。
2010年になるに従って「一騎当千」や「クイーンズブレイド」というシリーズも
どんどん過激になっていった印象です。
この時代のセクシーなアニメはXEBECとアームスが多く手掛けているものの、
2020年段階で両社が倒産しているのは
偶然とは思えないのは私だけでしょうか(汗)
2020年
画像引用元:©天原・masha/株式会社KADOKAWA/異種族レビュアーズ製作委員会
そんな00年代後期の流れから2010年に時代は移ります。
ある意味で「2010年」はセクシーアニメのピークでした。
2020年現在も僧侶枠や異種族レビュアーズなど過激な作品や規制が入る
作品はあり、大胆な表現の作品も少なくはありません。
特に僧侶枠は手法としては「2010年」の地上波で規制したものをながし、
有料のコンテンツにつなげるという手法と全く同じものです。
クォリティ面では段違いであり、僧侶枠はある意味でネタ枠とかしており、
誰もセクシー要素を求めていない現状はあるものの、
やってることは似たようなものです。
異種族レビュアーズも2020年に放送された作品としてはかなり冒険してます。
異世界の、ファンタジーの世界の中での「風俗」を描いた作品は
異例のアニメ化作品と言えるでしょう。
しかし、異種族レビュアーズもどちらかというとコミカルな部分も多く、
オープンに描いているアニメです。
どちらにしても「2010年」の作品に比べれば可愛いものです。
それほど「2010年」という年の作品はいろいろな意味でヤバすぎたのです。
2010年の面白いアニメ
画像引用元:©A-1 Pictures/Aniplex・テレビ東京
2010年のアニメと言えばたまゆら、侵略イカ娘、WORKING、
それでも町は廻っているなど
1クールでニヤニヤと笑いながら癒やされるような作品も多く生まれ、
00年代後期からのアニメ業界の雰囲気の変化が00年代ではっきりと
目に見えてわかるような作品が多く放映されました。
そんなライトな作品がありつつも、
四畳半神話大系、デュラララ、世紀末オカルト学院など
しっかりとした世界観とストーリーを見せてくる作品も少なくはありません。
2010年は玉石混交ならぬ、玉エロ混交の年でした。
あそびにいくヨ!
画像引用元ソラノヲト8話より
©Paradores・Aniplex/第1121小隊
2010年のアニメはある意味で魔境のようなものです。
普通のラブコメでさえ過剰とも言えるセクシーシーンが入り、
そこに光規制が入る。
「あそびにいくヨ」などはシンプルに説明してしまえば
「涼宮ハルヒの憂鬱」+「フルメタル・パニック」のような作品であり、
そんな作品にも関わらずセクシー要素満載でハーレムラブコメになっており、
2020年にもしこの作品をやるとするならばここまで過剰な
セクシー要素ははいらないであろうと感じる作品です。
過剰なセクシーシーンはなくともパンチラくらいは当たり前にしている作品も多く
迷い猫オーバーランだったり、オオカミさんと七人の仲間たちだったり、
セキレイの2期はどちらかといえばクイーンズブレイドに近いものがあるものの、
下着や裸の描写が普通のアニメでもかなり多かった印象が強い傾向にあります。
えむえむっやちゅーぶらなど最初からそういう方向の作品もありますが、
「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」など唐突にキャラクターの一人の失禁シーンのある
話があったりと、一体どうしたんだというような唐突なセクシーシーンが
ある作品も少なくありませんでした。
2010年という時代はそういった要素が必要じゃないアニメですら、
そういったシーンが少なからず盛り込まれていた時代でした。
そういったシーンが有ることで話題になりやすく、
視聴者を多く引きつける作品になっていたという部分はありますが、
そういう作品が多く生まれれてしまうと「ライン」を
超えてしまう作品も生まれます。
モラル
画像引用元:(C)伏見つかさ/アスキー・メディアワークス/OIP
シーンとして、そこまで過激なシーンはないものの
モラルとしてどうなんだ?という作品の代表格と言えば
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」でしょう。
タイトルから分かる通り、
この作品は最終的には兄と妹の恋愛物語になります。
兄妹愛はある種の禁忌であり、この時点ですでにモラルとしてどうなんだ?
といえますが、2010年に放映された1期の段階では
まだそこまで恋愛要素は強くありません。
問題はヒロイン、主人公の妹の趣味です。
彼女は容姿端麗頭脳明晰でありながら「アダルトゲーム」が趣味の中学生です(笑)
もはや色々と大問題過ぎてツッコミどころ満載です。
本来は中学生が買ってはいけないアダルトゲームを中学生が持っており、
なおかつそれが趣味。そんなキャラクター設定が許された時代です。
俺の妹がこんなに可愛いわけがないが徐々に兄と妹のそういう話になる
ストーリーに対して、「Kiss×sis」という作品は最初からそういうお話です。
この作品はもうとんでもない作品であり、
血の繋がりはないとはいえ二人の姉と長時間のキスシーンを繰り広げており、
姉だけでなく同級生や先生も色々と大変なことになってるアニメでした。
モラルといえば女子高生がシモネタを言いまくる
「生徒会役員共」はギャグだからこそ
色々と許されてる部分はあるものの、言葉としてはかなり過激であり、
あの時代だからこそ許された下ネタギャグアニメと言えるかもしれません。
こういったモラルもだいぶゆるくなってしまった時代であり、
モラルが緩まったからこそ、描写も過激になっていきます。
描写
画像引用元:(C)伏見つかさ/アスキー・メディアワークス/OIP
先程出た「Kiss×sis」はかなり大胆な描写の多い作品でした。
「行為に及ぶ」事以外のことはたいていやっており、
失禁シーンも当然のようにあります(笑)
胸が揺れる描写なんてものは当たり前であり、
特に「れでぃ×ばと!」などの胸の表現はある意味で素晴らしいものがありました。
女体賛美のようなものすら感じる女性のパーツの描写を
高いレベルの作画で描き、そんな中で繰り広げられるラブコメ。
ツンデレなヒロインと腹黒なヒロインという二人のヒロインが可愛らしく、
セクシーな要素のあるラブコメとして高い完成度を誇る作品です。
特典BDではもう色々と大変なことになっており、
有名女性声優さんたちがピンク色な声を発しまくる特典になっております(笑)
あそこまで過激な特典はなかなかないと思うほど伝説的な特典といえるでしょう。
「もっとTo LOVEる」も2010年の作品ではありますが、
のちの「ダークネス」と比較すると、割とライトな部分もあり、
2010年の中では割と控えめな作品という印象があります。
あの「To LOVEる」でさえ影を潜めてしまうほど過激だった。
それが2010年という年なのです。
バカバカしさ
画像引用元:© 2010 吉野弘幸・佐藤健悦・チャンピオンRED/聖痕のクェイサー製作委員会
ある程度以上のセクシーシーンになると、
そこにはバカバカしさすら生まれてきます。
1番わかりやすいのは「聖痕のクェイサー」でしょう。
世界観としてはいわゆる「厨二病」な感じの世界観であり、
クェイサーと呼ばれる特殊能力者たちのバトル作品です。
しかし、クェイサーたちは特殊な力を使うために母乳を吸います(笑)
この1文で全てを理解できる方はいないと思いますが、
ありとあらゆる方法で戦闘中でも吸いまくります。
スタイリッシュ搾乳アクションの数々は見るものの度肝を抜きます。
おっぱいに対してのこだわりがあまりにも強く、
「胸で白刃取り」したり、ラスボス的存在の乳を主人公がすったりと、
1話の段階でも色々訳がわからないのですが、
話が進めば進むほど意味がわからないシーンと展開の数々です。
1度見たら確実に忘れられない。
それがこの聖痕のクェイサーという作品と言えます。
バカバカしさで言えばカートゥーン調でドシモネタをやっている
「パンティ&ストッキング with ガーターベルト」も
さすがはガイナックスといわんばかりの強烈なインパクトを残す作品です。
下品さと汚さに塗れまくったあの作品は、
2010年というアニメ業界の雰囲気があったからこそかもしれません。
そしてキミが生まれた。
画像引用元:(C)Sphere/奥木染町内会
00年代のアニメから2010年に至るまでの過程、
そして2010年に生まれたアニメの数々を此処までご紹介してきました。
ですが、最大の問題作をまだ私は紹介していません。
このアニメがあったからこそ2010年以降、セクシーアニメの勢いがなくなり、
このアニメがセクシーアニメに1つの区切りをつけてしまいました。
それが「ヨスガノソラ」です。
この作品の問題点は数え切れないのですが、
2010年のセクシーアニメの傾向として大胆な描写とモラルの崩壊があります。
この作品はその両方をやってのけてます(笑)
この作品は2010年に放映された「アマガミSS」と同様に
オムニバス形式で作られた作品です。
原作がゲームで複数のヒロインが居る作品なだけに
「各ルート」をオムニバス形式で描くのは悪くない手法です。
実際「アマガミSS」は多種多様な魅力的なヒロインとのルートを
オムニバス形式でやったことでいい作品に仕上がっています。
2010年の作品だからこそアマガミSSもセクシーなシーンは多くありますが、
青春恋愛アニメとして1つ1つのルートがしっかりと面白く、
魅力的なヒロインの可愛さをしっかりと味わえます。
その一方でヨスガノソラは3話を堺に
各ヒロインとのオムニバスストーリーになります。言い方を変えましょう。
各ヒロインを「ヤるため」のオムニバス形式です(笑)
玄関開けてびっくり
画像引用元:(C)Sphere/奥木染町内会
この作品自体はストーリー的には意外と練られてる部分もあり、
ヒロインの過去、主人公との関係性、トラウマを乗り越える展開、
昼ドラ的なドロドロとしたシリアスストーリーと悪くない部分も多く、
真正面から「兄と妹」の愛を描いた作品と言えなくもありません。
しかし、「ヤッてしまう」のは明らかにアウトです。
もちろん地上波では規制の嵐でした。
規制が殆どないことが特徴でもある「AT-X」でさえ10話には規制が入りました。
それほどこの作品の描写はやばすぎたのです。
アニメの中でも「東京都青少年健全育成審議会」で議題に上がってしまったのは
この作品くらいだ。当時は「非実在青少年」というのが話題になるほど
漫画やアニメに対する規制が話題になってた時期であり、
そんな時期に喧嘩をふっかけるようなことをしでかしたのがこの作品であるものの、
なぜか東京都青少年健全育成審議会からは「規制しなくてもいい」とお墨付きを
もらってしまうという意味不明な事が起きています(笑)
玄関を開けたら玄関で兄と妹がヤっていた。
そんな衝撃的なシーンをダイレクトに描いた作品は後にも先にもこの作品くらいだ。
当然BPOへクレームが付いたりしたものの、とりあえず最終話まで
放送されたのは奇跡と言えるかもしれない。
DVDの特典では色々なことをヤりまくっており、
2010年のセクシーアニメここに在りと言わんばかりの大物っぷりを
見せつけてくれる作品でした。
ヨスガノソラがやることをやってしまったがために、
2011年以降は世の中の規制や流れも在り、
徐々にこういったアニメは減っていきました。
2010年アニメ総評
画像引用元:(C)Sphere/奥木染町内会
振り返るととんでもない作品ばかりだった2010年。
しかし、良い意味でも悪い意味でも強烈に記憶に残る作品ばかりと言えます。
今ではやれないようなセクシーな描写の数々は振り返ると懐かしさすら感じます。
いい年だったとは言えないものの、色々と興味深い年であり
アニメ業界にとってセクシーアニメの節目の年と言えるかもしれません。
聖痕のクェイサー、ヨスガノソラ、一騎当千、クイーンズブレイド。
見返そうとは思わないものの見返さずとも強烈に記憶に残り、
名作とは言えないものの忘れられない作品ばかりと言えます。
今から約10年前の作品ですが、
ぜひ、この機会に1つでも見ていただけると
あの時代のやりすぎたセクシーな要素の数々を感じ取れるかもしれません。
個人的な感想:他にもいっぱいあるよ!
画像引用元:(C)東村アキコ・講談社/海月姫製作委員会
今回話の流れ的に出しづらかった作品で
いくつか私のおすすめ2010年アニメがあります。
荒川アンダーザブリッジ、海月姫、神のみぞ知るセカイ、刀語と
刺激的な作品の裏でしっかりと面白い作品も多く、
癖全開のSTAR DRIVER 輝きのタクトや、
硬派なブレイク ブレイドなどロボットアニメも負けてません。
この機会に是非、強烈な印象の残る2010年アニメをお楽しみいただけると幸いです。
この作品をどう思いましたか?あなたのご感想をお聞かせください