2月は29日までしかないせいか、
やっぱりあっという間に時間が過ぎ去ってしまいました。
気温的にも暑かったり寒かったりと、もう春の訪れを感じつつ、
夏の気配もただよってくる、そんな2月でしたね。
今回で5回目になる近況報告という名の月間個人的アニメランキング。
ここまで続けば毎月の恒例になったといってもいいでしょう。
2月
さて、2月に見たアニメは8作品でした。少ない(汗)
かなり少ないですね。ちょっとこれは自分的には有りえないレビュー数です。
原因は「首」です。
2月の中旬頃に右の首筋が痛いなーと思っていたら、
どんどんと痛みが強くなり、整形外科に行ったら「寝違え」という判断になりました。
このせいで、なんやかんやで1週間くらいアニメを見れない日がありました。
長時間座ってられなかったり、1日寝てる日もあったりと散々でした。
今も完治とはいかないのですが、治りつつはあるので様子見です。
2月の話題作といえば「劇場版ハイキュー」でしょうか。
興行収入がすでに40億を超えるという大ヒットになっていて、
私も見に行きたいところなのですが、私は2期以降をまだ見てないんですよね。
3月中にハイキューの4期までを見終わって、
まだ上映してれば…見に行きたいところです。
さて、そんなわけで2月に見た個人的アニメランキングです。
8位 お嬢と番犬くん
この作品、色々とクォリティの低さが目立つ作品でした。
特にわかりやすいのは作画で「ヤクザ」なイケメンキャラの顔が
ただでさえ「目のハイライト」がないキャラデザなんですが、
そんな彼の顔がシーンによって整形したのか?と思うほど
崩れまくっていました。
口が動いてなかったり、シリアスなシーンなのに無表情だったり、
もう明らかにガタガタな作画になってしまっていて、
少女漫画原作っぽいラブストーリーを素直に楽しみきれませんでした。
しかも、回想シーンも異様に多く、
2話の段階で「1話の振り返り」を冒頭に挟んだり、
中盤以降も回想シーンばかり、挙句の果ては、
最終話のAパートがほぼ1話から12話までの振り返り(苦笑)
ストーリー構成もガタガタ、作画もガタガタと
褒められる箇所が声優くらいしか無く、
原作のある作品で、せっかくアニメにしておいて、
これか…となってしまう作品でした。
7位 僕らの雨いろプロトコル
おそらくアニメ界初のeスポーツを題材にした作品。
その着眼点は面白そう!という印象なのですが、
作中に出てくるゲームのクォリティが64レベルの画質で描かれていて
死んでしまっている作品でした。
そんなクォリティで描かれている試合の模様もわかりづらく、
ガタガタなCGでなにをやっているのかもいまいちわからず、
最終話では主人公がライバルキャラと真正面で棒立ちで
撃ち合ってるのになぜか1発も当たらないという
FPSではあり得ない状況まで生まれていました。
作品として描きたいのは人間ドラマなのはわかります。
主人公は父を交通事故で亡くし、貧困家庭でバイト付の日々、
妹は同じ事故に巻き込まれて足が不自由。
そんな状況で辞めていたゲームを再び始め、
プロになることでお金を稼げるようになっていく。
そんな主人公を中心に幼馴染、かつてのゲーム仲間、妹が
主人公を狙っている雰囲気だけは出ていました。
結局、それが雰囲気止まりになってしまって、
誰との恋愛も進まないままで終わる、消化不良すぎる作品です。
別にeスポーツを題材にしなくてもやれそうな内容になっていて、
制作側のやりたいことはわかるものの、
それをうまく形にしきれていないオリジナルアニメ作品でした
6位 Paradox Live THE ANIMATION
この作品はヒップホップを題材にした作品でした。
ヒップホップというと「ヒプノシスマイク」を思い出すのですが、
設定的にもかなり似たような部分がありました。
それが「ファントメタル」というアイテム。
これを使うことで使用者の感情に呼応し「幻影」が生み出されます。
そんな幻影によるヒップホップライブが大流行した世界の物語なのですが、
問題なのは、このファントメタルが使用後に使用者のトラウマを
強制的に見せられる後遺症があります。
幻影自体もただのステージ演出レベルのもので、
それを出すためにメインキャラたちはトラウマを何度も見せられながらも
ライブをする、キャラによっては幻影に苦しんでいたり、
場合によっては命の危険もあるものです。
これがぶっちゃけ「ドラッグ」にしか見えませんでした(苦笑)
薬物中毒者が薬物をやめたいのに辞められないといいながら、
自分のトラウマと向き合いながら成長していく、
そんな物語だったのですが、終盤は意味不明でした。
なにせ黒幕が唐突にファントメタルを使って人類補完計画を始めようとします。
なぜ彼がそんな事をしようと思ったのかなどの掘り下げもなく、
本当に意味がわからないストーリーでした。
作画やライブシーンのCGのクォリティはよく、
曲などもかっこいいのですが、ストーリーが色々とズレてしまっている。
そんな作品でした。
5位 ウマ娘 プリティーダービー Season3
ウマ娘の3期として放送された本作品。
この作品は本当に残念でした…
1期、2期、そしてWebアニメとどれも完成度が高く、
毎作涙をこぼしてみていたのに、この作品では涙をこぼすどころか、
なんでこうなってしまったんだという思いに駆られてしまいます。
「キタサンブラック」という誰もが知っている競走馬をモチーフの
主人公、そんなキタサンブラックは史実では大きな怪我もなく強い馬でした。
だからこそ、2期のような「ドラマ」が生まれづらい部分があります。
そんな史実に引っ張られてしまったというのがわかりやすいかもしれません。
序盤こそキタサンブラックも負けるレースが在り、
そんな負けたレースに落ち込みつつも先輩や幼馴染に励まされ、
みんなを笑顔にする、トウカイテイオーのようなウマ娘になることに
憧れてまっすぐに突き進む主人公に感情移入することができました。
しかし、中盤からよくわからなくなります。
1話からキタサンブラックのライバルとして出ていたはずの
「ドゥラメンテ」は中盤からほとんどからみもなく、
キタサンブラックと同じレースに参加することもなく、
ずーっとリハビリしています。
サトノダイヤモンドも序盤は幼馴染として中盤はライバルとして
描かれており、彼女の物語自体は悪くはなかったのですが、
中盤からは凱旋門に挑戦するために海外に行ってしまい、
結局、終盤にキタサンブラックと再戦することもなく。
ライバルがいなくなってしまっているのが最大の原因です。
キャラの掘り下げ方もあまりにもへたで、
「シュヴァルグラン」ももう一人のライバルとして
描こうとしていたのはわかるのですが、終盤でいきなり掘り下げられても盛り上がらず、
キタサンブラックの関係性も薄いまま。
キービジュアルに写っていた「サウンズオブアース」も
居ましたっけ?レベルで存在感もなく、
キタサンブラックもピークが過ぎるとわかると
あっさりと引退を決める始末。
キャラの掘り下げ、キャラの関係性の描写が薄く、
レースも「うぉぉぉ!」と叫んで逃げ切るパターンが多く、
アニメーションも一辺倒なものになってしまいました。
1期や2期、Webアニメが面白かっただけに、
3期でどうしてこうなってしまったのかと
頭を抱えてしまうような作品でした
4位 鬼滅の刃 絆の奇跡、そして柱稽古へ
鬼滅の刃の3期「刀鍛冶の里編」の11話と
2024年春から放送される4期の「柱稽古編」1話を
組み合わせた映画作品でした。
去年も同じ手法で映画化されていましたが、
去年の映画は本当にただただ「つなげただけ」になってしまっていて、
何度もOP曲やED曲を聞かされ、そのたびに流れるスタッフロールが
物語のテンポ感を崩してしまっているものでした。
しかしながら、今作はその欠点がなくなっています。
前作が3話まとめたものにたいし、今作は2話をまとめたものなのですが、
刀鍛冶の里編と柱稽古編の間の部分でエンドロールが流れることもなく、
かなりスムーズに鬼滅の刃という作品を映画で改めて
楽しめるような作品になっていました。
もともと鬼滅の刃自体がTVアニメの枠に収まらない
作画で描かれているだけにスクリーンで楽しむのにふさわしい、
むしろ、スクリーンで楽しんでこそ鬼滅の刃といわんばかりの
映像美と音声の迫力はお金を払っても見る価値があるものでした。
前作の不満点を改善しつつ、今作では今作オジリナルの
特別リミックスのエンディングも聞けるのが特徴になっていて、
ファンなら見に行って損はない作品に仕上がっていました。
3位 ハイキュー!! 終わりと始まり 勝者と敗者
ハイキュー1期を2本の映画として上映した総集編作品。
今、ハイキューがとんでもなく話題になっていて、
そんな映画を見る前の復習としてこの作品をみてみることにしました。
1期をみたのが4,5年前ということで細かい部分を忘れている状態でしたが、
1期の記憶を綺麗に蘇らせれてくれるものになっていて、
総集編映画として「ストーリー」と「キャラクター」を
改めて味わえる素晴らしい総集編映画になっていました。
総集編映画は作品によっては適当な編集で、
ストーリーを無理やり圧縮したような作品も多いのですが、
この作品は細かくカットしつつ、時に大胆にカットしながら
物語をスムーズに描いていて、もし、新規の人が
この作品をみても問題なく楽しめる作品です。
ただ「総集編映画」はやはり「総集編」。
本編ではきちんと描かれていた部分がさらっと流されたり、
試合が1本まるまるカットされていたりと、
尺の都合上、仕方なくはあるのですが、
本編を見ていると不満に感じる部分があることも確かです。
新規カットもあるため、1期はみたけど
記憶が曖昧という人にはおすすめできる作品です。
2位 呪術廻戦 渋谷事変編
呪術廻戦2期は懐玉・玉折編と渋谷事変編にわかれており、
当サイトでも分けてレビューすることになりました。
特筆すべきは圧巻の作画です。
特に終盤は毎話ほぼ映画のようなクォリティで描かれており、
「3万枚」を超える作画で毎話描かれているという意味不明な状態でした
(通常TVアニメの場合3000枚~4000枚)
それだけでなく、この渋谷事変編は戦闘シーンが多いストーリーで、
ほぼ毎話戦闘しています。だからこそなのか、
戦闘シーンを飽きさせないために毎回、絵コンテや演出の
「癖」が変わりまくるのも特徴的でした。
昔のアニメ、特に長期のアニメだとキャラクターの顔が
担当する作画監督さんによって違うことも多かったのですが、
最近はそういうことをしてしまうと「癖」と捉えずに
「作画崩壊」というふうにみられてしまうことも多くなっています。
確かに毎回、キャラの顔が違えば作画崩壊というふうに見えます。
今回の記事にも出てきた「お嬢と番犬くん」なんかが
まさにいい例で、毎回どころか毎シーン、キャラの顔が
整形したように変わっていたこととで作画崩壊とみなされていました。
しかし、この作品はあえて癖全開にしています。
NARUTOのようにあえて作画を崩すことでアニメーションの面白さを
追求したかと思えば、TRIGERに制作協力してもらってロボットアニメになったり、
僕のヒーローアカデミアのような迫力満点の戦闘シーンになったり、
もう毎回の戦闘シーンがオタク的に面白すぎる作品でした。
久しぶりに各話の作画監督や絵コンテを手掛けてるのは誰か、
思わず調べてしまう、昔ながらのアニメオタク的な楽しみ方をしてしまい、
なんだか20年くらい前に戻ったような楽しみ方ができました。
ストーリー的にはまだまだこれからという感じのところで終わっています。
3期もこんな感じの戦闘シーンになるのかは楽しみなのですが、
放送中はTwitterでアニメーターさんがMAPPAに対する愚痴を
つぶやいていたりもしました(苦笑)
原画を担当されてる方の人数もとんでもない数になっていたりと、
まさに映画並みのクォリティで全17話のTVアニメを作っているような感じで、
無理がでるのは当たり前です。
今放送してる日本のTVアニメが呪術廻戦のようなクォリティになることは
まずないと感じるほどの無理のある制作進行の末の素晴らしい作品なだけに、
MAPPAはもう少し、アニメーターさんに色々と還元してほしいとも
感じてしまいました。
ただみてる側としたら、素晴らしい作画によるアニメーションを
ひたすら浴び続けられるような、本当に歴史に残るような作品でした。
1位 BanG Dream! It’s MyGO!!!!!
バンドリシリーズは「ポピパ」を主人公にしたストーリーを
1期から3期、そして映画まで描いてきました。
そんなポピパの物語も映画で一区切りし、新たなバンドの
物語が始まります。それが「MyGO!!!!!」です。
基本的にバンドリシリーズは今まで青春ガールズバンドストーリーとして、
「キラキラドキドキ」とした、いわゆる「けいおん!」などの
萌えアニメ的なニュアンスも強い作品で、
毎クール、終盤はシリアス回などもありましたが、
基本的には明るく楽しいアニメといえるシリーズでした。
しかし、この作品は違いました。
1話からほぼ最終話までずーっと「ギスギス」しています(笑)
1話の冒頭から主人公が中学生時代に参加していたバンドが解散し、
そんなバンドメンバーはそれが心の楔となっています。
彼女たちはずっと迷子です。
生き方が下手な女の子、自分の存在意義を守ろうとする女の子、
自分の居場所を探し求めている女の子。
それぞれが「思春期」の少女らしく、悩み続け、迷い続け、
答えが出そうになってもまた迷子になる。
その繰り返しが1クールずっと描かれています。
10話くらいまで溜め込んだカタルシス、
そんなカタルシスの解放、カタルシスとはなんぞやと聞かれたら
MyGO!!!!!をみればわかる!といいたくなるような作品でした。
曲自体も印象に残る曲が多く、
特に中盤でバンドが空中分解仕掛けた時に、
主人公である「高松 燈」がメロディもなく歌い続けるさまは
ロック魂のようなものを感じました。
更に終盤、仮面をつけていなかった少女たちが
名前も顔も隠し「仮面」を被ったバンドでデビューします。
彼女たちは一体なんなのか、それが描かれる
続編の「Ave Mujica」編も今から楽しみで仕方なくなってしまいました。
今までのバンドリシリーズは一線を画す本作品、
過去のバンドリシリーズを見ずとも楽しめる作品ですが、
見ているとファンサービス的に面白い部分もあります。
私はこのために1期から3期まで、そして映画も見てレビューしたのですが、
個人的には過去作も見たうえで見ると、違った面白みも出てきます。
ただ放送当時はネットでもかなり話題になっただけに、
「バンドリシリーズはしらないけど気になっている」という
人も多いと思います。
そういう方はまずMyGo!!!!!をみていただいて、面白かったら
過去のバンドリシリーズを見て、改めてMyGO!!!!!を見返す。
そんな見方でもいいかもしれません。
作画で殴られ、ストーリーにえぐられる
2月は「重め」な作品をよく見た月でした。
レビュー数としては8作品と少ないのですが、
少ない分、濃厚な作品を見ることが出来たのかなと思います。
最近のアニメは作画のクォリティが上がっています。
鬼滅の刃、呪術廻戦は規格外の作画のクォリティになっていて、
10年前や20年前なら考えられないような作画を
TVアニメとして無料で見れてしまう、本当に素晴らしい時代です。
ストーリーもいわゆる「ハズレ」な作品はもちろんあります。
ただ、それは10年前も20年前も変わりません。
過去の作品を彷彿とさせるような作品は20年前にもありました、
呪術廻戦はよくHUNTERHUNTERやNARUTOなどの作品を
彷彿とさせるようなシーンが良くあります。鬼滅の刃もそうですね。
ただ、創作とは模倣であり、模倣からオリジナルが生まれると私は思っています。
アニメは年間300本制作され、似たような要素のある作品は必ずしもあります。
これは音楽も同じですね。
完全にオリジナル、どの作品の要素もない作品を作ることは不可能な時代です。
なにかしらの要素は、すでになにかしらの作品でやっています。
そんな模倣が当たり前の時代で、ただの模倣でおわるか、
面白い作品に昇華させるかは制作者の腕次第です。
そういった意味で鬼滅の刃も呪術廻戦もうまくやっているなと感じます。
「MyGO!!!!!」のドロドロとした人間関係の描写も、
シリアスなアニメが減った昨今では逆に新しくも感じますが、
もっと重苦しい作品も過去には存在します。
私は面白ければ模倣であってもいい、そんな主義のもと、
今後もアニメレビューを続けていきます。
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